上図は、後手雁木に先手左美濃の右四間飛車からの進展で▲4四飛と歩を取った手に4二の玉が△5一玉と逃げた局面。ソフトの評価値+538で先手有利。
対局中は先手は攻めているというより、攻めを急がないと後手から△7六桂などがうるさいという気分で、あまり気持ちに余裕がありませんでした。
先手有利になっていますが、次の1手が全く分かりませんでした。
気持ちに余裕がないと指し手もどこか抜けがでるようで、このようなときに形勢が大きく左右します。
実戦は△5一玉に▲2一角△5五銀▲3二角成△4四銀で、ソフトの評価値-862で後手優勢。
この手順は典型的な失敗例で、▲2一角は金取りですが△5五銀と桂馬を取られて飛車取りになるのをうっかりして以下▲3二角成に△4四銀では先手駒損でまずいです。
先手有利だったのが数手で後手優勢になるのですから全く手が見えてなかったです。
攻めばかりに意識すると△5五銀のような普通の受けを見落とすので、桂馬が取られる前にうまく攻めないといけないです。
▲2一角では▲1五角がありました。
▲1五角△3三銀▲3四飛で、ソフトの評価値+356で先手有利。

この手順は▲1五角は単騎の王手ですが、このような手はなかなか浮かびにくいです。
角の利きが攻めとしては1方向しかないので、ぱっと見で単調な感じがします。
△3三銀の受けに▲3四飛が攻めの継続手で、この形になったら飛車と角が働いてきたのが分かります。
▲3四飛以下△2四歩▲同角△8六歩▲3三角成△同金▲同飛成△7六桂▲7七銀打で、ソフトの評価値+544で先手有利。

この手順は△2四歩ははっとする手ですが、▲同角とします。
△2四同銀なら▲3二飛成がありますので、後手は受けてもきりがないということで△8六歩と攻め合いにきます。
先手は▲3三角成から2枚替えで飛車が成り込みますが、後手も△7六桂が詰めろになります。
そこで▲7七銀打として詰めろを受けるのですが、先手玉も攻められて危ない形でこれで先手有利というのが読みが入っていないと判断できないです。
▲7七銀打以下△8七歩成▲同銀△同飛成▲7八金で、ソフトの評価値+539で先手有利。
この手順は8七の地点で清算してから▲7八金と受ける手で、ぱっと見で相当先手玉が危なく見えます。
具体的には▲7八金に△同龍▲同玉△8七角▲同玉△6九角のような筋です。
△6九角の場面は後手の持ち駒に金銀と歩が2枚だけでぎりぎり詰んでいないようですが、持ち駒に桂馬があると△7五桂で詰み筋です。
桂馬がなくても先手玉は危ないのですが、駒を渡しすぎると後手玉が詰みということなので読みが必要ということです。
△6九角以下▲7八銀△8六歩▲同銀△8八金▲9七玉△7八角成▲8一飛△6一銀▲4一金△同玉▲6一飛成△5一金打▲3二銀で詰みです。
これらの手順は後手が無理っぽく寄せにきたパターンなので正着ではありませんが、このような危険な筋があるので、それに先手が踏み込めるかどうかの判断が必要になります。
実際は▲7八金には△8二龍で以下▲8三歩△同龍▲8四歩△同龍▲7六銀で、ソフトの評価値+1437で先手優勢。
この手順は▲8三歩から後手の龍の利きを甘くしてから▲7六銀と桂馬を補充して先手優勢のようです。
危ないようでも踏み込んで指すのが参考になった1局でした。