上図は、後手横歩取り△3三桂型からの進展で△2三金と上がった局面。ソフトの評価値+305で先手有利。
△2三金は▲3四歩を受けた手ですが、ここで先手がどのような方針で指すかという局面です。
対局中は先手の飛車と角が働いているとまずまずですが、ここからの手の進め方が難しいと思っていました。
評価値は先手有利になっていますが、ほとんど互角に近い有利のようです。
この戦型の先手の難しいところは、飛車と角と桂馬以外の駒が前に進めにくい駒組みで、金駒が前線にでると大駒の交換になったときに隙が生じやすいというのがあります。
よって低い陣形で駒組みを進めるのですが、争点が分かりにくく方針が決めづらいです。
実戦は▲3七桂だったのですが△6四銀なら、ソフトの評価値+215で互角。

この手順は▲3七桂と跳ねて△6四銀とする手ですが、▲3七桂はソフトの候補手には上がっていませんでした。
部分的には▲3七桂は自然の手だと思ったのですが、将来先手の桂頭が狙われやすいので形を決めすぎなのかもしれません。
3七の桂馬は後手の飛車と2三の金の組み合わせで、7七の桂馬は後手の角と6四の銀の組み合わせで桂頭を狙われやすいです。
先手は急戦で桂馬2枚が捌ければ理想ですが、持久戦模様になって将来桂頭を狙われる可能性があるので、それを守るために▲6六歩~▲6七銀や▲4六歩~▲4七銀のように駒組みを進めるようになりそうです。
それも1局ですが、そのような意味で桂馬を跳ねるのは保留した方が手が広かったです。
▲3七桂では▲2六飛がありました。
▲2六飛△2五歩▲4六飛△4四歩▲8四歩△8三歩▲同歩成△同銀▲8六飛△8四歩▲8九飛で、ソフトの評価値+208で互角。

この手順は結構難しいです。
先手は▲2六飛と飛車交換を狙います。
後手の2三の金が浮いているので後手は飛車交換はしづらく、△同飛▲同歩△8九飛としても▲7九飛で受かります。
また▲7九飛では▲2一飛と厳しく攻め合いにでる手もありそうです。
先手からいつでも▲8四歩と伸ばす筋や▲5三角成と切る筋があるので、後手は支えきれないです。
よって▲2六飛には△2五歩としますがそこで▲4六飛とします。
次に▲4三飛成がありますので△4四歩としましたが、▲8四歩と伸ばします。
後手は8筋の傷を消して△8三歩と合わせますが、▲同歩成から最後の▲8九飛が指しにくいです。
▲8九飛というのが横歩取りの戦型の先手の駒組みで浮かびづらいです。
1段飛車は令和になってから角換わり腰掛銀や相掛かりで普通に見る形ですが、横歩取りの先手は▲3四飛や▲2六飛のような浮き飛車が多いです。
その先入観があるので▲8九飛は見慣れない形で浮かびづらいです。
先手は歩が3枚あるのに後手は歩切れで、特に2三の金の働きが悪いです。
先手の3五の歩は浮いていますが、それを取られても歩の数は互角です。
そのような意味で3五の歩は▲3六飛として守るよりも1段飛車で受けに使った方がいいということのようです。
▲8九飛に△2六歩なら▲同歩△同飛▲3七銀△2四飛▲3六銀で、ソフトの評価値+286で互角。
この手順は後手は歩切れを解消するため△2六歩から動いてきたのですが、先手は▲2七歩と打たずに▲3七銀とします。
これが先手は桂馬を跳ねる手を保留して1段飛車にした効果で、△2九飛成に▲同飛を用意しています。
先手は▲3七銀~▲3六銀として、将来▲3七桂と跳ねる形にして後手の飛車を抑える指し方です。
場合によっては先手は▲2九飛と2筋に飛車を回ってくることも可能になります。
桂馬を跳ねる手を保留して指すのが参考になった1局でした。