桂馬を取って▲4四桂と急所に打つ


上図は、角換わり腰掛銀からの進展で△6二飛と歩を取った局面。ソフトの評価値+366で先手有利。

△6二飛と歩を取る手では△6二金と金の方で歩を取る手の方が有力で、△6二飛はやや甘い手だったようです。

ただし相手が甘い手を指してもその後こちらも甘い手を指せば、前の甘い手が活きてくるということがあります。

本局もそんな感じでここから先手の指し方がよくなかったです。

実戦は△6二飛以下▲3五歩△7五歩▲2四歩△同歩▲3四歩△7六歩で、ソフトの評価値-377で後手有利。

この手順の▲3五歩は攻めるならこの筋で、△同歩としてくれたら将来▲3四香のような手が生じます。

▲3五歩~▲3四歩と取り込むのはそれなりに大きいのですが、後手は△7五歩~△7六歩として銀当たりになりました。

この局面がすでに後手がいいようで、後手は歩の数が多いのと持ち駒に角と桂馬があり、7三の桂馬もそれなりに働いて先手の馬の利きを止めているのが大きいようです。

△7六歩には▲同銀としても▲6六銀と逃げても味が悪い形です。

この攻め合いの選択は後手の方に分があったようです。

▲3五歩では▲6四香がありました。

▲6四香△同金▲7三馬△6三金▲6二馬△同金▲4四桂で、ソフトの評価値+353で先手有利。

この手順の▲6四香は部分的にはある手で、△同金に▲7三馬を馬を活用することができます。

持ち駒の香車と盤上にある桂馬の交換は微妙ですが、角香と飛桂の交換で先手が少し駒得です。

持ち駒の桂馬を▲4四桂と打つのが急所です。

4四の地点に空間があいているとこのような手が生じます。

▲4四桂は金取りですが、相手玉の守り駒がなく先手の持ち駒に金があれば▲3二金で詰みで、3二の金を2三にさそうような攻めのイメージです。

4四の桂馬を起点にして攻めるということです。

ただし現状は、持ち駒に飛車があるとはいえ後手陣もそれなりにしっかりしており▲4四桂はやや攻めが細いようにも見えますが、この後の展開が気になります。

▲4四桂に△2二金なら▲8二飛△6一歩▲5二桂成で、ソフトの評価値+954で先手優勢。

この手順は△2二金と逃げると▲8二飛と平凡に金取りに打つのがうまい手で、△6一歩に継続手がなさそうにみえますが、▲5二桂成で先手優勢です。

なおこの手順の△6一歩で△7三角とはじく手は、▲6二飛成△同角▲5二桂成で、ソフトの評価値+703で先手有利。

この手順は△7三角には飛車を切って▲5二桂成とすれば▲6二成桂と▲4一金の狙いで先手有利です。

4四の桂馬は3二の地点だけでなく5二の地点にも利いているのが盲点です。

▲4四桂に△3三金なら▲2四歩△同歩▲4五銀△5五角▲2二歩△同玉▲4一飛△3一角▲5四銀△同歩▲5一銀で、ソフトの評価値+615でで先手有利。

この手順は△3三金として桂馬を取る狙いですが、2筋を突き捨ててから▲4五銀と歩を取って攻めの圧力を加えるのがいいようです。

△5五角は攻防の1手ですが、▲2二歩△同玉を利かしてから▲4一飛が厳しいようです。

このような手順をみていると、強い将棋というのは攻めるときの手の流れがきれいというか筋に入っているという感じです。

桂馬を取って▲4四桂と急所に打つのが参考になった1局でした。