飛車を2筋に回って攻めを繋げる

上図は、先後逆で横歩取り△8四飛型から▲3五歩と突いた局面。ソフトの評価値-571で後手有利。

先手が▲7五歩と大模様を張った手に、後手が角交換をして▲3五歩と突いた展開です。

この戦型は桂頭をお互いに狙うことが多く、後手はしては△3六歩、先手としては▲3四歩を含みに指す感じです。

そのため飛車が4段目にいて桂頭を守る形になりやすいです。

先手が▲3五歩と突いたので少し早いかと思いましたが、実戦は△5四角と打ちました。

実戦は△5四角▲2六飛△3六歩▲2五桂△4五桂▲4八銀で、ソフトの評価値-468で後手有利。

この手順の△5四角は狙い筋で、以下△3六歩▲2五桂に△4五桂の跳ね違いはたまに出る筋です。

次に△3七歩成がありますので▲3六飛としたくなりますが、この場合は△5七桂成▲同玉△3六角で飛車がす抜かれます。

よって△4五桂に▲4八銀で後手が少し指せているようですが、△5四角はソフトの候補手にもあがっていませんでした。

最初の局面では2通りの指し方がありました。

1つは▲3五歩に△8六歩で、ソフトの評価値-408で後手有利。

この手順の△8六歩に▲同飛なら△同飛▲同歩△3六歩で、これは後手の大成功です。

よって△8六歩に▲同歩なら△9六歩として、▲同歩なら△9八歩▲同香△5四角を狙う筋です。

もう1つは▲3五歩に△2四飛で、ソフトの評価値-453で後手有利。

△2四飛以下▲2五歩△同桂▲同桂△同飛▲4四桂△同歩▲1六角△4三角で、ソフトの評価値-1029で後手優勢。

この手順はうまくいきすぎですが、桂馬を交換してから後手玉のコビンをこじあけて角を打つ準王手飛車の筋ですが、この場合は△4三角がありますので成立しません。

ただし、この筋は少しでも形が違えば成立することもありそうなので、相手の持ち駒に角と桂馬がある場合は要注意です。

△2四飛以下▲2五歩△同桂▲1五角で、ソフトの評価値-702で後手有利。

この手順は▲2五歩△同桂と飛車先が少し重たくなった瞬間に▲1五角と打つ手で、このような筋はうっかりしやすいです。

▲1五角に対しての後手の指し方が気になります。

▲1五角以下△3七桂成▲2四角△4七成桂▲同金△2四銀で、ソフトの評価値-583で後手有利。

この手順は△3七桂成▲2四角までは1本道ですが、次の△4七成桂がうっかりしやすいです。

この△4七成桂で△3八成桂と金を取りたくなりますが、▲5一角成△同銀▲3八銀で、ソフトの評価値+16で互角。

この手順は▲5一角成と守りの金を取られるのが後手として痛く、この金がいないと後手玉はかなり薄いです。

また△4七成桂で△2四銀もありますが、▲3七金で後手に攻める手があるかという感じになります。

△4七成桂は先手玉のコビンの歩を取ることで、先手玉の形を崩す効果がありそうです。

ただし、先手の4筋の歩が切れると▲4四歩と今度は後手玉のコビンを歩で攻めることも可能になりますので、このあたりが将棋の難しいところです。

飛車を2筋に回って攻めを繋げるのが参考になった1局でした。

振り飛車の継ぎ歩の受け方

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△4五歩と打った局面。ソフトの評価値+227で互角。

後手は振り飛車から大住囲いにした展開で、角筋を活かして6筋と8筋を攻めている形です。

先手は銀冠に組んだ形で、後手は数手前に△4六歩と突き捨てているので△4五歩は継ぎ歩攻めです。

振り飛車でたまに△4五歩のような継ぎ歩攻めがあるのですが、居飛車側からするとこのような手は少し見えにくいです。

△4五歩に▲同歩は自然ですが以下△同飛▲4六歩△3五飛▲3三歩成△3九飛成で、ソフトの評価値±0で互角。

この手順は後手は△4五同飛から△3五飛と先手の歩の裏側の3筋に回るのがうまい手で、▲3三歩成に△同角なら▲3七歩で受かりますが、強く△3九飛成とされるとうるさい形です。

先手玉は上部は手厚いのですが、下段が薄く9筋が狭いので飛車を渡しづらい形です。

実戦は△4五歩以下▲7七桂△同桂成▲同角△4六歩▲4三歩△同飛▲5五桂△同角▲同歩△4七歩成で、ソフトの評価値-143で互角。

この手順は▲7七桂から桂交換をして、△4六歩に▲4三歩と叩いてから△同飛に▲5五桂と飛車金の両取りに打つ手です。

後手が駒損になりそうなのでこの手順は選びにくいかと思っていたのですが、後手は強く△5五同角から△4七歩成とするとこれも結構うるさい形です。

この瞬間は角と桂馬の交換で先手が駒得ですが、と金で銀を取られると先手の駒損になりそうです。

実戦はここから▲6八銀△8五桂と進みましたが、後手はと金を捨ててから飛車を成る筋がいつでもあるので、先手は神経を使います。

▲7七桂では▲2四飛がありました。

▲2四飛△2三歩▲2七飛△4六歩▲4八歩で、ソフトの評価値+124で互角。

この手順は▲2四飛と2筋の歩を取って△2三歩に▲2七飛と3段目に飛車を下がります。

後手は△4六歩と取り込みますが、そこで▲4八歩と2段目に歩を打って受けます。

指摘されればなるほどという受けですが、この受け方は全く浮かびませんでした。

まず3段目に飛車がいるという形と、2段目に歩を打って受けるという形がいまひとつなじんでいないからだと思います。

昔風の言い回しだとこのような先手の指し回しは選べないという感じですが、実戦はこれで難しいようです。

先手は1歩得というのと、後手の3二の銀がくぎづけなのが大きいようです。

▲4八歩以下△4五飛▲7七桂△同桂成▲同角△8五桂▲8六角△3五飛▲3七飛△2五飛▲3三歩成△同角▲2六歩△同飛▲2七歩で、ソフトの評価値+164で互角。

この手順は△4五飛が軽い手で、以下▲7七桂から桂交換する展開でこれでも先手が神経を使うような将棋ですが、平手の将棋なので片方が一方的に優勢ということにはなかなかならないようです。

振り飛車の継ぎ歩の受け方が参考になった1局でした。

横歩取りで▲8二歩に△同銀と取る

上図は、先後逆で横歩取り青野流からの進展で▲8二歩と打った局面。ソフトの評価値-291で互角。

後手が序盤で△2六歩と垂らした手に▲3七桂と跳ねて、以下飛車と角の両方の駒が持ち駒になった激しい展開です。

先手が▲8二歩と打った局面で、ここらあたりの対応を間違うと一気に形勢が傾きそうな局面です。

実戦は▲8二歩以下△7三桂▲8一歩成△6二銀と進みましたが、そこで▲7二歩がありました。

その手に対して△2七角が少し浮かづらい手です。ソフトの評価値+97で互角。

この手順は▲8二歩に対して△7三桂なら▲8一歩成△6二銀まで一本道ですが、次の▲7二歩がうるさいです。

▲7二歩に△同金としても、▲8三歩△同金▲7二飛と進むと先手から▲7一角の狙いがありこれでも互角のようですが、後手の守りの金が3段目にいって働きが悪くなるので後手が指しづらいです。

そこで▲7二歩には△2七角としたのですが、この手は少し指しにくいです。

△2七角では数手前に△2六歩と打った形なので、△2七歩成としたいところですが、▲7一歩成△5一金▲4五桂で、ソフトの評価値+145で互角。

△2七歩成もそれなりに大きな手ですが、▲4五桂と跳ねると3三の地点から脱出できないので、やや後手が損みたいです。

4五の桂馬は簡単に取り切れない形なので、後手にプレッシャーがかかります。

△2七角は次に△4九角成▲同玉△6九飛▲5九飛△同飛成▲同玉△2九飛▲4八角△3八歩のような攻めを狙っています。

最初の局面では△7三桂で△8二同銀がありました。

▲8二歩以下△同銀▲5五角△8五飛で、ソフトの評価値-327で後手有利。

この手順は△8二同銀に▲5五角はよくある手ですが、そこで△8五飛の切り返しがありました。

相横歩取りの戦型では▲8二歩△同銀▲5五角△8五飛という手順がありますが、それと同じような手の流れです。

対局中は▲5五角とされたら後手が悪いと思って△8二同銀としませんでしたが、△8五飛を忘れていました。

昔から△8五飛のような手をうっかりしやすい感じです。

△8五飛以下▲8六飛△同飛▲同金△6四角▲同角△同歩▲9六角△6三角で、ソフトの評価値-488で後手有利。

この手順は▲8六飛も切り返しの手で以下△同飛▲同金に△6四角が面白い手です。

△6四角では△7三角が普通ですが▲1一角成△7三角成▲2一馬で、ソフトの評価値+41で互角。

この展開は先手に先に駒を取られるので、後手が少し指しにくいです。

よって△6四角としますが▲1一角成なら△8六角と金を取って、以下▲8八香なら△6四角で、ソフトの評価値-484で後手有利。

よって△6四角には▲同角としますが△同歩に▲9六角もなかなかの一手で、次に▲7四角と後手玉のコビンを狙いますが、そこで△6三角と先に受けて少し後手が面白いようです。

このあたりは手が広くて難しいです。

横歩取りで▲8二歩に△同銀と取るのが参考になった1局でした。

攻めることで5七の地点を守る

上図は、相掛かりからの進展で△9三角と打った局面。ソフトの評価値-130で互角。

駒割りは飛車と角香の交換で2枚替えなので先手が少し駒損です。

ただし、飛車は結構強い駒なので形勢は互角のようです。

△9三角は味がいい手で、次に△7五角▲同歩△7六桂の筋や間接的に5七の地点をにらんでいます。

先手の陣形は5七の地点が弱いので、そこを狙われると弱体化します。

対局中は、とりあえず △7五角▲同歩△7六桂 の筋だけは受けないといけないと思っていました。

実戦は▲7四飛だったのですが△6五桂なら、ソフトの評価値-1168で後手優勢。

この手順は▲7四飛は部分的には普通の手ですが、やはり△6五桂は見た目以上に相当厳しいようでした。

△6五桂に▲1一となら△5七角成▲6九玉△6六桂▲同歩△6七香▲6八桂△同香成▲同金△同馬▲同玉△5六桂▲6七玉△5七金▲7八玉△6八金まで詰みです。

この手順はうまくいきすぎですが、△6六桂と捨てて6七の地点に空間をあけてから△6七香と打てば歩の合駒ができません。

安い駒の▲6八桂を合駒しますが、清算してから△5六桂と打つとぴったりです。

△6五桂に▲5八金なら△4五桂▲7九玉△5七桂左成▲5九金△4七成桂▲同銀△5七角成▲6八金上△4七馬で、ソフトの評価値-2366で後手勝勢。

この手順は▲5八金の受けに△4五桂が5七の地点に駒を増やす数の攻めで、▲7九玉と早逃げしますが△5七桂成から△4七成桂が盲点で、▲同銀に△5七角成とすれば技がかかります。

なお△4五桂は何気ない手ですが詰めろになっていて、次に△5七角成▲同金△同桂左成▲7九玉△6八金▲同金△同成桂▲同玉△4六馬▲同歩△5六桂▲5九玉△5七香▲5八歩△4八金▲6九玉△5八香成▲7八玉△6八成香まで詰みです。

この手順は6八の地点で清算してから△4六馬と遊んでいる馬が桂馬を取って王手をする筋があり、▲同歩に△5六桂と打てば以下詰みです。

このような意味で最初の局面で▲7四飛は悪かったのですが、ここでは▲7三飛成がありました。

▲7三飛成△同角▲8五桂△8四角▲7三桂成△同角▲1一とで、ソフトの評価値+203で互角。

この手順は▲7三飛成と桂馬を取る手で、部分的な飛車を桂馬の交換で先手が大きな駒損です。

以下△同銀に▲8五桂と両取りに打って清算して▲1一ととして香車を取ります。

駒割りは角と銀の交換で先手が少し駒損ですが、いい勝負のようです。

後手の角を7三に移動させることで、5七の地点が狙われにくくなったのが大きいです。

また香車を取ることで、将来5七の地点を攻められても▲5九香と打って受ける手もできたのが大きいです。

後手の持ち駒に飛車があるのでまだ大変ですが、これなら実戦よりはるかによかったようです。

攻めることで5七の地点を守るのが参考になった1局でした。

歩を使った細かい攻めをする

上図は、角換わりの力戦形からの進展で△1四同銀と香車を取った局面。ソフトの評価値+2で互角。

先手が1筋から攻めて香車を捨てたので先手が香損ですが、6一に角が設置されており先手の攻めに後手の受けという展開です。

当面先手玉は安泰なので、この間に攻めの手を繋げて先手有利にしたい形です。

持ち駒に桂馬と歩が2枚あるので軽い攻めがありそうです。

実戦は▲1二歩△同香▲2四桂△4二金寄▲1二桂成△同玉で、ソフトの評価値-172で互角。

この手順は、1筋の歩が切れて持ち駒に桂馬があれば▲1二歩△同香▲2四桂の両取りはよくある筋です。

後手は3二の金を取られたくないので△4二金寄と逃げて以下▲1二桂成△同玉とする形です。

先手は桂馬と香車の交換で少し駒損ですが、後手玉が守り駒から少し離れて1筋に移動したので少し守りが弱体化しました。

この攻め方も評価値を見るとそこまで悪い手ではなさそうですが、大駒の飛車と角の働きから見ると少し重たい攻めのようです。

やはり大駒が働かないと攻めの威力が増しません。

▲1二歩では▲3四歩がありました。

▲3四歩△同銀▲2六桂△4三香で。ソフトの評価値-5で互角。

この手順は3筋の歩が切れて3四の地点に空間があいているので▲3四歩と叩いて、△同銀に▲2六桂と銀の両取りに打つ手です。

これで銀と桂馬の交換になるので、先手は少し駒損を回復することができます。

後手の△4三香は先手の6一の角の利きを止めた手で、それをせずに▲2六桂に△2三銀左とするのは▲2四歩と突かれて先手の飛車と角が働いてきます。

この▲2四歩は飛車先の歩を切る手で、飛車先が軽くなるので攻めの威力が増します。

よって△4三香と受けたのですが、先手がどのように攻めるかが気になります。

△4三香以下▲2四歩△3一桂▲4五歩で、ソフトの評価値+35で互角。

この手順は▲3四桂とか▲1四桂と形を決めずに▲2四歩と歩を伸ばすのが面白いです。

先手は飛車先の歩が邪魔をしているので▲2四歩と伸ばして飛車の活用を図ります。

△3一桂は2三の地点の補強ですが、△3一桂で△9五歩としても▲3四桂△同金▲2三銀で後手陣は崩壊します。

△3一桂に▲4五歩というのは少し意味が分かりにくいですが、興味深い手です。

先手は飛車と角と桂馬と歩を使ってぎりぎりの攻めなので、少しでも攻めの糸口を広げたいです。

攻めの幅を広げるときには歩のある筋の歩を捨てることで局面の駒の配置が微妙に変わって、また新たな攻め筋が生まれることがあります。

この▲4五歩などが典型的な手で、△4五同銀とするのは守りの銀がそっぽにいくので後手は取りにくいです。

また▲4五歩に△同歩とするのは、将来▲4四歩と叩くような筋があり、△同香なら▲3四桂△同金▲同角成のような筋があります。

そのような意味で▲4五歩には△同銀とも△同歩ともしづらい形で、後手は歩を取らないのであれば先手はいつでも▲4四歩と歩を補充することが可能になります。

▲4五歩と突いたからこれで形勢は先手良しというところまではいかないのですが、攻めの手を広げるという意味では大事なようです。

歩を使った細かい攻めをするのが参考になった1局でした。

無理に攻めずに力をためて攻める

上図は、角換わりからの進展で△5三同金と桂馬を取った局面。ソフトの評価値+1961で先手優勢。

駒割りは先手の金得で、ここで先手の手番なので先手が指せています。

この局面では色々な手が浮かびそうですが、実戦の手順はまずかったです。

実戦は、▲4五桂△6三金▲5二銀△6二金▲6三金で、ソフトの評価値+790で先手優勢。

この手順は先手の急ぎすぎで、▲5二銀から▲6三金と打つ攻め方は後手に金駒を1枚多く渡す攻めなので、攻め切れないともつれてしまいます。

1枚渡しても駒の損得はほとんどありませんが、焦って攻める必要はないのでもう少し力をためるような感覚で指した方がよかったです。

▲4五桂では▲9六香がありました。ソフトの評価値+1599で先手優勢。

この手順は▲9六香と9筋の歩を取る手ですが、このタイミングで受けに回るというのが自分の感覚ではほとんどありませんでした。

昔から自分の棋風は優勢になったら攻めをつないで形勢を拡大するような指し方なので、ここで自陣に手を戻すというのが全く浮かびません。

攻めをつないで形勢がよくなればいいのですが、うまい攻め筋がないのに無理に攻め急いで形勢が振り出しに戻ることも多いです。

このあたりの指し回しがやや単調な感じです。

▲9六香とするとここで後手の手番なので攻める手が考えられます。

▲9六香に△8六飛なら▲8七銀△同飛成▲同金△8六歩▲9五香△9九銀▲7九玉△8七歩成▲8四桂△8三玉▲9四金△同香▲6一角△8二玉▲7二角成△9三玉▲8三飛で詰みです。

この手順は△8六飛から飛車を切って△8六歩と攻めてきたのですが、▲9五香が冷静な手で、△9九銀から△8七歩成で詰めろをかけても▲8四桂から詰みです。

▲9四金が少し難しい手ですが、△同香に▲6一角と打てば以下並べ詰みです。

▲9六香以下△8七歩▲同金△8五歩▲9五香△8六歩▲7七金で、ソフトの評価値+1756で先手優勢。

この手順は後手は歩を使って先手の玉頭を攻める手で、先手としても安い駒で攻めてこられるのは嫌な形ですが、▲7七金とした局面は後手の攻め駒がやや少ないです。

▲7七金以下△9六銀▲4五角△5四桂▲5五銀△8七歩成▲7九玉△7七と▲同桂△8七飛成▲7八金△9八龍▲5四銀で、ソフトの評価値+6000で先手勝勢。

この手順は△9六銀として次に△8七歩成を狙う数の攻めですが、ここで受けずに▲4五角が鋭いです。

後手は歩の合駒ができませんので△5四桂としますが、そこで力をためて▲5五銀と攻めにでます。

後手も△8七歩成から龍を作って先手陣に迫りますが、▲7八金の受けでしのいでいるようで、先手玉は広く後手玉はほとんど受けなしなので先手勝勢です。

これらの手順をみると、やはりどんなに形勢に差が開いていても最終盤は1手違いの形になるようです。

ただしこれが簡単にできないのが将棋の難しいところです。

無理に攻めずに力をためて攻めるのが参考になった1局でした。

対抗形で8筋の歩の交換を保留する

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲5八飛とした局面。ソフトの評価値-186で互角。

お互いに2筋と8筋の歩を突いての銀冠のような穴熊です。

▲3九金型や△3一金型の穴熊だと飛車や角でこの金が狙われやすいですが、▲2八金上と△2二金上としている形なので、攻め駒より遠くなっています。

ただし銀冠の穴熊は▲2七銀や△2三銀の銀頭を狙われやすいです。

先手は▲5八飛として5筋からの捌きを見せてきたのですが、後手がここでどう対応するかという局面です。

実戦は▲5八飛以下△8六歩▲同歩△同角▲8八飛△8五歩▲3七角で、ソフトの評価値+30で互角。

この手順はやや後手としてはよくなかったみたいで、8筋の歩を交換して角を使うのは部分的にはある手ですが、先手は▲8八飛とします。

そこで△8五歩と打った時に▲3七角と間接的に後手の飛車を角で狙うのが味がいいいです。

次に▲4五銀△同銀▲8二角成のような狙いです。

この展開は後手の8筋の角と歩が重たい形で、これ以上前に進めません。

先手は1歩を持ち駒にして飛車が軽い形なので、互角とはいえ気分はいいと思います。

実戦は▲3七角以下△6四角▲6五歩△7三角▲7五歩で、ソフトの評価値+181で互角。

この手順は△6四角として▲4五銀を受けましたが、後手の角を目標に指して先手の方針は分かりやすいです。

最初の局面で8筋の歩の交換をするのはあまりよくなかったようで、ここは辛抱すべきでした。

△8六歩では△6四角がありました。

△6四角▲7八飛△7三桂で、ソフトの評価値-161で互角。

この手順の△6四角は先手の5筋の捌きを受けた手で部分的には自然ですが、▲7八飛に△7三桂が少し指しづらいです。

▲7八飛は手待ちのような意味合いもありますが、先手の飛車が7筋にきたときに△7三桂と跳ねるのは少し勇気がいります。

先手からはいつでも▲7五歩と桂頭を狙う筋や、▲6五歩△同桂▲6八飛とする狙いもあります。

後手としては攻め駒が少ないので、桂馬を活用することにより攻め味を増すという狙いですが、逆に桂馬を狙われることもあるので一長一短です。

△7三桂に▲6五歩なら△同桂▲6八飛△8六歩で、ソフトの評価値-574で後手有利。

この手順はうまくいきすぎですが、▲6五歩にはこの場合は△同桂が成立するようで▲6八飛とすれば桂馬は助かりませんが、△8六歩から後手の飛車が捌ける形なので後手有利です。

△7三桂以下▲8八飛△4二角▲3七角△6四角で、ソフトの評価値-136で互角。

この手順の▲8八飛から△4二角は手待ちみたいな感じですが、先手が▲3七角とした場合はまた△6四角とするのが受けの形のようで、これでいい勝負のようです。

対抗形で8筋の歩の交換を保留するのが参考になった1局でした。

美濃囲いを意外な攻め筋で攻める

上図は、先後逆で▲8六同歩と飛車を取った局面。ソフトの評価値-1363で後手優勢。

駒割りは角と銀の交換で後手が駒得で、さらに後手玉が穴熊で深い囲いでここで後手が手番を握っているので後手優勢のようです。

ここで先手玉にどのような形で寄せを目指すかという局面です。

実戦は△8九飛▲8二飛△6六馬だったのですが▲5七銀で、ソフトの評価値-799で後手有利。

この手順の△8九飛から△6六馬は、次に△3九角と3九の地点から斜めの駒を打つパターンで、美濃囲いを攻略するのによく出る手順です。

3九の地点から斜めの駒を打つ形になると、先手玉は寄り形になりやすいです。

最後の▲5七銀は変化手順ですが、ここで馬が逃げるのは終盤の手ではないです。

先手は▲8二飛と金取りに打っている形なので、後手はぬるい手を指すと▲4二飛成とされて少しあやしくなります。

▲5七銀以下△同馬▲同歩△4八銀▲3九金打△同銀不成▲同金△4八金▲4九銀打△3九金▲同玉△5八金で、ソフトの評価値-1267で後手優勢。

この手順は△4八銀と打って▲同金なら△3九角を狙うのもこの形の手筋ですが、先手も▲3九金打とするとまだ寄せきるまでは意外と大変です。

▲4二飛成とされると△3一金と1枚使って受ける形になりやすいのと、どこかで攻防に▲7六角と打つ筋もあるので注意が必要です。

最初の局面では△8九飛は候補手の1つでしたが、推奨手は△5七歩でした。

△5七歩で、ソフトの評価値-1347で後手優勢。

この△5七歩は、一見ぬるいような手にも見えるので少し指しにくい手です。

△5七歩~△5八歩成~△4九と~△3九角の4手進んで初めて王手がかかります。。

それに対して実戦の狙い筋は△8九飛~△6六馬~△3九角の3手で王手がかかるので、△5七歩は1手手数が多くかかるということです。

そのような意味で△5七歩はぬるいような気がしたのですが、後手は1手勝ちを読み切っていないと指しにくいです。

△5七歩に▲8二飛なら△5八歩成▲4二飛成△4九とで、ソフトの評価値-3286で後手勝勢。

この手順は分かりやすい1手勝ちの例ですが、▲4二飛成としても後手玉が詰まず△4九とが次に△3九角からの詰めろで、先手玉が受けなしで後手勝勢です。

△4九とに▲同銀△同馬に▲3九金とはじいても、△2七馬▲同玉△2六銀があり、▲同玉なら△2五飛~△3五金の筋で詰みです。

また△2六銀に▲3八玉も△6八飛~△2七角の筋で、手数はかかりますが詰みです。

△5七歩に▲4八金打なら△6九飛▲3九銀打△7六角で、ソフトの評価値-1722で後手優勢。

この手順は▲4八金打と埋めてきてこれが実戦的な手で、先手玉を寄せ切るのはまだ大変ですが、▲4八金打とさせることで後手玉は少し安全になります。

▲4八金打には△6九飛として、次に△5八歩成▲同金寄△同馬▲同金△3九角を狙います。

よって△6九飛に先手は▲3九銀と先に埋めて粘りますが、これでさらに後手玉は安全になったので急いで攻める必要はなくなり、△7六角と打ちます。

この形は5八と4九の地点を飛車を角で狙う形で、これが少し盲点です。

美濃囲いを意外な攻め筋で攻めるのが参考になった1局でした。

向かい飛車の8筋突破の受け方

上図は、先後逆で▲8六飛と歩を取った局面。ソフトの評価値-171で互角。

後手は2筋と3筋に位を取った形に対して、先手は1歩損ながらも8筋から逆襲を目指してきた展開です。

先手から次に▲8四歩~▲8三歩成の筋があるので、後手はどのような形で受けるかという局面です。

実戦は後手が少しまずい受け方をしました。

実戦は▲8六飛以下△9三桂▲9五歩△同歩▲9四歩△8五桂▲同銀で、ソフトの評価値+75で互角。

この手順は全く受けになっておらず、一時的に8筋の飛車の侵入を防いだだけで後手は単に桂損の展開です。

対局中は受け方がまずいなと思っていましたが、驚いたのはこの手順でもソフトの評価値が互角でした。

対局後に将棋をソフトで検索してみると、全く思ってもいなかった形勢判断があることがたまにあります。

最初の局面では2通りの受け方がありました。

1つは△9三桂で△8三歩です。

△8三歩で、ソフトの評価値-187で互角。

この手順は△8三歩と受ける形で、今見ても自然な1手ですが対局中は全く浮かびませんでした。

おそらく浮かばないのは、昔、棋譜並べをしていて部分的に似たような形で△8三歩と受けるのは良くないようなニュアンスの観戦記があって、それが頭のどこかに残っている感じです。

作戦負けとか気合が悪いというニュアンスです。

昔は△8三歩と受けないような駒組みをするか、8筋は突破されそうでも△8三歩と受けずに8筋は焦土作戦で別の筋に戦いを求めるかという感覚だったというイメージです。

△8三歩の局面は先手の持ち駒に歩が2枚あれば、▲9五歩△同歩▲9三歩△同香▲9二歩△同飛▲8四歩△同歩▲同飛にような筋があるのですが、歩が1枚なので▲9二歩とする歩がありません。

また△8三歩に▲7四歩△同歩▲7二歩もありそうで△同飛なら▲8四歩△同歩▲同飛がありますが、▲7二歩には△7三桂▲7一歩成△6五桂で、ソフトの評価値-344で後手有利。

この手順は先手は▲7一歩成としても後手の桂馬が△6五桂まで活用できると後手の方が指しやすいみたいです。

もう1つの受け方は△8三歩で△4三金右です。

△4三金右▲8四歩△9三桂で、ソフトの評価値-65で互角。

この手順の△4三金右は▲8四歩と伸ばした時に△9三桂として受ける手の組み合わせです。

この受け方はやや昔風の受け方だと思います。

△9三桂に▲8三歩成なら△8五歩▲9三と△8六歩▲8二と△6九飛で、ソフトの評価値-408で後手有利。

この手順は▲8三歩成には△8五歩と打てるのが、8六の飛車と9三の桂馬の位置を活かした受け方で飛車取りになります。

△8五歩に▲同銀なら△8三飛がありますので△8五歩には▲9三とですが、以下後手は桂損ですが飛車を取り合って△6九飛と先着する展開です。

将棋はちょっとした形の違いで手が変わってくるのが面白いところです。

向かい飛車の8筋突破の受け方が参考になった1局でした。

1歩千金の決め手

上図は、相掛かりからの進展で▲3五歩と打った手に△同歩とした局面。ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

先手が後手玉に迫って後一押しという形ですが、まだ後手玉に即詰みはありません。

▲3四歩は打ち歩詰めで打てませんが、後手玉に寄りがあってもおかしくない局面です。

ただし、あまりゆっくりしていると△2一金とか△7六桂のような手もあり油断はできません。

対局中は寄せが見えなくて▲8一馬としましたが、ここから数手で後手勝勢になりました。

実戦は△3五同歩以下▲8一馬△7二歩▲3四歩△4四玉で、ソフトの評価値-2915で後手勝勢。

この手順の▲8一馬として銀を取れば次に▲3四銀△4四玉▲5四馬までの詰めろになります。

これでほぼ受けなしのように見えますが、△7二歩と馬の利きを止める手が最後の粘りでこの手が見えていませんでした。

以下慌て気味に▲3四歩と打ちましたが△4四玉とされると後手玉に寄りはなく、形勢逆転で後手勝勢です。

最終盤はだいたい時間がないことが多いのですが、最終盤の悪手や疑問手は形勢を大きく損ねることが多いです。

それが実力といえばそれまでなのですが、このような寄せの段階でやり損なうのはもったいないです。

将棋は内容はともかく、勝てばそれなりに気持ちがいいのですが、負けると精神衛生上よくありません。

△3五同歩の局面では2通りの指し方がありました。

1つは△3五同歩以下▲8一馬△7二歩▲3五金で、ソフトの評価値+1018で先手優勢。

この手順は△7二歩までは実戦と同じ進行ですが、そこで▲3五金がありました。

▲3五金は▲3四銀や▲2四銀の詰めろです。

この展開は▲8一馬はソフトの推奨手ではないのですが、2番目の候補手で人間の感覚からすれば自然な感じです。

▲3五金という手が自分の感覚だと少し見えづらく、昔から盤上の駒を動かして攻めを繋げるというのが見えていない感じです。

▲3五金以下△7六桂▲7七玉△8八銀▲8七玉△4四龍で、ソフトの評価値+2324で先手勝勢。

この手順は△7六桂から△8八銀とあやをつけて△4四龍と受けに回る展開で、これでも先手勝勢のようですが、もう少し手数もかかりいまひとつすっきりしません。

これしかない展開であれば仕方ないですが、もう少し明快な手順が知りたいです。

もう一つは△3五同歩に▲4四歩でした。ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この▲4四歩がソフトの推奨手でこれが一番分かりやすいようです。

▲4四歩に△2一金は▲4三成桂△同金▲同馬までの詰みです。

▲4四歩に△同歩は▲3二龍△同金▲3四金打まで詰みです。

▲4四歩に△同龍は▲3四歩△同龍▲同金△同玉▲3二龍△同金▲2五金△3三玉▲3四飛まで詰みです。

この手順は△4四同龍とさせることで▲3四歩が打ち歩詰めではなくなります。

また▲4四歩に△7六桂は▲7七玉△8八銀▲7六玉△4六龍▲5六歩で先手玉は詰みません。

これらより▲4四歩の方が明快な決め手だったようです。

1歩千金の決め手が参考になった1局でした。