角と銀を使って高美濃を攻略する

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲8一龍と桂馬を取った局面。ソフトの評価値-1125で後手優勢。

この展開は数手前に後手が△8六歩▲同歩△同角▲8八飛△7七角成▲8二飛成△6六馬に▲8一龍とした形です。

昔読んだ将棋の本などによくある手順で、駒割りは角銀と飛桂の交換で形勢は居飛車側が有利で終わっていることが多いです。

本局は駒の損得は同様で、先手の高美濃に対して後手は4枚穴熊で固いので後手優勢のようです。

またここで後手の手番というのも大きいです。

当時、自分は将棋の本で本局に似た展開をみたとき、この後どのようにして居飛車が手を繋いでいくかがよく分かっておらず、居飛車側が有利といっても何となくしっくりこないという感覚を覚えています。

たまたま実戦で似たような展開になったので、この後の指し手を調べようという気になりました。

ソフトで評価値が1000以上の差がある場合は、かなり形勢に差が開いているという実感ですが、それを実戦で具体的な手順で示すというのが毎回難しいです。

実戦は△6七角だったのですが▲5八桂△9九馬で、ソフトの評価値-986で後手優勢。

この手順は△6七角と打って次に△5八銀を狙いましたが、先に▲5八桂と先着され△9九馬と香車を取る展開です。

この後は先手からも▲9一龍と香車を取れそうで、後手からも△8九馬と桂馬をとれそうで、トータル的な駒割りは後手の銀得になりそうです。

こういう展開もありそうですが、先手玉への攻略がいまひとつ見えないので方針が決めづらいです。

先手から2枚飛車で攻められる可能性もあるので。それに対抗する手の精度が必要です。

なお△6七角はソフトの候補手の1つでそこまで悪くはなかったようですが、ソフトは△6九角を推奨していました。

△6七角では△6九角がありました。ソフトの評価値-1060で後手優勢。

この手順は△6九角と打って4七の金を狙う形です。

後手の攻め駒は、角2枚と持ち駒の銀の3枚なのでこれだけではやや心細く、ここからの指し手が気になります。

△6九角に▲9一龍なら△5八銀▲4八金引△4九銀成▲同金△5八金▲3九金△3五歩で、ソフトの評価値-1275で後手優勢。

この手順の▲9一龍は香車を取る手で、香車は受けに役立つ場合もあるので価値の高い手です。

後手は△5八銀と打つのが急所で、相手の守り駒の金を攻めて盤上から少なくするのがいいようです。

守りの金がいなくなると先手玉は少し弱く見えます。

△5八銀に▲4八金引と粘りに△4九銀成~△5八金がいも筋ですがうるさいようです。

△5八金も相手の守り駒の4九の金を攻める展開で、金で相手の金を攻めるという少し分かりにくい形ですが、これも相手の金が盤上からなくなると先手玉が弱くなるという考えです。

△4九金に▲3九金と逃げて、6九の角が5八の金のかげに隠れて少し活用しにくい形ですが、そこで△3五歩が継続手です。

先手の桂頭を狙う手で、このように歩が使った攻めができると厚みが増して攻めが切れなくなります。

△3五歩以下▲2五桂△3九馬▲同玉△4八金打▲2八玉△3八金▲同玉△5七金▲3九桂△3六角成▲2六銀△4六馬▲8二角△同角▲同龍△4六角▲8七龍△8六歩▲7七龍△6八銀で、ソフトの評価値-1615で後手優勢。

この手順は少し難しいですが、▲2五桂の早逃げに△3九馬から守りの金を取るのが鋭いです。

後手も攻め駒が少なく細い攻めを繋ぐ感じですが、先手玉もすかすかなので攻めが切れなければいいという考えのようです。

角と銀を使って高美濃を攻略するのが参考になった1局でした。