戦いの争点に飛車を移動する

上図は、先後逆で▲2七銀と上がった局面。ソフトの評価値-25で互角。

先手がやや変則的な序盤構想で、▲2七銀と上がった局面は次に▲6八飛からの陽動振り飛車もありそうです。

実戦の後手の次の手は少し甘かったようです。

実戦は△8五歩▲6八飛△5四銀で、ソフトの評価値+110で互角。

この手順の△8五歩は飛車の活用で歩を伸ばす手ですが、よくなかったようです。

居飛車対振り飛車の対抗形であれば。飛車先の歩をどんどん伸ばすのは普通の感覚です。

しかし本局は、お互いに6筋の歩が切れている状態で争点は6筋になりやすいです。

また飛車先を軽くするという意味では、後手の飛車は8筋にいるより6筋にいた方が敵陣に直通しています。

そのような意味で△8五歩はやや局面の急所をはずれたようです。

△8五歩では△6二飛がありました。

△6二飛▲6八飛△5四銀で、ソフトの評価値-24で互角。

この手順は△6二飛▲6八飛とお互いに飛車が向きあう形になってから△5四銀と腰掛銀にする展開です。

お互いに居玉なのは気になりますが、すぐにでも戦いが起きそうな形なのであまり玉を囲う展開にはなりにくいです。

△5四銀に▲5六歩△4一玉▲6五歩△3一玉▲6五歩△6三銀▲4八玉△7四歩▲3八玉△7三桂で、ソフトの評価値-9で互角。

この手順の▲5六歩はソフトの推奨手で、次に▲5五歩として5四の銀を追い返す手です。

△6三銀とさせることで先手は局面を落ち着かせて玉を囲う展開です。

先手に▲6五歩と位を取られますが、後手は△7四歩~△7三桂として将来6五の地点を争点とする戦いも見込まれるのでいい勝負のようです。

△5四銀に▲4八玉なら△6五歩▲7五銀△7七角成▲同桂△4五角で、ソフトの評価値-452で後手有利。

この手順の▲4八玉は玉を囲う手ですが、やや危険な手です。

▲4八玉はソフトの候補手にも上がっていませんのであまいいい手でない可能性が高いのですが、このような局面で後手が機敏に動けるかが大事です。

後手は△6五歩と打って形を決めるのが盲点で▲7五銀に△7七角成から角交換をします。

▲同桂に△4五角と打つのが盲点です。

△4五角では最初に△2八角が浮かんだのですが、▲1八香△1九角成▲3九玉でソフトの評価値+71で互角。

この手順の△2八角はありそうな手ですが▲1八香~▲3九玉が自然な受けであまり大したことはありません。

よって△4五角と打ったのですが、▲3八玉と受けられた後の展開が気になります。

▲3八玉△7八角成▲同飛△6六歩で、ソフトの評価値-476で後手有利。

この手順は▲3八玉に△7八角成と反対側の金駒を取ってから△6六歩と伸ばすのが急所で、次の△6七歩成が受けにくく後手有利のようです。

なお、△7八角成では先に△6六歩もありそうで▲同銀なら△7八角成▲同飛△6六飛があります。

ただし△6六歩には▲5六角と合わせる手があり、△同角▲同歩△6七角▲5五歩△同銀▲6七金△同歩成▲6三歩△同飛▲9六角で、ソフトの評価値+115で互角。

この手順は▲5六角と合わせれると意外と面倒で、角交換から△6七角と打ちますが、▲5五歩~▲6七金~▲6三歩~▲9六角の切り返しがなかなかで、簡単ではありません。

よって先に△7八角成とする方が明快なようです。

戦いの争点に飛車を移動するのが参考になった1局でした。