上図は、相掛かりからの進展で△2三香と打った局面。ソフトの評価値+165で互角。
相掛かりで先手が8筋を受けるのでなく▲8二歩から動いた展開で、後手も9筋から手を作って9九の香車を取ってから△2三香と打って形です。
先に先手が香損していますが、8筋にと金を作って▲7二とで銀を取り返せる形なので銀と香車の交換になりそうです。
ここで先手がどう対応するかという局面ですが、次の手が良くなかったのは少し意外でした。
実戦は▲5五飛△2九香成▲7二と△同金▲5三飛成△5二歩▲5六龍△1九成香で、ソフトの評価値-97で互角。

この手順は▲5五飛として▲5三飛成を狙う手です。
▲5五飛に△4二銀とすれば5筋は受かるのですが▲7二と△同金▲7五飛で、ソフトの評価値+315で先手有利。
この手順は自然に見えるのですが、最後の▲7五飛が△2九香成▲同銀△7六桂の両取りを受けています。
また将来▲5五角とすることで7三の地点を狙う形になります。
後手は持ち駒に歩しかありませんので受けづらいです。
そのような意味で▲5五飛には△2九香成としてきました。
▲7二と△同金▲5三飛成△5二歩▲5六龍として龍の横の利きで△7六桂を防いだのですが、そこで△1九成香と香車を取る展開です。
この局面の駒割りは銀と桂香香の3枚替えになっており、先手が駒損しています。
龍を作ったのは先手の成果ですが、2筋の香車を取り損ねたので地味ですが駒損しており、このような損が後から少しずつ効いてきます。
▲5五飛では▲7五飛がありました。ソフトの評価値+227で互角。

この手順は▲7五飛とする手で、△2九香成▲同銀△7六桂を受けた手です。
ぱっと見で攻めの手でなく受けの手に見えますが、▲7二と△同金▲5五角から7三の地点を狙う手です。
後手玉の玉頭を狙うのでなく、7三の地点を飛車と角で狙うのが筋だったようです。
▲7五飛に△2七歩なら▲7二と△同金▲5五角△6二玉▲7四歩△同歩▲6五飛△8四飛▲9一角成△8九飛成▲7三歩△同金▲7一銀△7二玉▲8八香△6四歩▲同飛△同金▲同馬△7一玉▲5三馬△6二銀▲7二歩△同玉▲7三歩で、ソフトの評価値+99995で先手勝勢。
この手順は△2七歩はぬるい手でよくないのですが、後手は力をためる手です。
先手は銀を取ってから▲5五角△6二玉に▲7四歩と攻めるのがうまいです。
△同歩に▲6五飛と逃げて▲9一角成を狙いますが、後手も△8四飛として△8九飛成を狙います。
それに対して▲9一角成と強く踏み込むのが盲点で、△8九飛成に▲7三歩△同金▲7一銀が寄せの手筋です。
△7二玉と逃げて少し足らないように見えるのですが、▲8八香と後手の龍の利きを止めるのが大きいです。
次は▲8二馬△6一玉▲7三馬の狙いがあるので△6四歩と突きますが▲同飛と強く取って攻めが続くようです。
このような指し手は攻めがぎりぎりなので踏み込むのは決断がいりますが、これくらいを読み切らないと相手玉を寄せることはできないようです。
最後の▲7二歩に△同玉なら▲7三歩で△同玉なら▲8三金の詰みで、△同銀なら▲7一金の詰みです。
▲7三歩に△6一玉と逃げても▲5二金△7一玉▲6二馬で詰みです。
敵陣の薄いところを攻めるのが参考になった1局でした。