上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲2七同玉とした局面。ソフトの評価値-688で後手有利。
3五にいた桂馬が△2七桂成と歩を取った手に▲同玉とした局面です。
駒割りは角桂と銀の交換で後手が駒損ですが、先手玉を3段目まで引っ張って玉頭に歩がいない形なので後手としてはチャンスです。
このような局面では筋の手があったのですが、対局中は全く見えていませんでした。
実戦は▲2七同玉以下△3五銀▲同馬△同歩▲2六歩で、ソフトの評価値+41で互角。

この手順は△3五銀は平凡な手で次に△2六香の狙いですが、▲同馬△同歩に▲2六歩と玉頭のふたをされてだいぶ先手玉が安全になりました。
先手玉は横からの攻めに強く、玉頭もしっかりされると後手の方が手を作りにくいです。
▲2六歩にも△2五歩▲同歩△2六歩▲同玉△2四歩のような玉頭戦に持ち込むべきでしたが、手が見えませんでした。
△3五銀では△2六銀がありました。
△2六銀▲2八玉△2七香▲3九玉△5八金で、ソフトの評価値-1287で後手優勢。

この手順の△2六銀はただの銀ですが、▲同玉なら△2五香がこの形によくある手で先手玉を引き付けてから縦に長く香車を使う手です。
△2五香に▲1七玉と逃げますがそこで△4九龍で▲同銀なら△2七金で詰みです。
玉頭戦にはこのような駒の使い方もあるので、まず持ち駒に香車があれば△2六銀を見逃したのは痛かったです。
△2六銀には▲2八玉と逃げますがそこで△2七香が継続手で、▲同銀なら△同銀成▲同玉△4九龍で先手玉は寄り筋です。
よって△2七香には▲3九玉と逃げますが、そこで△5八金と張り付きます。
△5八金は後手の1段目の飛車とセットのような手で、次に△4九飛成▲同銀△2八金の詰めろなので先手は▲2八歩と受けます。
△5八金以下▲2八歩△4九金▲同銀△2八香成▲4八玉△3五銀▲5七馬△3九金で、ソフトの評価値-1603で後手優勢。
この手順は▲2八歩と打つと後手は攻め駒が少ないので大変そうに見えますが、△4九金から△2八香成▲4八玉に△3五銀が継続手です。
銀を引いて馬取りに活用するのが大きく、先手は▲5七馬と逃げますがそこで△3九金張り付いて後手優勢のようです。
最初の局面から△2六銀と指すとこのような手順が予想されるのですが、手の流れがきれいに通って無駄な手がない感じです。
手が急所に伸びると自然に形勢がよくなり、駒の働きが増しています。
詰将棋を解くときと同じで詰まない手からいくら考えても詰み筋が見えないのですが、正解手が1手でも分かるとその後の展開が考えやすくなります。
玉頭にただの銀を打って攻めるのが参考になった1局でした。