攻防に角を打ってバランスを保つ


上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲3八金打とした局面。ソフトの評価値+38で互角。

▲3八金打は穴熊に手を入れることで、これで先手玉は見えない形になりました。

駒割りは飛桂と金の交換で後手が少し駒得ですが、先手玉が3枚の穴熊に囲っているのに対して後手玉は守りが薄いので形勢は互角のようです。

ここで後手の手番ですが、直接的な手で歩を使った攻めができないのと自玉が弱いので攻め合いにはできません。

先手から次に▲5三角成や▲7一角成のような手があるので、後手も忙しいです。

対局中はここで後手の手が全く浮かびませんでした。

最初は△4四銀と引く手が浮かびましたが、▲同角△同歩に4三から金駒を打ってきて後手の受けが難しいのかと思っていました。

実戦は△4四銀は断念して△3三銀としました。

実戦は、△3三銀▲5三角成△4四銀引▲4三馬△3二角で、ソフトの評価値+755で先手有利。

この手順の△3三銀もいい感触はなかったのですが、とりあえず金駒を自陣に埋めた手で少し自玉を固くしましたが、先手に角を成られると苦しいようです。

形勢に差がつきやすいのはこのあたりの大局観のようです。

△3三銀では△4四銀がありました。

△4四銀▲同角△同歩▲4三銀△6四角で、ソフトの評価値-481で後手有利。

この手順は△4四銀と引いて先手の角成を受ける手です。

先手は自玉の固さを頼りにして▲4四角から▲4三銀として後手玉にくいついてきます。

▲4三銀は詰めろでないのですが、後手が攻め合いにすると先手に駒を渡すことになりかえって後手玉が危なくなります。

▲4三銀に△6四角が攻防の手のようです。

後手玉は飛車の守りだけでは心もとないので、△6四角とすることで自陣に受けを利かせています。

また将来的に△2八角成の筋もあり、ここで先手はどう指すかが難しいです。

△6四角に▲4六銀とすれば先手陣は強化されますが、持ち駒が金と歩では攻め合いの形にならないので後手が安心します。

△6四角には強く▲3四銀不成が考えられます。

△6四角以下▲3四銀不成△2八角成で、ソフトの評価値-520で後手有利。

この手順の▲3四銀不成も詰めろではありませんが、次に▲3三銀打とか▲2五銀のような狙いがあります。

この両方の狙いを防ぐなら△2四銀ですが、ソフトはこの手は推奨しておらず△2八角角成を示していました。

△2八角成は狙い筋ではあるのですが思い切った手で、このタイミングでは自分にはまず指せません。

まず先手玉に即詰みがあるのかが読み切れないのと、角を渡すことで後手玉がさらに危険になるからです。

△2八角成に▲同金なら△同龍▲同玉△3七金▲同桂△同桂成で、ソフトの評価値-99982で後手勝勢。

この手順は大駒を切ってから△3七金と打ちこんで清算する手で、▲3七同玉なら△4五桂▲同銀△2五桂▲2六玉△3七角▲3五玉△2四銀▲4四玉△5五角成▲4三玉△4二金▲3四玉△3三金まで詰みです。

△3七桂成に▲1七玉なら△2八銀▲2六玉△2七成桂▲同玉△3五桂▲同歩△2六銀▲同玉△4八角の筋で以下詰みです。

よって△2八角成には▲同玉と進み、そこで再度△6四角として先手に合駒請求していい勝負のようですが、かなり難易度が高いです。

このような展開を見るとやはり将棋は終盤力が大事だと思います。

攻防に角を打ってバランスを保つのが参考になった1局でした。