上図は、先後逆で▲8六同歩と飛車を取った局面。ソフトの評価値-1363で後手優勢。
駒割りは角と銀の交換で後手が駒得で、さらに後手玉が穴熊で深い囲いでここで後手が手番を握っているので後手優勢のようです。
ここで先手玉にどのような形で寄せを目指すかという局面です。
実戦は△8九飛▲8二飛△6六馬だったのですが▲5七銀で、ソフトの評価値-799で後手有利。

この手順の△8九飛から△6六馬は、次に△3九角と3九の地点から斜めの駒を打つパターンで、美濃囲いを攻略するのによく出る手順です。
3九の地点から斜めの駒を打つ形になると、先手玉は寄り形になりやすいです。
最後の▲5七銀は変化手順ですが、ここで馬が逃げるのは終盤の手ではないです。
先手は▲8二飛と金取りに打っている形なので、後手はぬるい手を指すと▲4二飛成とされて少しあやしくなります。
▲5七銀以下△同馬▲同歩△4八銀▲3九金打△同銀不成▲同金△4八金▲4九銀打△3九金▲同玉△5八金で、ソフトの評価値-1267で後手優勢。
この手順は△4八銀と打って▲同金なら△3九角を狙うのもこの形の手筋ですが、先手も▲3九金打とするとまだ寄せきるまでは意外と大変です。
▲4二飛成とされると△3一金と1枚使って受ける形になりやすいのと、どこかで攻防に▲7六角と打つ筋もあるので注意が必要です。
最初の局面では△8九飛は候補手の1つでしたが、推奨手は△5七歩でした。
△5七歩で、ソフトの評価値-1347で後手優勢。

この△5七歩は、一見ぬるいような手にも見えるので少し指しにくい手です。
△5七歩~△5八歩成~△4九と~△3九角の4手進んで初めて王手がかかります。。
それに対して実戦の狙い筋は△8九飛~△6六馬~△3九角の3手で王手がかかるので、△5七歩は1手手数が多くかかるということです。
そのような意味で△5七歩はぬるいような気がしたのですが、後手は1手勝ちを読み切っていないと指しにくいです。
△5七歩に▲8二飛なら△5八歩成▲4二飛成△4九とで、ソフトの評価値-3286で後手勝勢。
この手順は分かりやすい1手勝ちの例ですが、▲4二飛成としても後手玉が詰まず△4九とが次に△3九角からの詰めろで、先手玉が受けなしで後手勝勢です。
△4九とに▲同銀△同馬に▲3九金とはじいても、△2七馬▲同玉△2六銀があり、▲同玉なら△2五飛~△3五金の筋で詰みです。
また△2六銀に▲3八玉も△6八飛~△2七角の筋で、手数はかかりますが詰みです。
△5七歩に▲4八金打なら△6九飛▲3九銀打△7六角で、ソフトの評価値-1722で後手優勢。
この手順は▲4八金打と埋めてきてこれが実戦的な手で、先手玉を寄せ切るのはまだ大変ですが、▲4八金打とさせることで後手玉は少し安全になります。
▲4八金打には△6九飛として、次に△5八歩成▲同金寄△同馬▲同金△3九角を狙います。
よって△6九飛に先手は▲3九銀と先に埋めて粘りますが、これでさらに後手玉は安全になったので急いで攻める必要はなくなり、△7六角と打ちます。
この形は5八と4九の地点を飛車を角で狙う形で、これが少し盲点です。
美濃囲いを意外な攻め筋で攻めるのが参考になった1局でした。