上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲6一香成と金を取った手に△同玉とした局面。ソフトの評価値-437で後手有利。
駒割りは金と銀の交換ですが、後手の8五の桂馬と3三の角が先手玉を睨んでいるので後手が少し指せているようです。
後手は角のラインで先手玉を攻める形にして、最後は△4六飛と飛車が活用できる展開になれば大駒の働きの差で先手は勝ちにくいです。
そのような展開は先手は避けたいので、ここで貴重な手番でどう指すかという局面です。
実戦は▲9三香成△6六歩▲同銀△4六飛で、ソフトの評価値-548で後手有利。
対局中は▲9三香成はややぬるいと思っていましたが、遊んでいる香車を攻めに使わないと攻めが細いので指しました。
以下は△6六歩▲同銀△4六飛として、後手は待望の飛車の活用する形になりました。
先手の飛車に比べて後手の飛車の働きの方がよく、先手は攻め合いの形になかなかならないです。
先手は攻め合いの形でなく、何か粘るような指し方をしたほうが局面が複雑になって相手も大変だったようです。
ただし、このような指し方は結構難しく、先手は直接的に攻める手でなく後手にあまり響かないけど少し嫌な手と選択することになります。
最初の局面では2通りの指し方がありました。
1つは▲9三香成では▲8三歩がありました。
▲8三歩△8一歩▲8七玉で、ソフトの評価値-310で後手有利。

この手順の▲8三歩は垂れ歩の手で、次の狙いは▲8二歩成です。
後手は△8三同銀とする手もありますが、▲9三香成とすると銀取りになり、歩を捨てることで1手早く攻めることができます。
よって後手は△8一歩と打って▲8二歩成を受けましたが、ここに歩を打たせると将来後手は8筋に歩を使えません。
△8一歩と打った手に▲8七玉が少し指しにくいです。
後手の角の利きから玉を移動したのは分かりますが、▲8七玉としても先手玉が固くなったとは思えません。
しかも8九の桂馬が浮いた形で、9九の地点に空間があくのは気持ちが悪いです。
▲8七玉以下△6六歩▲同金△6五歩▲5五歩△同銀▲6五金△6四歩▲5五金△同角▲6六歩で、ソフトの評価値-53で互角。
この手順は△6六歩には▲同金として△4六飛を受ける形です。
以下△6五歩に▲5五歩の突き違いで、△6六歩なら▲5四歩の一直線の攻め合いになるので後手としては少し指しにくいです。
よって▲5五歩に△同銀として以下▲6五金に△6四歩と穏やかな手順となり、以下▲5五金△同角▲6六歩でいい勝負のようです。
もう1つは▲9三香成で▲5五歩がありました。
▲5五歩△同銀▲5四歩で、ソフトの評価値-465で後手有利。

この手順の▲5五歩は、△同角なら将来△6六歩と取り込んだ手が▲同金で角取りになります。
大駒は近つけて受けよの手で後手は△5五同銀としましたが、後手の角の利きが少し重たくなったのでそこで▲5四歩の攻め合いです。
これでも後手が少し指しやすいみたいですが、先手の角が働いてきて後手も結構嫌な形になります。
▲5四歩には△7五歩で、まだ難しい戦いのようです。
少し悪い局面の粘り方が参考になった1局でした。