少しの違いでも全く違う

上図は、相掛かりからの進展で△5三同歩と成桂を取った局面。ソフトの評価値-509で後手有利。

駒割りは銀と桂香の交換ですが、すでに終盤に入っているので駒の損得はあまり関係ありません。

後手から△7九龍とされると詰めろになるので▲4八玉とすることになりますが、この組み合わせはセットみないた感じなので、先手としては少し忙しい局面です。

7三の成銀を6筋に近づけると詰めろになるので、対局中はまだいい勝負かと思っていましたが、少し後手の方が指せているようです。

実戦は▲6三成銀△4二銀▲7五飛△7九龍▲4八玉△7四歩▲同飛△2五桂で、ソフトの評価値-1642で後手優勢。

終盤力は将棋で結構大事ですが、このような局面の棋力を上げるというのは結構難しいです。

どのような方法だと終盤力が上がるかが、自分でもよく分かっていません。

将棋の詰む詰まないというのは詰将棋みたいになるので答えが出てきますが、その一歩前の 寄せの形を目指す というので手が広いです。

最短距離の寄せの形を目指すのか、最短距離でなく確実な手で寄せを目指すか、もう少し受けに回って駒を蓄えてから寄せの形を目指すかなど手が複数あることが多いですが、だいたい終盤は時間がないような状態がほとんどなので、結局はその局面の直感になることが多いです。

本局は先手は▲6三成銀から普通の手の流れですが、後手は△7四歩と打ち捨てて▲同飛に△2五桂と詰めろをかけてきます。

△2五桂は△5八金からの詰めろで、▲同玉なら△6八龍で詰み、▲同金なら△3九銀で詰みです。

後手玉も少し危ないようですが、▲5二成銀でも▲5二金でも▲7一飛成でも後手玉に即詰みはありません。

このような進行は相手が間違えてくれれば別ですが、比較的分かりやすい展開だったかもしれません。

比較的分かりやすいというのは、普通の手なので考えやすいということです。

▲6三成銀では▲6二成銀がありました。

▲6二成銀△4二銀▲4八玉△7九龍▲2四歩△同歩▲7五飛で、ソフトの評価値-254で互角。

この手順は実戦と似ていますが2か所違います。

1つは成銀の位置で、▲6二成銀として少しでも後手玉に近いところにもっていきます。

▲6二成銀だと玉の5一と5二に利いていますが。▲6三成銀だと玉の5二にしか効いていません。

もう1つは飛車を7筋に回る前に▲2四歩と打った手で、△同歩とさせることで2三に空間をあけてことです。

この2つが違うだけで形勢は互角になるのが難しいです。

最初は▲2四歩△同歩の意味が分かっていませんでした。

2三に空間をあけたのは、将来▲2三歩△同金▲3五桂のようなことかと思っていましたが、そんな甘い筋ではなかったです。

▲7五飛に△2五桂なら▲7一飛成で、ソフトの評価値+99986で先手勝勢。

△2五桂は実戦と同じような手の詰めろですが、この場合は▲7一飛成とすれば以下詰みです。

▲7一飛成△5一桂▲5二金△3一玉▲2三桂△同金▲4二金△同玉▲5一龍△3二玉▲4一銀△3一玉▲5二銀成△3二玉▲4一龍まで詰みです。

これは先手がうまくいきすぎな例ですが、▲2三桂と打つのが急所でちょっとした局面の作り方で形勢が逆転するのが将棋は難しいです。

少しの違いでも全く違うのが参考になった1局でした。