歩を使った攻めで手を広げる

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△5一角とした局面。ソフトの評価値+233で互角。

この局面は▲3四銀とした手に3三の角が△5一角と逃げた展開です。

飛車交換の形から先手が先に飛車を敵陣に打ち込んでおり、ここまでは悪くない展開です。

ここから先手がどのように手を広げていくかが難しいところです。

実戦は▲4三歩△4四飛で、ソフトの評価値-97で互角。

この手順の▲4三歩はと金作りの手で次に▲4二歩成が厳しいのですが、△4四飛と敵陣でなく空中に飛車を打ったのがうまかったです。

こういう手は攻める方からすると見えにくいです。

▲4二歩成を受けると同時に△3四飛の狙いもあります。

実戦は△4四飛以下▲2一飛成△3四飛▲4六桂△3八飛成▲5四桂△同金で、ソフトの評価値-169で互角。

この手順はやや一直線のような駒を取り合いですが、やや先手の攻めが細く単調な感じです。

歩を使った攻めではないので、攻めに含みがなく変化が少なくなります。

なお△4四飛には▲2三銀不成△4三飛▲2一飛成△4九飛成▲1一龍△7四歩で、ソフトの評価値+10で互角と進めべきだったようですが、先手が先に桂馬と香車を取って△7四歩と突かせても互角というところが将棋は奥が深いです。

歩切れを解消しても▲2三銀不成とややそっぽに銀が行くのが仕方がないとはいえ重たいのかもしれません。

なお最初の局面ではソフトの推奨手は▲2一飛成で、以下△3九飛▲4六桂△4五歩▲5四桂△3四飛成▲4二銀△5四龍▲5一銀成△同龍▲同龍△同金▲6五歩でソフトの評価値+118で互角だったのですが、今回は別の手を紹介します。

▲4三歩では▲5六歩がありました。ソフトの評価値+205で互角。

この手順の▲5六歩は指摘を受ければなるほどという手ですが、ここが急所という手です。

5筋の歩を切れれば攻めに使えるのと、5五の地点の駒がなくなると▲6五歩で角道が通ります。

また5四の銀が移動すれば3四の銀が▲4三銀成と活用できます。

そのような意味で含みが多い手です。

▲5六歩に△3九飛なら▲5五歩△同銀▲4三銀成で、ソフトの評価値+645で先手有利。

この手順は△3九飛は狙いの手ですが、▲5五歩~▲4三銀成で次の▲5三歩の垂れ歩が厳しいです。

▲4三銀成に△6二角なら▲2一飛成△3一歩▲6五歩△5四金▲5六歩△4六銀▲1一角成で、ソフトの評価値+895で先手優勢。

このような展開は攻めつぶすというのでなく地味ですが、馬を作って駒得で先手優勢です。

▲5六歩に△同歩なら▲5五歩△同銀▲6五歩△5四金▲4三銀不成△4九飛▲5一飛成△4三飛成▲2一龍で、ソフトの評価値+521で先手有利。

この手順は△5六同歩には▲5五歩△同銀から▲6五歩として角を活用します。

△5四金に▲4三銀不成が味のいい手で、△4九飛は▲5四銀成なら△4一飛成の切り返しがありますが、△4九飛には▲5一飛成があり△同金なら▲5四銀成で駒得です。

よって▲5一飛成には△4三飛成と粘りますが▲2一龍で先手駒得で先手有利です。

やはり歩を使った攻めというのは含みが多いので手が広がるようです。

歩を使った攻めで手を広げるのが参考になった1局でした。