最短の寄せには難しい手がある

上図は、横歩取り△3三角型からの進展で△5二歩と打った局面。ソフトの評価値+2664で先手勝勢。

先手は成り駒を2つ作って後手の玉頭に迫っているので先手勝勢ですが、どうやって後手玉を寄せるかという場面です。

色々な筋が見えると読み筋がまとまらず、結局安全な手を選ぶことになりがちです。

日頃からしっかり読みを入れて指すという習慣があればいいのですが、基本的に早指しがほとんどなので比較検討して指すということができません。

ただし強い人は早指しでも強いので、やはり直感で見える手というのは大事です。

実戦は▲6三成桂で、ソフトの評価値+1146で先手優勢。

この手は桂取りだったので逃げる手で自然に見えますが、さすがに甘かったようです。

ただしこの▲6三成は詰めろになっており、△6七角成なら▲6一馬△同玉▲6二飛△同銀▲7二金△5一玉▲6二金△4二玉▲5二金で詰みでした。

この筋も対局中には見えておらず、後から調べて分かるというレベルでこのあたりの寄せの手の見え方はさっぱりでした。

なお実戦は▲6三成桂以下△6七角成▲8一歩成△4二金で、ソフトの評価値+2532で先手勝勢ですが、後手玉が3筋に逃げるルートができたのと次に△4九馬のような手もあるので将棋としてはもつれてくるパターンです。

やはり寄せるところは寄せないと複雑な局面になっていきます。

序盤の評価値はそんなに変動しませんが、終盤の評価値は手の内容によって大きく変動します。

▲6三成桂では▲8一歩成がありました。

▲8一歩成△5三歩▲6一馬△同玉▲7一と△同玉▲5二飛で、ソフトの評価値+3477で先手勝勢。

この手順は▲8一歩成から桂馬を取って、△5三歩には▲6一馬から後手の金駒を取ってから▲5二飛と打つ展開です。

後手の守り駒を取ると後手玉が薄くなりますので寄せやすくなります。

大駒が1枚あると寄せる際には心強いです。

▲5二飛と打って詰めろをかけるのが手堅いです。

ここで後手の手番になるので少し怖い形ですが、先手玉に即詰みはなく王手飛車の筋もありません。

▲7二飛に△6二桂なら▲5一飛成△6一飛▲同龍△同玉▲8一飛で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順は△6二桂と受ければ▲5一飛成とするのが平凡ですが確実なようです。

▲8一飛に△7一角なら▲7二銀△同玉▲8四桂△6一玉▲7一飛成△同玉▲7二金で詰みです。

また▲8一飛に△7一飛なら▲7二銀△同玉▲8二金△6一玉▲7一飛成△5二玉▲5一飛△4二玉▲4一飛成で詰みです。

後手は手数を伸ばすような手はあっても1手1手です。

このような筋の寄せも後から調べればなるほどですが、▲7二銀と駒を捨てるような手は実戦で見えるかどうかはそのときにならないと分かりません。

ただし棋力的には、確実に▲7二銀の詰み筋が短い時間でも見えるようにしておきたいです。

なお▲5一飛成で▲8三銀と詰めろを掛ける手もありそうですが、この場合は△6五角の王手で銀が取られるので要注意です。

このように調べると最短で寄せるということは、その中に厳しい手が含まれていることが多いのでその手を発見できるかどうかで大きく違ってきそうです。

最短の寄せには難しい手があるのが参考になった1局でした。