少し危険なようでも踏み込んで指す


上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲1七桂と2九の桂馬が跳ねた局面。ソフトの評価値-213で互角。

▲1七桂と跳ねた手は次に▲2五桂△2四玉▲3二飛成という手ですが、対局中ははこの狙いにどのように対応するかが難しいと思っていました。

まず気になるのは▲2五桂△2四玉▲3二飛成が後手玉に詰めろがかかっているかどうかです。

対局中は詰んでもおかしくないと思っていましたが、仮に詰まなくてもそれより後手からの速い攻めはないと思っていました。

このあたりは直感になるのですが、このような終盤戦で間違うと形勢を大きく損ねます。

実戦は△1三桂▲6三銀成で、ソフトの評価値-169で互角。

この手順の△1三桂は▲2五桂に△同桂の受けを用意したのですが、そこで▲6三銀成が盲点でした。

一瞬ありがたいと思ったのですが、この手は次に▲3二飛成△同玉▲2一銀△4二玉▲3二金△5一玉▲6二成銀左の詰めろになっていました。

途中でこの筋は気がついたのですが、対局では時すでにおそかったです。

△1三桂と打った手が1筋からの逃げ道をふさいだ形で、悪いときはこのような組み合わせになってしまいます。

▲6三銀成には△3一金打として辛抱すべきでした。ソフトの評価値-127で互角。

後手玉は詰めろだったのでまずは受けて辛抱すべきだったです。

なお▲1七桂に対する後手の推奨手は△6七歩成でした。

△1三桂では△6七歩成で、ソフトの評価値-346で後手有利。

この手の△6七歩成は金取りですが詰めろではないので、どのくらいの効果があるかが分かりにくいです。

△6七歩成に▲2五桂なら△2四玉▲3二飛成△3九角▲3三桂成△3五玉で、ソフトの評価値-580で後手有利。

この手順の▲2五桂~▲3二飛成は詰めろではなかったようで、△3九角と攻防に打つのが後手も粘り強い手だったようです。

簡単に△6八ととせずに入玉模様に△3九角して自玉を手厚くするのが入玉形ならではの感覚だったようで、5段玉になると先手は抑えの駒が少ないと寄せ切るのは大変です。

なお▲3三桂成に△2八角成と飛車を取るのは、▲3四成桂△2五玉▲2三龍で詰みなので要注意です。

このような手順があるので終盤は全く侮れません。

よって先手も直ぐに決めにいくのは危険なので、△6七歩成には一旦▲6七同金と手を戻します。

△6七歩成以下▲同金△6六歩で、ソフトの評価値-152で互角。

この手順の▲6七同金に△6六歩と叩くのが、また先手としても悩みそうな手です。

▲6六同金なら△4六角で、△2八角成と△5七角成の両方の狙いがあります。

△6六歩▲同金△4六角▲3二飛成△同玉▲2一銀△2二玉▲2五桂△5七角成▲6八歩△2一玉▲3三桂成△5九飛▲6九金△同飛成▲同玉△5八銀▲同飛△同馬▲同玉△5七金▲同玉△4七飛▲5八玉△4六桂以下即詰みです。

これは一例で後手がうまくいきすぎですが、先手が多少無理っぽく決めにいった展開で、さすがに△5七角成と王手をする形は駒がたくさんあれば先手玉に即詰みは発生するという典型的なパターンです。

実際の終盤はもう少し粘り強く指すのでまだ大変ですが、後手からの感覚としては6七の金を6六にさせることで先手玉が弱くなるという手筋のようです。

ここら辺の感覚を終盤の強さに役立てたいです。

少し危険なようでも踏み込んで指すのが参考になった1局でした。