上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲6四桂と打った手に△9五歩と突いた局面。ソフトの評価値+1152で先手優勢。
▲6四桂は飛車と金の両取りですが、後手は飛車を逃げずに△9五歩と穴熊の一番嫌なところを攻めてきた展開です。
飛車を逃げてもじり貧になるということだと思いますが、逆転を目指すなら△9五歩は実戦的な手で先手も嫌な形です。
後手は9筋に手が入ると桂馬や香車のうるさい攻めが続くことがあります。
先手としてはできるだけ9筋を対応しないように指しました。
実戦は△9五歩以下▲7二桂成△同銀▲6四桂△9六歩で、ソフトの評価値+1422で先手優勢。
この手順は、飛車を取らずに守りの金を取って再度▲6四桂と攻める手に、後手も△9六歩と端で勝負するというお互いに一直線のような展開です。
△9六歩と取り込んだ形は次に△9七香などが先手も嫌な形ですが、先手はそれを上回る攻めやしのぎがあればこの指し方でもいいようです。
ただしどちらかが倒れるかという指し方はやや危険なので、もう少し手堅く指す手もあったようです。
▲7二桂成では▲5二桂成がありました。
▲5二桂成△9六歩▲9四歩で、ソフトの評価値+1145で先手優勢。

この手順は▲5二桂成と飛車を取る手で、以下△9六歩に▲9四歩と垂らす展開です。
▲5二桂成は飛車をただで取る手で終盤ではやや甘いのかと思って指せませんでしたが、やはり飛車を取るのは大きかったようです。
▲7二桂成とすれば後手玉は少し弱くなりますが、後手も桂馬を補充することになるので先手にも少しプレッシャーがかかります。
後手は△9六歩としたときに▲9四歩が味付けの一手です。
△9四同香とさせると9一の下段の香よりやや働きが弱くなるのと。9四の形にすると後手玉は9三から上にいけない形になります。
そのような味付けですが、後手は△9四同香としないと9一の香車が働かないので△9四同香です。
▲9四歩以下△同香▲6四桂△9七香▲7二桂成△同銀▲9七桂△同歩成▲同銀△8五桂▲9五歩で、ソフトの評価値+1611で先手優勢。

この手順の▲6四桂に△9七香として一手違いの展開になります。
いくら途中までは圧倒的に形勢が離れていても、最後は一手違いになることが多いのが将棋の不思議なところです。
一手違いにならないような自玉が安全な受け切り勝ちのような指し方は、現実的にはなかなか難しいです。
後手は9筋から手をつけて△8五桂と打った時に▲9五歩と打つのが細かいです。
▲9五歩は受けの意味もありますが、別の狙いもありました。
▲9五歩に△9七桂成なら▲9三金があります。
▲9三金に△同玉なら▲9四歩△同玉▲9五香△同玉▲9三飛△9四桂▲8六金まで詰みです。
この手順の▲9四歩に△8二玉は▲9三歩成△同玉▲9四香△同玉▲9五香△同玉▲9三飛△9四桂▲8六金まで詰 みです。
また▲9三金に△7三玉は▲6三金があり、△同玉なら▲5三飛で詰みです。
△6三同銀は▲8三飛△7二玉▲7三香△同角▲同飛成△同玉▲9一角△7二玉▲8二角成まで詰みです。
よって▲9五歩には△同香ですが、そこで▲9四飛と打ってこれが▲9二金からの詰めろを狙って先手が指せるようです。
この指し方も決して簡単ではないですが、終盤はこれくらい難しいようです。
9筋の空間に歩を打って受けるのが参考になった1局でした。