上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲6四同角と銀を取った局面。ソフトの評価値-497で後手有利。
6四の地点で銀交換になったのですが、ここで後手の手番です。
先手玉の配置から後手の持ち駒に桂馬があれば△5七桂という手がありますが、持ち駒は銀と歩です。
先手陣の駒が少しばらばらですが、対局中はぱっと見でいい手が見えませんでした。
しかし、ここで意外な攻め方がありました。
なお実戦は△4二玉でソフトの評価値-38で互角。
この△4二玉は5三の地点を補強する意味では普通ですが、評価値を見る限りはチャンスを逸したようです。
△4二玉がよくなかったのは、5七の地点を補強する意味で▲5八金と上がられると攻めるのが難しくなったようです。
こういう局面で、何か手がありそうと思うかどうかでだいぶ指し方が変わってきます。
△4二玉では△5七銀がありました。
△5七銀▲7五角△6六歩で、ソフトの評価値-378で後手有利。

この手順の△5七銀ですが、駒を取る手でなく次の狙いも分かりにくく、逆に取られそうな銀なので少し指しにくいです。
先手は▲7五角として銀取りで受けますが、そこで△6六歩がぎりぎりの突き捨てです。
△6六歩は筋ですが、次に△6七歩成としても▲同金で5七の銀が取られそうなことには変わりがないので少し心細いです。
銀だけでの攻めでは単調なので、何か別の駒を応援して手を作りたいです。
△6六歩以下▲同歩△1五角▲3八飛△3五歩▲2七銀△6七歩で、ソフトの評価値-463で後手有利。

この手順は△6六歩に▲同歩として銀取りを受けましたが、次に▲6七金で5七の銀が取られますので後手は忙しいです。
後手は△1五角と幽霊角に出るのが継続手で、先手は▲3八飛と受けます。
▲3八飛では▲3八金が形ですが、先手の飛車の横利きがなくなるので少し不安です。
よって▲3八飛としたのですが、△3五歩がうるさい攻めで攻め駒を責めるという手です。
桂頭は狙われやすく、▲3五同銀には△3六歩がありますので形は悪いですが▲2七銀と引いて辛抱します。
これで後手の手が続かないようですが、そこで△6七歩がぎりぎりの利かしです。
△6七歩に▲同金なら△3七角成▲同飛△8八飛成▲5七金△4五桂で、ソフトの評価値-2066で後手勝勢。
この手順は▲6七同金に後手は手がないようですが△3七角成が鋭く、▲同飛に△8八飛成とできます。
先手の飛車が2段目からずれると飛車が成れるのが盲点です。
△8八飛成に▲5七金と受けましたが△4五桂が飛車金の両取りの詰めろで後手勝勢です。
これらの攻めは後手はものすごい駒損ですが、先手玉の急所を突くと寄り形になります。
△6七歩に▲1六歩としても△3七角成▲同飛△8八飛成があり、▲同金なら△6八歩成で詰みです。
そのような意味で思ったより厳しい攻めです。
△6七歩に▲7九銀なら△6八銀成▲同銀△同歩成▲同玉△3六銀で、ソフトの評価値-544で後手有利。
この手順は▲7九銀と打って6八と8八の両方を受けたのですが、△6八銀成~△3六銀が重たい攻めでも確実な手で後手が指せているようです。
あまり見ない攻め方で攻めを継続するのが参考になった1局でした。