玉の守りの方から手を作る

上図は、先後逆で相居飛車からの進展で▲5六銀と上がった局面。ソフトの評価値+9で互角。

先手は菊水矢倉に対して後手は雁木から△2二玉と入城している形です。

5筋から戦いが起こった局面で5五の地点は先手の駒が多く利いているので、後手は5四の銀が少し使いづらいです。

▲5五歩△6三銀と進んだ形は後手が少し損かと思って、ちょっと無理気味に動きました。

実戦は▲5六銀以下△3三桂▲5五歩△4五銀▲同銀△同桂▲4六角で、ソフトの評価値+142で互角。

この手順は△3三桂と跳ねて▲5五歩に△4五銀とぶつける手です。

後手が2二に玉がいるので桂馬を跳ねるのは少し守りが弱くなるのですが、5四の銀を引いて使いたくなかったので跳ねました。

△4五銀に▲同銀△同桂が角取りになるので一瞬気持ちはいいのですが、▲4六角と逃げた局面がどちらが得をしているのかが気になります。

銀交換になったのでお互いに5筋の銀が捌けた形ですが、後手の攻めとしては△5七歩の垂れ歩から△6九銀のような筋があります。

ただし、これだけではまだ攻めが細いです。

後手の守りとしては。後手玉の1筋の弱さが少し気になります。

4六の角が1三の地点に利いているので、歩がたくさん入ればいつでも端攻めがありそうで、どこかで△2四銀と打って受けるような形になるかもしれません。

そのような意味では少し後手が神経を使うような局面です。

桂馬を使って前に進むと後戻りできませんので、後の見通しが立っていないと指し手に困ってしまいます。

△3三桂では△3五歩がありました。

△3五歩▲同歩△3六歩▲4六角△9五歩で、ソフトの評価値-11で互角。

この手順の△3五歩の突き捨てから△3六歩は、自玉の守りの歩で相手の攻め駒を責める手です。

3七の角を移動させることで後手の7三の角を使って先手の飛車を狙う筋です。

先手は▲4六角として後手の7三の角のラインを受けますが、そこで△9五歩が少し浮かびづらいです。

後手は3筋と4筋だけでなく、歩が入る筋として9筋からも手を作るのが戦線拡大の手です。

△9五歩以下▲同歩△同香▲同香△4五歩▲9三香成△5二飛▲6八角△6五歩▲4六歩△6六歩▲同金△8四角で、ソフトの評価値+141で互角。

この手順は9筋の香車も攻めに使って▲9五同香に△4五歩と先手の角を狙います。

△4五歩の瞬間に▲9三香成が捨て駒で△同桂なら▲6五桂を桂馬を活用してきます。

この手順もありそうですが、△5二飛と逃げて▲6八角に△6五歩として角を使って先手の飛車を狙います。

▲4六歩は軽い受けですが、△6六歩▲同金に△8四角として金と成香の両取りでいい勝負のようです。

後手は3筋の傷は残っていますが、戦いを起こすという意味で仕方ないようです。

玉の守りの方から手を作るのが参考になった1局でした。