桂頭の歩を突き捨てて攻めの手を広げる

上図は、相雁木から▲4五歩に△同歩とした局面。ソフトの評価値+199で互角。

先手は▲5六銀型に組んだのに対して後手は△6四銀型で対抗した形です。

この局面は今見ると、いつでも▲6五歩と決戦する手段があるので先手が指しやすそうな感じですが、対局時は全く手が見えていませんでした。

早指しで指すと今後の方針がまとまらずに指すことが多く、特に仕掛けの局面は今後の形勢を左右するのに大事な分岐点なのですが、何となく形で仕掛けて時間に追われて指すということが多いです。

ある程度このような局面の仕掛けはこのように指すと頭に覚えておけばいいのですが、自分で調べた局面はそのときは覚えても時間がたてば忘れていることが多いです。

本局もそんな感じでした。

実戦は△4五同歩以下▲同桂△2二角▲1五歩△5五歩▲4七銀△1五歩で、ソフトの評価値-62で互角。

この仕掛けは今見てもひどいなと思っていますが、自分から動いたにもかかわらず後手から△5五歩とされ▲4七銀と戻されて△1五歩と歩を取られた形は先手の失敗です。

後手から△4四歩と桂馬を取られる形に対抗できる手段があればいいですが、ちょっと浮かびません。

ただし、驚いたのは失敗したなと思ったこの局面でも評価値はほとんど互角で、将棋は手が広いです。

△1五歩以下の変化手順で▲1三歩△同香▲3五歩△4四歩▲3六銀△4五歩▲同銀△3五歩で、ソフトの評価値-282で互角。

この手順は先手は桂損に対して4七の銀を▲3六銀から▲4五銀と活用する筋で、何とかぎりぎり手を繋げているという感じで、攻めが切れたら終わりなので先手も忙しいです。

最初の局面で、△4五同歩に▲同桂△2二角と進んだ局面であれば▲2四歩△同歩▲6五歩で決戦すべきでした。ソフトの評価値+24で互角。

この手順の▲6五歩とぶつけた形は角交換や銀交換になりやすいので、駒が後退するということにはならなかったようです。

またソフトは▲4五同桂では▲3五歩を推奨していました。ソフトの評価値+210で互角。

この▲3五歩は自らの桂馬の頭の歩を突くので最初に見た時は違和感があるかもしれませんが、何度も見ていくとそれが自然に思えます。

ただし、それが実戦の短い時間で浮かばないとあまり意味がなく、本局の場合も▲3五歩は考えていませんでした。

このような手はこのブログで何度か取り上げたのですが、また時間がたつと忘れてしまうので、このあたりの直感が悪いです。

▲3五歩に△同歩なら▲4五桂△4四角▲2四歩△同歩▲6五歩△5五歩▲2四飛△5六歩▲4四角△同銀▲2二歩で、ソフトの評価値+741で先手有利。

この手順は▲3五歩に△同歩とする手ですが、後で▲2四飛と出ると飛車の横利きで3筋と4筋に技がかかりやすいです。

最後の▲2二歩も巧妙で、▲4四飛とか▲6四歩で銀を取り返すことは可能ですが、この瞬間が少し甘いので▲2二歩と打って、△同金なら▲2三歩△3二金▲2二角と攻める感じです。

よって後手は▲3五歩に△同歩とせず別の手を選べば、先手は3筋と4筋の争点ができているので攻めの幅が広がります。

桂頭の歩を突き捨てて攻めの手を広げるのが参考になった1局でした。