上図は、角換わりからの進展で△5五歩と打って▲6四角の銀取りを受けた局面。ソフトの評価値+1512で先手優勢。
駒割りは金と桂馬の交換で先手が駒得で、さらに▲5三歩成とすればさらに先手が駒得しそうなので先手優勢です。
ここから先手がどのように優勢を拡大して勝勢にするかという局面です。
後手玉は守りが薄いですが、先手が寄せにいくのはまだ早すぎるので確実な手を指した方がいいようです。
実戦は▲5六銀△8六桂で、ソフトの評価値+1715で先手優勢。

この手順は▲5六銀と攻め駒を増やす手で、△同歩とすれば▲6四角と出て次の▲5三歩成の受けが難しくなりますので、△8六桂と打ってきました。
後手としても先手玉に嫌味をつけるなら△8六桂と玉頭から手を作るという感覚です。
実戦は△8六桂に▲同歩△同歩で少し先手玉も嫌な形になってきました。
これでもまだ先手優勢ですが、△8六桂には▲5五銀△同銀▲同角△7八桂成▲同玉とさっぱりした形で受けるのもあったようです。
なお最初の局面では▲5六銀はソフトの候補手には上がっておらず、ソフトの推奨手は▲9六香でした。
▲5六銀で▲9六香なら、ソフトの評価値+1569で先手優勢。

この▲9六香は後手の9筋の種駒を消す手ですが、感覚的には指しにくい手です。
先手の下段の香車が4段目に上がって浮いた形になるので、守りがかえって弱くなったようなイメージもあります。
昔の感覚だったらあまり考えないような手だと思います。
▲9六香に△9五香なら、▲同香△同角▲9九香△9七歩▲同香△7七角成▲同金△8五桂打▲同歩△同桂▲9二香成△9九銀▲8七玉△7七桂成▲同玉で、ソフトの評価値+3076で先手勝勢。
この手順は後手は9筋から動いてきた手ですが、後手は右玉で8一に飛車がいるので先手から9筋に成り駒ができると後手陣はきついです。
先手玉を薄くすることはできても、やや駒不足でかえって後手が自滅している感じで後手が急いで攻めても効果はあまりないようです。
▲9六香に△9二香打なら、▲3二歩成△9五香▲同香△同香▲5三歩成△同銀▲同桂成△同金▲9二金△1一飛▲9三銀で、ソフトの評価値+1685で先手優勢。
この手順は後手は△9二香打と1手ためて9筋から動いてきた手ですが、後手は9筋の下段に香車がいないと先手から▲9二金という重たい攻めもあります。
▲9二金は飛車取りですが、△1一飛には▲9三銀があり、また△8三飛には▲9四銀があります。
このような手順を見ると、先手は自分から動くのでなく後手から動いてもらって、その反動で後手玉に迫るという感覚で指すみたいです。
後手に動いてもらってカウンターを狙うのが参考になった1局でした。