角を大きく使って角交換を目指す


上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲7五角とした局面。ソフトの評価値-288で互角。

6四の角が▲7五角と引いた展開で5七の地点を補強してきました。

先手の駒で一番気になるのが3六の銀で、この銀が働けば先手良しで逆に銀が遊んだまま戦いが起きると後手良しという感じです。

後手としては3六の銀が働かないうちに戦いを起こしたいです。

実戦は△8五飛▲5七角で、ソフトの評価値-281で互角。

この手順の△8五飛は角取りで一番分かりやすい手ですが、▲5七角と引いた後に手がないとあまり意味がなさそうです。

対局中も指し方がやや単調だとは思っていましたが、手の組み合わせを考えると早指しではなかなか難しいようです。

ぼんやりした局面からどのように手を作っていくかというのが、その人の棋風やセンスみたいなところがあります。

△8五飛では△1五角がありました。

△1五角▲3八金△3五歩▲2七銀△3一玉で、ソフトの評価値-316で後手有利。

この手順の△1五角は△3七角成が狙いですので▲3八金は普通の受けです。

この1五の角が逆に追われるようになればまずいのですが、そこで△3五歩が継続手です。

先手の桂頭を狙う手で▲3五同銀なら△3六歩がありますので、先手は▲2七銀と引きます。

▲2七銀と引く形になれば銀を攻めに使うのは難しくなったので、この手のやりとりは後手が得をしたようです。

▲2七銀に△3一玉と引いたのが間合いを図った手で、後手は無理に攻めるのでなく玉の整備をします。

自分にとってこのような指し方が難しく、△3一玉ではつい△3六銀と打ちたくなるのですが▲2六銀と上がられると先手の銀が働いてきます。

このような展開になるとかえって後手が忙しくなるので攻め急ぎは禁物です。

△3一玉以下▲5八玉△4二角▲2九飛△5四歩▲4二角成△同金右で、ソフトの評価値-353で後手有利。

この手順も興味深いのですが、先手の▲5八玉~▲2九飛は自然な手で、自陣に手を入れて態勢を立て直します。

それに対して後手は玉の整備が完了しているので動きたいのですが、△4二角~△5四歩として角交換を目指すのが盲点です。

こういう大駒の交換というのはどちらにとっても怖い形です。

ただ気持ち的には先手の陣形で角を打ち込むスペースはありませんが、ここで先手の手番なのと▲6三角という手が気になります。

▲6三角△5五歩▲同歩△5六歩▲4八金△8四角▲4六銀△7四銀で、ソフトの評価値-1434で後手優勢。

この手順は▲6三角と打って▲9六角成が狙いですが、▲6三角に△7四銀と打てば▲7一銀から馬を作ってもたれるような指し方です。

自分はこのような相手の指し方が気になるのが多いのですが、ここからの後手の指し方は結構重要だと思っています。

▲6三角には△5五歩~△5六歩の垂れ歩が味がいいです。

先手は玉頭が薄いのでそこに照準を置くという感じです。

△5六歩には▲4八金△8四角▲4六銀と数の攻めには数の受けという展開ですが、そこで△7四銀とすれば先手の角が取られる形です。

こういう指し方を見ると▲6三角に後手は受けの手を考えるのでなく、攻める手を考えることで相手の持ち駒の銀を▲4六銀と打たせて最後に△7四銀というのがうまいです。

▲4六銀と打たせれば▲7一銀と打つことはできません。

角を大きく使って角交換を目指すのが参考になった1局でした。