上図は、後手角交換振り飛車からの進展で▲3五同銀と歩を取った局面。ソフトの評価値+97で互角。
先手が4六の銀が3五の地点で歩の交換をした展開です。
後手が角交換をして△3三桂と跳ねる形には、先手が早めに右の銀を使って桂頭を狙うのがよくあります。
角と銀の組み合わせで桂頭を狙うのですが、これに後手がどのように対抗するかという局面です。
後手は△5三銀と上がって3四の地点は放棄しており、次に▲3四歩△4五桂▲3三歩成の狙いがあるので、後手は何か受けないといけません。
対局中は△6四角と打ってくれば、▲4六歩と突くか▲4六銀と引くかそのときに考えようと思っていました。
ちなみに△6四角はソフトの候補手にも上がっていない手でしたが、▲4六歩でも▲4六銀でも互角でした。
自分は振り飛車をほとんど指さないのでこのあたりの後手の感覚はいまひとつですが、この局面での△6四角は普通の手のようです。
実戦の次の手は全く予想していませんでした。
実戦は▲3五同銀以下△3四歩▲同銀△4四銀で、ソフトの評価値+166で互角。

この△3四歩~△4四銀という受け方は初めて見ましたが、そのような受け方があるのは知りませんでした。
△3四歩は敵の打ちたいところに打ての格言に沿った手ですが、▲3四同銀で次に▲3三銀成の狙いがあります。
それを△4四銀と上がって受けるのが全く浮かびませんでした。
後手は歩損になりますが、先手の銀の働きがよくないという考えです。
銀は千鳥に使えという格言がありますが、3九の銀が▲4八銀~▲3七銀~▲4六銀~▲3五銀と千鳥に使うのがよくある形です。
そこで▲3四銀とまっすぐ使うと、3五の地点には手数がかかりすぎて実戦ではまず戻れません。
そのような意味で銀をまっすぐ使うのは少し形が崩れやすくなります。
実戦は△4四銀以下▲4六歩△5五歩▲9六歩△5一飛▲4七金△5四飛で、ソフトの評価値±0で互角。

ここからの実戦の展開も全く予想していなかったのです。
先手は▲4六歩と突いて△4五桂の筋を消したのですが、そこで△5五歩と歩を伸ばしてきました。
△5五歩と歩を伸ばすことで先手は角道が止まります。
▲9六歩は先手が▲8七銀型なので自然な手だと思いますが、次の△5一飛が鋭いです。
後手は歩を伸ばしたところに飛車をもってくるのは振り飛車ではよくある形で、いつでも△5六歩の捌きがあります。
先手は▲4七金と上がって5筋の歩の交換を受けたのですが、そこで△5四飛と飛車を浮くのがうまい手でした。
実戦の後手の指し手は、振り飛車を指しなれている感じです。
よくあるゴキゲン中飛車で、▲4六銀型に△4五歩と突いて▲4五同銀~▲3四銀とした手に後手が△5四飛と浮いて3四の銀を狙うのがあります。
それの応用で、▲3五の銀に△3四歩と打って▲3四同銀に△5五歩~△5一飛~△5四飛として3四の銀を狙う形です。
△5四飛は次に△3五銀とすれば銀ばさみの形で、▲3三銀成△同金で銀と桂馬の交換で先手が少し駒損になります。
よって実戦は△5四飛に▲3六歩と打って△3五銀を防いだのですが、△5三銀▲3五歩△4四銀でソフトの評価値-334で後手有利。
▲3六歩はあまりよくなかったようで、▲3六歩では▲3八飛で互角だったようです。
敵の打ちたいところに歩を打って桂頭を守るのが参考になった1局でした。