飛車を打って角にひもをつける


上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△4七馬と2九の馬が引いた局面。ソフトの評価値-301で後手有利。

形勢は後手有利になっていますがほとんど互角で、駒の損得はありません。

△4七馬が角取りなので先手の角をどうやって受けるかという局面です。

実戦は▲2六角△2五馬▲5三桂打△4三馬▲6一桂成△同銀で、ソフトの評価値-957で後手優勢。

この手順の▲2六角は部分的には自然な手で次に▲4四角が狙いだったのですが、△2五馬をうっかりしていました。

△2五馬は先手玉を狙うような手でなく、先手玉と反対側に動いて駒得を狙う手なのでうっかりしやすいです。

△6一同銀の局面は金と銀桂の交換の2枚替えで先手が少し駒損です。

ただし、後手の4三の馬の働きがよくこの流れは見た目以上に先手は勝てません。

9筋の端攻めなど後手は指したい手がたくさんあります。

▲2六角はポカに近いような手だったので仕方ありませんが、1手で将棋がだめになったという感じです。

▲2六角では▲3一飛がありました。ソフトの評価値-452で後手有利。

▲3一飛は3七の角にひもをつけた手ですが、一目指しにくい手です。

指しにくい意味は、8八の玉と3七に龍がいる位置が△5五角の王手飛車の筋があるからです。

これは感覚的なもので6六に歩があるので王手飛車はかからないのですが、何かの時にそのような展開になりやすいということです。

そのような意味で▲3一飛は指せなかったのですが、読みを入れていれば▲3一飛は自然な手です。

▲3一飛に対して後手も意外と手が難しく、部分的な手としては△5六歩と打って△5七歩成を狙う手はありますが、この場合は△5六歩には▲5四桂が厳しいです。

また▲3一飛に6四の桂馬を活かす手として△7五歩はありますが、7四の地点に空間があくと▲7四桂が生じます。

▲3一飛以下△5七金▲7七金寄△3七馬▲同飛成△3六歩▲同龍△6八角▲3九龍△7九角成▲同龍△6八銀▲4九龍で、ソフトの評価値-1124で後手優勢。

この手順は▲3一飛に△5七金ですが、少し重たい金なので指しづらいです。

△5七金に▲7七金寄として後手の手が続くかどうかですが、△3七馬と角を取ってから△3六歩が浮かびづらいです。

△3六歩に▲同龍だと守りとしての龍の働きが弱くなりますが、龍は敵陣にいないと本来の力を発揮しづらいので▲同龍とします。

そこで△6八角と被せて打つ手で、後手は飛車と角と金と6四の桂馬の4枚の攻めです。

4枚の攻めなので食いつかれたら攻めをほどくのは大変ですが、後手は攻めるしかなく攻めが途切れたら先手にチャンスが回ってきますので、実戦のじり貧の手順よりはあやがあってまだ勝負形という感じです。

飛車を打って角にひもをつけるのが参考になった1局でした。