少し危険でも▲8九同玉とする

上図は角換わりからの進展で△8九香成と桂馬を取った局面。ソフトの評価値-342で後手有利。

この局面で▲8九同玉とすれば駒割りは角と銀で先手が少し駒得ですが、後手の攻め駒に近くなります。

後手玉はしっかりしており、先手から攻め合いにするような形ではありません。

実戦は▲8九同玉とするとやや危険かと思って▲6九玉としましたが、これがまずかったようです。

▲6九玉△8五飛▲8六歩△8一飛▲2八飛△6六歩▲5八玉△5五桂で、ソフトの評価値-941で後手優勢。

この手順の▲6九玉は広い方に玉を逃げる形ですが、駒割りは角と銀桂の2枚替えになったので後手が駒得です。

先手は▲2八飛として飛車を定位置に移動して後手玉を睨む形にしましたが、後手玉がしっかりしておりまだ大したことがありません。

後手は駒得した桂馬を5五に打ってさらに駒得になりそうな展開で、こうなると後手の攻めは切れません。

このような展開だと先手があまり楽しみがありません。

▲6九玉では▲8九同玉がありました。ソフトの評価値-346で後手有利。

この手順は▲8九同玉として駒損をさける形です。

先手玉は守り駒が少なく先手の飛車が自玉に近いのであまりいい形ではありません。

ただし実戦のような指し方だとじり貧になりそうなので、ここは少し苦しくても▲8九同玉だったようです。

▲8九同玉に△8六歩なら▲同金△7七銀▲2八飛△4五銀直▲同歩△8六銀成▲9五歩△6六桂で、ソフトの評価値-536で後手有利。

この手順は△8六歩と先手の歩の裏側に歩を叩くのが手筋で、後手は飛車を逃げずに強く攻めてきます。

この手があるので実戦の▲6九玉を選択したのですが、△8六歩▲同金△7七銀▲2八飛の展開も後手の攻めはかなり細いです。

普通は8六の金をぼろっと取られては先手にとっていいことはないのですが、この場合は▲9五歩と後手の飛車を取れるのと、飛車が入った形で▲2八飛から▲2四歩が詰めろクラスの手になります。

後手も決して攻め駒が多くなく、攻めが一休みすると先手は立ち直るチャンスがでてきます。

よって後手は△8六銀成から飛車を捨ててから攻めを継続する手で、このような手順はおそらくどちらかが倒れているような感じですが、実戦のじり貧模様に比べたらはるかに勝負形のようです。

手数が伸びてもじり貧模様になって勝負所がない局面より、短い手数で負けるかもしれないけど攻め切れるか受け切れるかという局面を選択した方が勝率が高くなりそうです。

今後はこのあたりを意識して局面の形勢判断をしてみたいです。

少し危険でも▲8九同玉とするのが参考になった1局でした。