上図は、相掛かりからの進展で△8七成香と銀を取った局面。ソフトの評価値+452で先手有利。
駒割りは、この瞬間は飛金と角銀香の交換ですが▲8七同金と取れる形なので実質は飛金と角銀の交換です。
また先手は7二の銀や3四の銀も取れそうな形なので、先手が駒得になりやすいです。
そのような意味で先手が少し指せているようです。
ただし後手の8九の馬も働いているので先手玉少し危険な形です。
実戦は▲7二と△同玉▲8七金△5五桂で、ソフトの評価値+218で互角。

この手順の▲7二とは、歩で後手玉の守りの銀を取る形の銀得なので自然な一手かと思っていました。
以下△同玉▲8七金に△5五桂が次に△6七馬からの詰めろです。
後手玉にまだ即詰みはなく実戦は▲5六銀とあがりましたが、△4七歩がうるさくいい勝負のようです。
△5五桂の局面は先手が金得をしているのですが、後手に手番が回っているおり3四の銀も攻めに使えそうで互角のようです。
後手玉が守りが薄く先手が少し駒得をしているので先手が少し指しやすいかと思っていましたが、後手玉は8筋と9筋の上部が広いのと△4七歩とされると自玉の受け方も難しいのでこのあたりは少し楽観気味でした。
終盤は駒の損得より速度という格言もあるので、終盤になると序盤や中盤とは違う感覚になることがあります。
▲7二とでは▲4二飛成がありました。
▲4二飛成△5二銀▲8七金△8三歩▲3四成桂で、ソフトの評価値+341で先手有利。

この手順は▲4二飛成と合駒請求をする手で、△5二銀に▲7二とでなく▲8七金が指しづらいです。
普通は守りの銀を取るのが自然ですが、銀を取らずに▲8七金というのは今まで見たことがありません。
この手順の▲8七金で▲7二と△同玉▲8七金は△5五桂で、ソフトの評価値+212で互角。
この手順は実戦と同じように△5五桂とするのが急所のようで、5六銀と逃げても△4七歩と歩を使った攻めがあるのがうるさいです。
また後手の3四の銀が、将来△4五銀として攻め駒として役立つ可能性もありそうでやや先手も受けに神経を使います。
そのような意味で後手の7二の銀を取らずに▲8七金として、以下△8三歩に▲3四成桂と3四の銀を取るのが手厚いようです。
結局は後手の銀を取った形になります。
最後の局面の▲3四成桂以下△5五桂▲5六銀△4七歩▲5八金で、ソフトの評価値+763で先手有利。
この手順は後手もくらいついていますが、持ち駒が角と歩ではやや攻め駒が少ないので先手が指せているようです。
実戦と違って後手は5二に銀を使っているのと3四に銀がいないので、後手はやや攻めが細いです。
後手玉はしっかりしているのでまだ手数はかかりますが、先手はゆっくり指しても駒得が活きそうです。
守りの銀を取らずに攻めの銀を取るのが参考になった1局でした。