焦点に歩を打ち捨てて飛車を捌く


上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△3六歩と突いた局面。ソフトの評価値-72で互角。

後手が△2五桂と跳ねて次に△3七歩成を狙った形です。

対局中は5筋の攻めの拠点は作っているものの、後手の桂馬が捌けそうな展開でだいぶ先手が悪いと思っていました。

ただし評価値を見るとほとんど互角だったので、このあたりは全く形勢判断ができていませんでした。

将棋をしているとこれくらいの差は普通にあるので、あまり形勢を悲観して指し手が単調になるのがよくないです。

実戦は△2五桂以下▲6四銀△同銀▲1一角成△3七歩成▲同桂△同桂成▲2九飛で、ソフトの評価値-769で後手有利。

この手順は完全に先手の失敗で、さすがに銀桂と香車の交換では駒損が大きいです。

わざわざ自ら墓穴を掘るような指し手をするようではまずかったです。

▲6四銀では▲4六歩がありました。

▲4六歩△3七歩成▲3五歩で、ソフトの評価値-82で互角。

▲4六歩は少し考えてはいたのですが、△3七歩成の対応が分からずやめたのですが、ここで▲3五歩がありました。

▲3五歩は少し難しい手です。

先手の角が6八にいて角道が直通していれば▲3五歩のような手は浮かびやすいのですが、角が7七にいる形で▲3五歩と捨てるのは浮かびません。

▲3五歩は焦点の歩で、後手は歩を取るなら△3五同角と△3五同飛のどちらかです。

▲3五歩に△同角や△3一飛なら▲3七桂があり、これは先手の桂馬が捌ける形なので理想的な展開です。

また▲3五歩に△2七となら▲3四歩で、ソフトの評価値+496で先手有利。

この手順は飛車交換で駒の損得がなく、次に先手も▲3三歩成があるので先手が指せそうです。

よっと後手は△3五同飛とします。

▲3五歩以下△同飛▲3七桂で、ソフトの評価値-69で互角。

この手順は△3五同飛とさせてから▲3七桂が面白い手です。

▲3七同桂に△同桂成なら▲2四飛で、ソフトの評価値-85で互角。

この手順は先手の桂損ですが、▲2四飛と捌ける形なのでこれなら先手も戦えそうです。

▲3七同桂に△同飛成なら▲同飛△同桂成▲8六角△5八飛▲6四銀で、ソフトの評価値-20で互角。

この手順も先手が桂損ですが飛車交換をする展開で、▲8六角から▲6四銀と直接後手玉の近くで駒をぶつけるのが興味深いです。

自分の感覚だと▲4四銀から▲5三歩成が浮かんだのですが、さすがちょっとぬるい感じです。

▲8六角から▲6四銀の方が迫力があり、後手玉の近くで駒を交換すれば▲5三銀のように数手前に▲5四歩と抑えた手が活きる形になります。

焦点に歩を打ち捨てて飛車を捌くのが参考になった1局でした。