最終盤で勝勢でも意外と難しい

上図は、先後逆で相居飛車力戦形からの進展で▲4六歩と突いた局面。ソフトの評価値-2152で後手勝勢。

▲4六歩は△3八桂成以下の詰めろを逃れる手ですが、評価値は後手勝勢です。

後手玉はまだ詰めろがかかっていないので1手の余裕はあるのですが、最終盤でぬるい手を指すと形勢が接近しますのでできるだけ正確に指す必要があります。

ただし、早指しの終盤戦も難しく手の見えどころが悪いとまた勝負が振り出しに戻ることが多いです。

そのため後から見れば評価値に大きく差があっても、実際の対局中はそんな余裕はありません。

実戦は△7八銀成としましたが、この手は詰めろでありませんのでこの瞬間が後手としては少し怖いところです。

後で検討すると△7八銀成以下▲6二と△6八成銀▲8一龍△5一銀打▲5九銀△4七金で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

△7八銀成は金が取れますがソフトの候補手になかった手で、この瞬間が少しぬるかったようです。

先手は▲6二とから▲8一龍と合駒請求をして後手に金駒を1枚使わせる展開で、後手としてもぎりぎりの対応になります。

後手の持ち駒に安い駒があればいいのですが、なければ金駒を使うしかありません。

△5一銀打に▲5九銀は△5九金の詰めろを防いだ手ですが、最後の△4七金は難しいです。

この手が見えないとこの展開は勝てないとなると結構ハードルが高いです。

△4七金は将来4七の地点からの脱出を防ぐ手で、▲4七同金右でも▲4七同金直でも△3九成香以下詰みです。

また△4七金は次に△3九成香以下の詰めろなので、これで後手勝勢です。

どんな内容の将棋でも最終盤の寄せは参考になることが多いです。

なおソフトは△7八銀成では△2八成香を推奨していました。ソフトの評価値-3267で後手勝勢。

この手順の△2八成香は次に△3八成香以下の詰めろです。

△2八成香に▲6二となら△3八成香▲5九玉△5八金▲同金△3九龍まで詰みです。

よって先手は詰めろを受けないといけません。

△2八成香に▲5九玉なら△7八銀成▲6二と△3八桂成▲8一龍△5一金で、ソフトの評価値-6945で後手勝勢。

この手順は△2八成香に▲5九玉の早逃げで粘りの手で、後手も△7八銀成が詰めろでないのでこの間に▲6二とから▲8一龍と迫る展開です。

△5一金とした局面が先手玉の詰めろなので後手勝勢ですが、ここから▲5八玉と逃げる手が気になります。

▲5八玉以下△4八成香▲同玉△3九龍▲4七玉△3八龍▲5六玉△5四香▲6六玉△7六金▲5五玉△5四歩▲6五玉△6四金▲5六玉△5五金まで詰みです。

この手順は長手数で頭の中でイメージするための手の流れですが、終盤で詰み筋に入った場合にどのような筋で相手玉を詰ますかの確認です。

△5四歩がうっかりしやすい手で▲同玉なら△6四金で詰みです。

対局中にこれらを理解するのはまず無理ですが、少しでもその域に達するようにしたいです。

最終盤で勝勢でも意外と難しいのが参考になった1局でした。