意外な受けの手から攻めに転じる


上図は、角換わりから後手棒銀の進展で△7七歩成とした局面。ソフトの評価値-62で互角。

先手が▲3五歩と突いた手に△7七歩成とした展開で、これから攻め合いになりそうな形です。

駒の損得はありませんが、お互いの攻め駒が玉の近くにいるので少し危険な形です。

このような局面で間違えて形勢を損ねると取り返しがつかないことがありますので、慎重になります。

実戦は▲3四歩△7八と▲2五桂で、ソフトの評価値-519で後手有利。

この手順は▲3四歩△7八と▲2五桂の一直線の攻め合いです。

自分の場合は、攻め合いのときは受けの手を指さずに攻めしか考えていない感じです。

受けの手がないため読みやすい手順で、これで勝ち切れば一番いいです。

先手は6一のと金と3四の歩と2五の桂馬がいて、さらに持ち駒に銀があるので部分的には攻めがうまくいっているように見えます。

実戦は▲2五桂に△6三金▲3三銀△5二玉▲3二銀不成△6一玉で、ソフトの評価値-386で後手有利。

この手順は△6三金とすると玉が急に広くなったような感じで、この手を軽視していました。

先手は▲3三銀~▲3二銀不成と金を取ることができましたが、大駒の飛車を角を使っていない攻めなのでやや細く2筋は攻めが渋滞しています。

ソフトは△6三金では△8八角を推奨していましたが、実戦的には後手玉は壁になっているので指しづらそうな感じです。

△6三金もソフトの候補手の1つで、こちらの方が人間の感覚に近い感じです。

先手は一直線の攻めを選択しましたが、あまりうまくいっていないようです。

ソフトは▲3四歩では▲7七同桂を推奨していました。

▲7七同桂△同桂成▲同金△同飛成▲3四歩で、ソフトの評価値-336で後手有利。

この手順は▲7七同桂としていったん受けに回る手です。

△同桂成とするとこの瞬間先手は桂損になり、▲同金△同飛成とするとこの瞬間は先手の金損になります。

△同飛成に▲3四歩と銀を取って駒割りは金と銀の交換ですが、後手の龍が先手玉の近くにいるので危ない形に見えます。

▲3四歩で後手の手番で、後手の龍が先手玉の近くにいてこの評価値だったのは意外でした。

このような展開は先手が全くだめというイメージがあったので驚きました。

先手の玉が危険なのと、後手玉にあまり攻めが効いていないと思っていました。

▲3四歩に△6六桂なら▲4九玉△6七龍▲2五桂打で、ソフトの評価値+264で互角。

この手順の△6六桂は玉のコビンから攻める手で、▲同歩なら△7六角▲6九玉△6七角成で、ソフトの評価値-3834で後手勝勢。

この手順は▲6六同歩に△7六角が厳しく4六に角がいるため先手玉に即詰みはありませんが、△6七角成とすると後手勝勢です。

よって△6六桂に▲4九玉と逃げるのですが、これが意外としぶとい形で4六に角がいるため△7九龍の王手ができません。

よって△6七龍としたのですが、▲2五桂打でこれが▲3三銀からの後手玉の詰めろになっています。

▲3三銀からは手数はかかりますが、清算して▲2五桂と3七の桂馬が跳ねて以下並べ詰みです。

後手玉に攻めがあまり効いていないと思っていましたが、▲2五桂打とすることで詰めろになる攻め方は気がつきませんでした。

▲3四歩以下△8八龍▲4九玉△9九龍▲7九歩で、ソフトの評価値-442で後手有利。

この手順は△8八龍~△9九龍と香車を取る攻め方で、これは駒を補充する自然な攻めですが、▲7九歩と4六の角の利きを使って受ける手があり、先手が苦しいながらもまだ粘りのきく将棋です。

意外な受けの手から攻めに転じるのが参考になった1局でした。