上図は、先手が角換わりから早繰銀からの進展で▲5五歩に△7三桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+286で互角。
この数手前までは似たような進展がたくさんあり、▲5五歩には△4三銀とか△6三銀とか受けてくるのかと思っていました。
このような局面で△7三桂と跳ねた手は実戦譜はあるのかもしれませんが、自分は初めてみました。
先手には▲5四歩と突き捨ててから、▲3四歩△同銀に▲7一角の筋があるからです。
4四の地点に馬ができれば先手は満足ですが、実際はどうなのかが気になります。
実戦は△7三桂以下▲5四歩△同歩▲2四歩△同歩▲3四歩△同銀▲7一角△8一飛▲4四角成△4三金右で、ソフトの評価値+162で互角。

この手順は先手の狙い筋で、4四に馬を作る前に2筋の歩を突き捨てていたのですが、△4三金右をやや軽視していました。
今見れば普通の受け方ですが、ここで▲1一馬には△2二銀▲1二馬△2三銀引があります。
以下▲同馬△同銀で、ソフトの評価値-277で互角。
この手順は角と銀香の2枚替えで普通は2枚交換しているほうが駒得ですが、互角とはいえ後手が少し指しやすいみたいです。
△2三銀引とできるのは先手が2筋の歩を突き捨てたのが大きく、銀冠に組めれば後手は満足です。
さすがに働きのいい馬を2枚替えとはいえ交換するのは少しもったいなく、ここで▲1一馬と指せずに▲6二馬ではやや予定外だったです。
それでもいい勝負だったようですが、最初の局面では別の指し方があったようです。
△7三桂以下▲5四歩△同歩▲3四歩△同銀▲7一角△8一飛▲4四角成で、ソフトの評価値+384で先手有利。

この手順は実戦と似たような展開ですが、2筋の歩を突き捨てずに▲3四歩から馬を作ります。
今度は2筋の歩を突き捨てていないので、△4三金右には▲1一馬とする手が成立します。
▲1一馬に△2二銀▲1二馬と進めば2三に後手の歩があるため△2三銀引とはできません。
▲4四角成以下△3三歩▲2四歩△同歩▲5四馬△6三銀▲同馬△同金▲7二銀△4一飛▲6三銀成△6五桂▲5二成銀△4七飛成▲4八飛△7七桂成▲同桂で、ソフトの評価値+280で互角。
この手順は、2筋を突き捨ててから▲5四馬で先手の気持ちのいい展開なのですが、そこで△6三銀が強い手で以下▲同馬△同金に▲7二銀があるのですが、△4一飛と回って△4七飛成を狙います。
▲6三銀成に△6五桂もこの形の狙い筋で、普通は2枚替えで先手がいいはずなのですが、実際はいい勝負のようです。
実戦にしろ変化手順にしろ、馬ができたあたりはやや先手の方の形勢を過大評価していたかもしれません。
やや意外な手順も実戦はいい勝負なのが参考になった1局でした。