上図は、力戦形から後手が△4二飛とした局面。ソフトの評価値+227で互角。
後手は態度を保留した指し方だったのですが、ここで△4二飛として振り飛車にしました。
後手の玉の囲いを後回しにして狙いは少し分かりかねますが、先手はここからどのように指すかという局面です。
実戦は▲3七桂△6二玉▲9六歩△9四歩▲8六歩△7二玉▲8七銀△7四歩▲7八金で、ソフトの評価値+119で互角。

この手順の▲3七桂は、将来後手からの△4五歩に備える手です。
4筋からの争点をカバーしてその間に先手玉を囲う意味です。
囲い方は銀冠まで組んで、余裕があれば銀冠穴熊もありそうです。
ただし、3七の桂頭が狙われやすい形なので、後手に三間飛車にされることがあります。
当面は4七の銀は固定するか、▲5六銀から▲1六歩から▲2六飛のように飛車の横利きで受ける形もありそうです。
▲3七桂以降の評価値は互角のようですが、▲3七桂はソフトの候補手には入っていませんでした。
▲3七桂では▲3五歩がありました。
▲3五歩△同歩▲3八飛△4三金▲3五飛△6二玉▲3七桂△7二玉▲9六歩△3四歩▲3六飛で、ソフトの評価値+216で互角。

この手順は▲3五歩と突き捨ててから▲3八飛と回る手です。
後手玉が薄い場合によくある指し方で、先手は急戦調を匂わせます。
後手は角頭の補強で△4三金としますが、先手は▲3五飛から▲3七桂がこの形のようです。
▲3六飛と▲3七桂の形は、だいぶ昔に後手が中飛車の場合に▲5七銀と▲3六飛と▲3七桂の組み合わせの駒組みがありました。
その場合は先手は舟囲いだったのですが、本局の場合は左美濃に囲えます。
また先手の4七の銀は▲5六銀としてから、いいタイミングで▲4五歩と仕掛ける形になりそうです。
ただし、浮き飛車は相手の陣形に接近しているため指しこなすのは力がいります。
本来、飛車は遠くから睨みを利かせるのがいいのですが、やや接近戦のため狙われやすいという意味です。
▲3六飛以下△9四歩▲7七角△3二飛▲2六飛△8二玉▲1六歩△7二金▲5六銀△3五歩▲8八玉△5一角▲2四歩△同歩▲4五歩で、ソフトの評価値+156で互角。
この手順は後手が△3二飛から先手の浮き飛車を逆に狙いにきた手で、先手は▲2六飛と2筋にかわします。
浮き飛車が狙われやすいとはこのような意味で、先手の飛車が3筋から移動すると3七の桂頭が狙われやすいです。
先手が▲2六飛とした形は▲1六歩がセットのような手で、将来△1五角を防いでいます。
後手の△3二飛から△3五歩には、先手は▲2四歩から▲4五歩と動く形で、これでいい勝負のようです。
どこかで後手が△3六歩と伸ばしても、2筋の歩を付き捨てていれば▲3三歩という手があり、△3三同角なら▲3六飛、また△3三同飛なら▲2四飛を含みにする切り返しがあります。
飛車を浮き飛車にして駒を活用するのが参考になった1局でした。