後手に攻めさせて形勢を拡大する

上図は、角換わりからの進展で▲2二歩と打った手に△1三桂と逃げた局面。ソフトの評価値+559で先手有利。

角換わり腰掛銀から後手が右玉にした展開で、先手は矢倉に組みました。

後手は6筋に位を取って金と銀3枚で結構手厚い形ですが、反面2四の銀の働きがいまひとつなので先手が指せているようです。

ここで先手がどのように手を作って形勢を拡大するかという局面です。

実戦は△1三桂以下▲6七歩で、ソフトの評価値+395で先手有利。

この手は将来△6六歩と伸ばされる手や将来△6六桂を事前に受けた手で、ソフトの候補手の1つだったのですが、ソフトは別の手を推奨していました。

▲6七歩では▲3三歩がありました。ソフトの評価値+540で先手有利。

この▲3三歩は次に▲3二歩成が狙いですが、意外と後手は受けがありません。

▲3三歩に△同銀なら▲2三飛成があります。

▲3三歩に△3一歩は▲2一歩成があります。

また▲3三歩に△3一飛は▲4五桂があり、以下△3三銀は▲2一歩成△同飛▲3三桂成で後手が銀損になります。

よって後手は受けてもきりがないので動いていくしかありません。

後手からは2通り動く手が考えられます。

1つは▲3三歩に△6六歩で、以下▲3二歩成△6五桂▲4二と△7七桂成▲同金で、ソフトの評価値+565で先手有利。

この手順は後手は△6六歩から△6五桂と6筋の厚みを活かした手で、銀と桂馬の交換で後手が少し駒得です。

普通は駒得した後手の方が形勢がよさそうな感じですが、右玉の場合は必ずしもそうとは限らず、7三の桂馬がいなくなることで逆に後手陣が薄くなっているともいえそうです。

また後手から厳しい手がなければ、先手は▲4三歩成~▲5二と寄のような手が間に合ってきます。

もう1つは▲3三歩に△9五歩で、以下▲同歩△2五桂▲同桂△同銀▲同飛△6六桂▲9六桂で、ソフトの評価値+726で先手有利。

この手順の△9五歩は、後手から手を作るならあまり被害が少ないところから動く感じです。

▲9五同歩に△2五桂は普通はない手ですが、後手は遊んでいる銀と桂馬を活用する手で、以下駒の交換をしてから△6六桂と打つ展開です。

後手は一時的に銀損になりますが、玉頭戦に持ち込んで厚みを活かす手順です。

ただしこの場合は▲9六桂が9筋を逆用した手で、これで先手が指せるようです。

▲9六桂以下△7八桂成▲同玉△3九角成▲4三歩成△同歩▲2三飛成で、ソフトの評価値+961で先手優勢。

この手順は後手は△7八桂成から△3九角成としてもたれる指し方で、駒割りは金と銀桂の交換で先手が2枚替えで少し駒得です。

また9六に桂馬がいるので攻めの拠点があるのも大きく、先手が指せているようです。

最後の▲4三歩成に△同歩に▲2三飛成は次に▲3二龍と入った手が後手陣に龍が直通する意味です。

ポイントは先手から無理に動くのでなく、後手に攻めさせて形勢を拡大する感覚が大事なようです。

後手に攻めさせて形勢を拡大するのが参考になった1局でした。