後手陣の急所を歩で攻める


上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△2九龍と桂馬を取った局面。ソフトの評価値+614で先手有利。

駒割りは角と金銀の交換で2枚替で後手が駒得していますが、この局面が先手有利だったのは気がつきませんでした。

対局中は中盤から終盤になるような局面の早指しだと、駒の損得などを考える余裕がありません。

先手は穴熊にしており、6四の歩と7四の歩の拠点があってここで先手の手番なのが大きいようです。

対局中は単純な狙いで▲6五角の両取りに打ちましたが、あまりよくなかったようです。

実戦は▲6五角だったのですが△6九竜なら、ソフトの評価値+302で先手有利。

この手順は何か先手に手がありそうと考えると、つい大駒を使いたくなり▲6五角と打つのですが、△6九龍と飛車取りにくれば先手有利もほとんど互角のような感じです。

△6九龍には▲6八飛と飛車交換を狙う展開になりますが、以下△同龍▲同角△5二銀となれば先手の6五の角がややすっぽ抜けた形になります。

遊んでいた先手の飛車を交換して持ち駒にしたという考えもありますが、最初の局面では別の指し方があったようです。

▲6五角では▲7三歩成がありました。

▲7三歩成△同金▲6五桂で、ソフトの評価値+548で先手有利。

この手順は▲7三歩成と歩を成り捨てる手ですが、後手が歩切れなので少し指しづらい手です。

後手の7二の銀と6二の金の形にときに▲7三歩成とすると、後手の金と銀のどちらかの形が崩れます。

▲7三歩成に△同銀なら▲8三桂があり以下△8二玉に▲9一桂成という展開は、後手の玉が守りの金と銀から離れるので、感覚的に△7三同銀とはしづらいです。

よって△7三同金ですがそこで▲6五桂が継続手です。

守りの金を桂馬で攻める展開は、攻める側としては狙い筋になります。

▲6五桂に7三の金が逃げますとまた▲7三歩の叩きがあり、6四にも歩の拠点があるので先手の攻めが勢いがつく形になります。

そのようになりますと後手が一方的な受けの展開になりやすいので、少し駒損になりますが△6二銀と打って辛抱します。

▲6五桂以下△6二銀▲7三桂成△同銀▲7四歩で、ソフトの評価値+820で先手優勢。

この手順は▲7三桂成と金を取ってから▲7四歩と叩く手です。

守りの銀の頭を歩で狙うのはこれも攻めの手筋で、後手の銀が縦2枚並ぶ形は一般的にはいい形なのでそれを崩す感覚です。

▲7四歩に△同銀なら▲7三歩△同銀▲7五歩のような感覚で、△8三銀なら▲6三歩成を狙います。

まだ手順はかかりますが先手が指せているようです。

後手陣の急所を歩で攻めるのが参考になった1局でした。