歩を使った細かい攻めをする

上図は、角換わりの力戦形からの進展で△1四同銀と香車を取った局面。ソフトの評価値+2で互角。

先手が1筋から攻めて香車を捨てたので先手が香損ですが、6一に角が設置されており先手の攻めに後手の受けという展開です。

当面先手玉は安泰なので、この間に攻めの手を繋げて先手有利にしたい形です。

持ち駒に桂馬と歩が2枚あるので軽い攻めがありそうです。

実戦は▲1二歩△同香▲2四桂△4二金寄▲1二桂成△同玉で、ソフトの評価値-172で互角。

この手順は、1筋の歩が切れて持ち駒に桂馬があれば▲1二歩△同香▲2四桂の両取りはよくある筋です。

後手は3二の金を取られたくないので△4二金寄と逃げて以下▲1二桂成△同玉とする形です。

先手は桂馬と香車の交換で少し駒損ですが、後手玉が守り駒から少し離れて1筋に移動したので少し守りが弱体化しました。

この攻め方も評価値を見るとそこまで悪い手ではなさそうですが、大駒の飛車と角の働きから見ると少し重たい攻めのようです。

やはり大駒が働かないと攻めの威力が増しません。

▲1二歩では▲3四歩がありました。

▲3四歩△同銀▲2六桂△4三香で。ソフトの評価値-5で互角。

この手順は3筋の歩が切れて3四の地点に空間があいているので▲3四歩と叩いて、△同銀に▲2六桂と銀の両取りに打つ手です。

これで銀と桂馬の交換になるので、先手は少し駒損を回復することができます。

後手の△4三香は先手の6一の角の利きを止めた手で、それをせずに▲2六桂に△2三銀左とするのは▲2四歩と突かれて先手の飛車と角が働いてきます。

この▲2四歩は飛車先の歩を切る手で、飛車先が軽くなるので攻めの威力が増します。

よって△4三香と受けたのですが、先手がどのように攻めるかが気になります。

△4三香以下▲2四歩△3一桂▲4五歩で、ソフトの評価値+35で互角。

この手順は▲3四桂とか▲1四桂と形を決めずに▲2四歩と歩を伸ばすのが面白いです。

先手は飛車先の歩が邪魔をしているので▲2四歩と伸ばして飛車の活用を図ります。

△3一桂は2三の地点の補強ですが、△3一桂で△9五歩としても▲3四桂△同金▲2三銀で後手陣は崩壊します。

△3一桂に▲4五歩というのは少し意味が分かりにくいですが、興味深い手です。

先手は飛車と角と桂馬と歩を使ってぎりぎりの攻めなので、少しでも攻めの糸口を広げたいです。

攻めの幅を広げるときには歩のある筋の歩を捨てることで局面の駒の配置が微妙に変わって、また新たな攻め筋が生まれることがあります。

この▲4五歩などが典型的な手で、△4五同銀とするのは守りの銀がそっぽにいくので後手は取りにくいです。

また▲4五歩に△同歩とするのは、将来▲4四歩と叩くような筋があり、△同香なら▲3四桂△同金▲同角成のような筋があります。

そのような意味で▲4五歩には△同銀とも△同歩ともしづらい形で、後手は歩を取らないのであれば先手はいつでも▲4四歩と歩を補充することが可能になります。

▲4五歩と突いたからこれで形勢は先手良しというところまではいかないのですが、攻めの手を広げるという意味では大事なようです。

歩を使った細かい攻めをするのが参考になった1局でした。