上図は、角換わり腰掛銀からの進展で△7七歩成とした局面。ソフトの評価値+667で先手有利。
駒割りは角銀香と金の交換で、実質角香得でだいぶ先手が駒得しています。
ただし、後手玉が金銀3枚で囲っておりまだ後手玉の寄せが見えない形で、後手も粘りが効く形です。
対局中はここまでまずまずと思っていましたが、次の一手はやや強気すぎて形勢を損ねたようです。
実戦は△7七歩成以下▲3四銀△7六龍▲4七玉△4六歩で、ソフトの評価値-408で後手有利。

将棋の難しいところは今まで苦労して形勢を少し有利に進めてきても、一手おかしな手を指したときにその手を咎められると形勢が逆転することがあります。
本局もそんな感じで△4六歩と後手の攻めの拠点の歩ができると駒の損得はあまり関係なくなり、先手玉の玉の薄さが気になる形です。
△4六歩が入ると以下▲3八玉に△4七金から清算して△7五龍で後手は駒損を回復する手があるので、先手の失敗のようです。
先手が攻め合いにいこうとしても、玉が薄い形で△4六歩と打たれると先手玉はもちません。
▲3四銀では▲4六桂がありました。
▲4六桂△7六龍▲6六銀打で、ソフトの評価値+658で先手有利。

この手順の▲4六桂は将来▲3四桂と跳ねて王手をする狙いもあるのですが、4六の地点に駒を埋めて△4六歩と打たせないようにする意味合いが強いです。
どちらかといえば先手玉の周辺を手厚くするという意味で、▲3四銀とせず4五に銀を置いたままにするのも同様の意味です。
▲4六桂に△7六龍と王手をかけてきますが、そこで▲6六銀打が何気ないですが大事な一手のようです。
▲6六銀打で▲4七玉とすれば4六に桂がいるので△4六歩は打てないですが、今度は△5五桂がうるさくなります。
▲6六銀打として後手の龍の利き止めるのが大事ですが、そこで△6七とが気になります。
▲6六銀打以下△6七と▲6五角△6六と▲同銀△6七銀▲5五玉で、ソフトの評価値+964で先手優勢。
この手順は△6七とから△6六とで先手は銀損になるのですが、元々は先手が駒得していたのでそこまで影響はないようです。
▲6五角と攻防に打つのが手厚いようで、この手も少し浮かびにくいです。
△6七銀に▲5五玉として中段玉になるのですが、この感覚も最初は少し違和感がありそうです。
意外と先手玉は上部が手厚く簡単に寄らないようで、▲3四桂の王手を含みにして先手が指せるようです。
▲4六桂や▲6六銀打や▲6五角と自陣に駒を埋めるのですが、飛び道具である桂馬や角は攻防の働きの駒になるというのが興味深いです。
このような感覚は、普通の玉の囲いに手を入れるというのと少し違って難しいようです。
玉の周辺に駒を埋めるのが参考になった1局でした。