受けに回って形勢を維持する


上図は、角換わりから後手棒銀の進展で△6五桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+393で先手有利。

7三の桂馬が△6五桂と跳ねて次に攻める形を作ったのと同時に△7一飛として、と金を取る手も狙っています。

先手としてはと金を取られるのは痛いので、と金を動かすことになります。

実戦は▲6一と△8六歩▲3五歩△8七歩成▲同銀△8六歩▲9六銀△8四銀で、ソフトの評価値+26で互角。

この手順の▲6一とは相手玉にと金を近づけるという手で、相手玉が狭くなり終盤になると寄せに役立つ可能性があります。

攻めに意識していると▲6一とになるのですが、本局ではソフトの推奨手ではありませんでした。

先手の銀が▲9六銀と形の悪い銀になったのですが、後手が△8四銀と引いた形が次に△7七歩成が厳しいです。

△7七歩成を受けるのであれば▲5五角としますが、△5四歩▲6六角で先手が耐えられるかどうかという形になります。

どこかで先手は攻めたい形ではありますが、6六の角がいなくなると△7七歩成が厳しく反動がきついです。

そのような意味で先手からは動きにくいです。

最初の局面でソフトの推奨手は反対側にいく▲8一とでした。

▲8一と△8六歩▲9一と△8七歩成▲同銀△8六歩▲9六銀△8四銀▲7九香で、ソフトの評価値+512で先手有利。

この手順の▲8一とは相手玉の反対側にいきますが、後で▲9一とで香車を補充する手です。

▲9一とという形になればこれ以上と金の活躍は難しくなりますが、香得という駒得を重視した手です。

後手は△8六歩と合わせて攻めた手に▲同歩なら△同銀で相手の銀が働いてきますで、▲9一ととします。

後手は△8七歩成~△8六歩で先手は▲9六銀と形が崩れますがやむを得ないようです。

△8四銀と引いた手は次に△7七歩成を狙っていますが、そこで取った香車を▲7九香と受けに使います。

この▲7九香という手が自分の感覚だと少し見えにくいです。

自分の場合だと香車は2筋とか3筋の攻めに使いたいというのが浮かぶのですが、受けるところはしっかり受けるというのが大事みたいです。

▲7九香のような受けは打たされたという感覚もあるのですが、香得しているので受けに使っても問題ないようです。

▲7九香と1枚受け駒を増やすと先手からは攻めることが可能になります。

▲7九香以下△9四歩▲6六歩△9五歩▲同銀△同銀▲同香△8五角▲9七桂△7七歩成▲8五桂△7八と▲6五歩△7九と▲4九玉△7八飛成▲3八玉で、ソフトの評価値+536で先手有利。

この手順は▲7九香に△9四歩として8四の銀を活用する手です。

ここからの先手の構想に驚いたのですが、先手は攻めるのではなく受けに回ることで形勢を維持するということです。

△9四歩に▲6六歩と桂取りで催促するのですが、先手の玉のコビンをあけて少し危険なような感じもします。

感覚的に▲6六歩は少し指しづらいと思うのは、どこかで△8五角としたときに△7七歩成の開き王手の筋があるからです。

本局の変化手順では△8五角に▲9七桂と盤上の桂馬を活用して受けるのがうまく、△7七歩成以下に▲8五桂~▲6五歩と相手の攻め駒を取ります。

後手も△7九と~△7八飛成として龍を作って勝負形ですが、先手も▲4九玉~▲3八玉と右玉にして受けるのがすごいです。

自分はこのような指し方はなかなかできないのですが、攻めるだけでなく受けばかりを指しても形勢を維持することができるようです。

決して簡単な局面ではありませんが、駒割りは角桂と金の交換で先手が少し駒得で指せているようです。

受けに回って形勢を維持するのが参考になった1局でした。