上図は、先後逆で先手立石流四間飛車からの進展で▲4四同歩と金を取った局面。ソフトの評価値+546で先手有利。
自分の使っているソフトは+300以上になったら有利で、+800以上になったら優勢、+2000以上になったら勝勢の形勢判断になっており、やや古いソフトです。
最近の新しいソフトは+1500以上になったら勝勢ですが、それ以外の有利と優勢の数値は変わっていないようです。
その意味で+546というのは有利と優勢の間くらいという感覚です。
それでも対局中に後手をもつとだいぶしんどい感じです。
やはり玉の固さがだいぶ先手の方がよく、しかも先手は持ち駒を含めて金駒6枚もあり馬付きの美濃囲いなので相当固いです。
よく金駒が多い方が勝ちやすいということを聞いたことがありますが、体力勝ちしやすいという面があると思います。
これだけ見ると全く後手はいいようなところがなさそうですが、それでもまだ後手は不利という段階で思ったほど差が開いていないのが不思議です。
では後手はどのように粘って指すのがいいのかが気になります。
実戦は△4二歩▲4一銀で、ソフトの評価値+1207で先手優勢。
この手順の△4二歩は▲4三金とか▲4三銀とかを受けた手で手堅いのですが、▲4一銀と打たれるとあまり受けの効果はなさそうです。
やはり後手は守りの金が1枚だけなので、それを狙われるとどんどん薄くなります。
結局後手はたいした受けがない形なので、ここで貴重な手番を活かして攻めた方がよかったです。
△4二歩では△4五桂がありました。ソフトの評価値+537で先手有利。

この手順の△4五桂は敵の馬を攻める手で、特に守りの馬がいなくなると先手玉は少し薄くなります。
後手の2筋にいる2枚の香車が活躍できる展開になれば、少し逆転の目がでてきます。
この△4五桂がどの程度厳しいかはいまひとつ分かりにくいのかもしれませんので、△4五桂に▲4三銀と打ってみます。
△4五桂以下▲4三銀△3七桂成▲同桂△2七香成▲同銀△同香成▲同玉△2六銀▲同玉△4四角で、ソフトの評価値-499で後手有利。

この手順は後手にとってややうまくいきすぎで、△4五桂には▲4六馬と逃げるのが普通ですが、あえて▲4三銀と攻め合いにきた変化手順です。
▲4三銀は詰めろではありませんが、▲3二銀成とすればほとんど後手玉は寄り筋です。
▲4三銀には△3七桂成から馬を取って△2七香成が厳しいです。
以下清算して△2六銀とただ捨ての銀を打って▲同玉に△4四角と王手ができるのが大きいです。
△4四角以下▲2七玉△2六銀と抑えて、以下どこかで△4三金と手を戻すのも可能です。
これは先手の▲4三銀のため△4四角と王手で以下△4三金と手を戻すのようになりましたが、▲4三金の場合はどうなるかが気になります。
△4五桂以下▲4三金△3七桂成▲同桂△2七香成▲同銀△同香成▲同玉△3五桂▲同歩△2六銀▲3八玉△3七銀成▲同玉△3五龍▲3六歩△4五桂▲2七玉△2六銀▲1八玉△4三金▲同歩成△2七角▲2九玉△3八金▲同金△同角成▲同玉△3七桂成▲4九玉△4八金まで詰みです。
この手順は▲4三金として△4四角には▲同金とする含みのあるのですが、△3七桂成~△2七香成と殺到して以下△3五桂が強烈です。
△3五桂に▲同歩なら△2六銀と捨てて▲同玉に△3五龍の大駒の活用が鋭いです。
△3五龍に▲3六歩と打ちますが△4五桂以下寄り筋で、特に4三の金が質駒になっています。
変化はありますがそのような意味で△4五桂が勝負手だったようです。
受けがない場合は手番がきたら攻めるのが参考になった1局でした。