あまり見ない攻め方で攻めを継続する

上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲6四同角と銀を取った局面。ソフトの評価値-497で後手有利。

6四の地点で銀交換になったのですが、ここで後手の手番です。

先手玉の配置から後手の持ち駒に桂馬があれば△5七桂という手がありますが、持ち駒は銀と歩です。

先手陣の駒が少しばらばらですが、対局中はぱっと見でいい手が見えませんでした。

しかし、ここで意外な攻め方がありました。

なお実戦は△4二玉でソフトの評価値-38で互角。

この△4二玉は5三の地点を補強する意味では普通ですが、評価値を見る限りはチャンスを逸したようです。

△4二玉がよくなかったのは、5七の地点を補強する意味で▲5八金と上がられると攻めるのが難しくなったようです。

こういう局面で、何か手がありそうと思うかどうかでだいぶ指し方が変わってきます。

△4二玉では△5七銀がありました。

△5七銀▲7五角△6六歩で、ソフトの評価値-378で後手有利。

この手順の△5七銀ですが、駒を取る手でなく次の狙いも分かりにくく、逆に取られそうな銀なので少し指しにくいです。

先手は▲7五角として銀取りで受けますが、そこで△6六歩がぎりぎりの突き捨てです。

△6六歩は筋ですが、次に△6七歩成としても▲同金で5七の銀が取られそうなことには変わりがないので少し心細いです。

銀だけでの攻めでは単調なので、何か別の駒を応援して手を作りたいです。

△6六歩以下▲同歩△1五角▲3八飛△3五歩▲2七銀△6七歩で、ソフトの評価値-463で後手有利。

この手順は△6六歩に▲同歩として銀取りを受けましたが、次に▲6七金で5七の銀が取られますので後手は忙しいです。

後手は△1五角と幽霊角に出るのが継続手で、先手は▲3八飛と受けます。

▲3八飛では▲3八金が形ですが、先手の飛車の横利きがなくなるので少し不安です。

よって▲3八飛としたのですが、△3五歩がうるさい攻めで攻め駒を責めるという手です。

桂頭は狙われやすく、▲3五同銀には△3六歩がありますので形は悪いですが▲2七銀と引いて辛抱します。

これで後手の手が続かないようですが、そこで△6七歩がぎりぎりの利かしです。

△6七歩に▲同金なら△3七角成▲同飛△8八飛成▲5七金△4五桂で、ソフトの評価値-2066で後手勝勢。

この手順は▲6七同金に後手は手がないようですが△3七角成が鋭く、▲同飛に△8八飛成とできます。

先手の飛車が2段目からずれると飛車が成れるのが盲点です。

△8八飛成に▲5七金と受けましたが△4五桂が飛車金の両取りの詰めろで後手勝勢です。

これらの攻めは後手はものすごい駒損ですが、先手玉の急所を突くと寄り形になります。

△6七歩に▲1六歩としても△3七角成▲同飛△8八飛成があり、▲同金なら△6八歩成で詰みです。

そのような意味で思ったより厳しい攻めです。

△6七歩に▲7九銀なら△6八銀成▲同銀△同歩成▲同玉△3六銀で、ソフトの評価値-544で後手有利。

この手順は▲7九銀と打って6八と8八の両方を受けたのですが、△6八銀成~△3六銀が重たい攻めでも確実な手で後手が指せているようです。

あまり見ない攻め方で攻めを継続するのが参考になった1局でした。

攻防の角で遠くから受ける

上図は、令和元年以前の対局から、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で、△7七歩成に先手が6八の飛車を▲6六飛とした局面。ソフトの評価値-285で互角。

後手はと金が出来たのは大きいのですが、飛車がまだ捌けておらず4五の銀が浮いた状態で、また先手からは▲5三桂成のような手があるので、結構忙しい局面だと思っていました。

本譜は以下△3三角▲5五角△7六歩で、ソフトの評価値+490で先手有利。

△3三角は▲5五角と合わせられて大変かと思っていましたが、他の指し手が浮かびませんでした。

△7六歩は次に△8六飛の狙いですが、この手が甘かったようです。

△7六歩には▲3三角成△同銀▲5三桂成で、ソフトの評価値+581で先手有利でした。

先手は次に▲4三成桂とするのが大きいです。

△3三角では△8七角がありました。ソフトの評価値-308で後手有利。

△8七角は少し浮かんではいたのですが、重たい感じで後手の飛車が活用しにくいので指せなかったです。

攻防の角で先手の動きをけん制しています。

△8七角に▲5三桂成なら、△5二歩▲4二歩△3一金で、ソフトの評価値-739で後手有利。

この展開は8七の角が受けによく効いています。

△8七角に▲6三角なら、△4四歩▲5三銀不成△7六と▲2六飛△6九角成で、ソフトの評価値-320で後手有利。

この展開は、先手の角と銀を活用する手順でまだ難しいですが、△6九角成で後手が金得なので、後手指せそうです。

攻防の角で遠くから受けるのが参考になった1局でした。

原始棒銀に飛車の横利きで受ける

上図、先後逆で相掛かりからの進展で▲3六銀と出た局面。ソフトの評価値+28で互角。

先手が原始棒銀に出た形で、ここで後手がどのように受けるかという局面です。

実戦は△3三桂と受けたのですが、ソフトの候補手にない手で互角のまま進みました。

ここでは意外と受け方が広いようで、いくつかあったのでこれを調べていきたいと思います。

原始棒銀は狙いが単純ですが、受け方を知らないとそれだけで後手はプレッシャーがかかり時間を使うことになりやすいです。

角の頭は狙われやすく角交換の形になれば△2二銀のようして3二の金と2枚で2三の地点を受けることができますが、角交換にならないと2三の地点は3二の金の1枚しか受け駒がありません。

先手は飛車と銀の2枚で攻めてきますので、数の攻めでは先手が上回っています。

そのため後手としては受け方に工夫が必要です。

1つは桂馬だけを使って▲2五銀とさせない受け方です。

先手が▲3六銀としたときに△3三桂と跳ねれば▲2五銀には△同桂とできます。

また飛車と桂馬を使って受ける形もあります。

▲3六銀以下△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8四飛▲2五銀△3三桂で、ソフトの評価値+13で互角。

この手順は△8六歩と歩を合わせて飛車先の歩を交換して△8四飛と4段目に引きます。

△8六歩と打って歩の交換をしなくて△8四飛と浮いても結果は同じです。

後手は飛車を4段目に引くのが大事で、▲2五銀の進出に△3三桂と跳ねて銀取りで受けます。

△3三桂に▲3四銀としても△同飛とできるのが飛車を4段目にした効果です。

この局面の△3三桂には▲3六銀が正着ですが、▲1四銀も少し気になります。

△3三桂▲1四銀△同香▲1五歩△同香▲同香△4五桂▲6八銀△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△1六飛▲1八香△3七桂成▲同桂△1七歩で、ソフトの評価値-1611で後手優勢。

この手順は▲1四銀と捨てて▲1五歩から攻めてきたのですが、後手は△同香~△4五桂~△8六歩が鋭いです。

後手は受けることばかりでなく桂馬や飛車を攻めに使うのがいい手で、盤面を大きく見ることが大事なようです。

また別の受け方で、2三の地点をこのままの形にして受け流すという受け方もあります。

▲3六銀以下△9四歩▲2五銀△8四飛▲2四歩△同歩▲同銀△4四角で、ソフトの評価値-27で互角。

この受け方は少し難易度が高いと思っています。

まず△9四歩ですが、ぱっと見で意味が分かりにくく1手パスのようにも見えます。

後手は△8四飛と浮いて4段目で飛車を使って受けたいので、4筋~7筋の歩を突きたくないということで、▲3四銀としても△同飛とすることができます。

そのため△9四歩と突いたのですが、先手は▲2四歩と攻めてきます。

そこで△同歩▲同銀△4四角が少しひねった受けです。

△4四角に▲2三銀不成なら△2七歩▲同飛△2六歩▲2八飛△2三金があります。

なお後手玉が5一にいるのがよく、△2六歩に▲3二銀成が王手になりません。

そのような意味では△9四歩と突くところでは△5二玉でも同じ意味の受け方です。

なお最後の局面図の△4四角に▲3五銀が気になります。

△4四角▲3五銀△同歩▲2一飛成△2三歩▲2四歩△1二銀で、ソフトの評価値-1092で後手優勢。

この手順は▲3五銀と捨てて▲2一飛成として銀と桂馬の交換で先手が龍を作る展開です。

▲2一飛成には△2三歩と打って▲2四桂を防ぐのがよく、▲2四歩と打っても△1二銀で龍が取られる形です。

また△2三歩では△2二銀打の受け方もあり、▲2四桂と打てば△4二玉▲3二桂成△同銀で先手の龍が取られます。

原始棒銀に飛車の横利きで受けるのが参考になった1局でした。

意外な受けの手から攻めに転じる

上図は、角換わりから後手棒銀の進展で△7七歩成とした局面。ソフトの評価値-62で互角。

先手が▲3五歩と突いた手に△7七歩成とした展開で、これから攻め合いになりそうな形です。

駒の損得はありませんが、お互いの攻め駒が玉の近くにいるので少し危険な形です。

このような局面で間違えて形勢を損ねると取り返しがつかないことがありますので、慎重になります。

実戦は▲3四歩△7八と▲2五桂で、ソフトの評価値-519で後手有利。

この手順は▲3四歩△7八と▲2五桂の一直線の攻め合いです。

自分の場合は、攻め合いのときは受けの手を指さずに攻めしか考えていない感じです。

受けの手がないため読みやすい手順で、これで勝ち切れば一番いいです。

先手は6一のと金と3四の歩と2五の桂馬がいて、さらに持ち駒に銀があるので部分的には攻めがうまくいっているように見えます。

実戦は▲2五桂に△6三金▲3三銀△5二玉▲3二銀不成△6一玉で、ソフトの評価値-386で後手有利。

この手順は△6三金とすると玉が急に広くなったような感じで、この手を軽視していました。

先手は▲3三銀~▲3二銀不成と金を取ることができましたが、大駒の飛車を角を使っていない攻めなのでやや細く2筋は攻めが渋滞しています。

ソフトは△6三金では△8八角を推奨していましたが、実戦的には後手玉は壁になっているので指しづらそうな感じです。

△6三金もソフトの候補手の1つで、こちらの方が人間の感覚に近い感じです。

先手は一直線の攻めを選択しましたが、あまりうまくいっていないようです。

ソフトは▲3四歩では▲7七同桂を推奨していました。

▲7七同桂△同桂成▲同金△同飛成▲3四歩で、ソフトの評価値-336で後手有利。

この手順は▲7七同桂としていったん受けに回る手です。

△同桂成とするとこの瞬間先手は桂損になり、▲同金△同飛成とするとこの瞬間は先手の金損になります。

△同飛成に▲3四歩と銀を取って駒割りは金と銀の交換ですが、後手の龍が先手玉の近くにいるので危ない形に見えます。

▲3四歩で後手の手番で、後手の龍が先手玉の近くにいてこの評価値だったのは意外でした。

このような展開は先手が全くだめというイメージがあったので驚きました。

先手の玉が危険なのと、後手玉にあまり攻めが効いていないと思っていました。

▲3四歩に△6六桂なら▲4九玉△6七龍▲2五桂打で、ソフトの評価値+264で互角。

この手順の△6六桂は玉のコビンから攻める手で、▲同歩なら△7六角▲6九玉△6七角成で、ソフトの評価値-3834で後手勝勢。

この手順は▲6六同歩に△7六角が厳しく4六に角がいるため先手玉に即詰みはありませんが、△6七角成とすると後手勝勢です。

よって△6六桂に▲4九玉と逃げるのですが、これが意外としぶとい形で4六に角がいるため△7九龍の王手ができません。

よって△6七龍としたのですが、▲2五桂打でこれが▲3三銀からの後手玉の詰めろになっています。

▲3三銀からは手数はかかりますが、清算して▲2五桂と3七の桂馬が跳ねて以下並べ詰みです。

後手玉に攻めがあまり効いていないと思っていましたが、▲2五桂打とすることで詰めろになる攻め方は気がつきませんでした。

▲3四歩以下△8八龍▲4九玉△9九龍▲7九歩で、ソフトの評価値-442で後手有利。

この手順は△8八龍~△9九龍と香車を取る攻め方で、これは駒を補充する自然な攻めですが、▲7九歩と4六の角の利きを使って受ける手があり、先手が苦しいながらもまだ粘りのきく将棋です。

意外な受けの手から攻めに転じるのが参考になった1局でした。

角と銀を使って高美濃を攻略する

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲8一龍と桂馬を取った局面。ソフトの評価値-1125で後手優勢。

この展開は数手前に後手が△8六歩▲同歩△同角▲8八飛△7七角成▲8二飛成△6六馬に▲8一龍とした形です。

昔読んだ将棋の本などによくある手順で、駒割りは角銀と飛桂の交換で形勢は居飛車側が有利で終わっていることが多いです。

本局は駒の損得は同様で、先手の高美濃に対して後手は4枚穴熊で固いので後手優勢のようです。

またここで後手の手番というのも大きいです。

当時、自分は将棋の本で本局に似た展開をみたとき、この後どのようにして居飛車が手を繋いでいくかがよく分かっておらず、居飛車側が有利といっても何となくしっくりこないという感覚を覚えています。

たまたま実戦で似たような展開になったので、この後の指し手を調べようという気になりました。

ソフトで評価値が1000以上の差がある場合は、かなり形勢に差が開いているという実感ですが、それを実戦で具体的な手順で示すというのが毎回難しいです。

実戦は△6七角だったのですが▲5八桂△9九馬で、ソフトの評価値-986で後手優勢。

この手順は△6七角と打って次に△5八銀を狙いましたが、先に▲5八桂と先着され△9九馬と香車を取る展開です。

この後は先手からも▲9一龍と香車を取れそうで、後手からも△8九馬と桂馬をとれそうで、トータル的な駒割りは後手の銀得になりそうです。

こういう展開もありそうですが、先手玉への攻略がいまひとつ見えないので方針が決めづらいです。

先手から2枚飛車で攻められる可能性もあるので。それに対抗する手の精度が必要です。

なお△6七角はソフトの候補手の1つでそこまで悪くはなかったようですが、ソフトは△6九角を推奨していました。

△6七角では△6九角がありました。ソフトの評価値-1060で後手優勢。

この手順は△6九角と打って4七の金を狙う形です。

後手の攻め駒は、角2枚と持ち駒の銀の3枚なのでこれだけではやや心細く、ここからの指し手が気になります。

△6九角に▲9一龍なら△5八銀▲4八金引△4九銀成▲同金△5八金▲3九金△3五歩で、ソフトの評価値-1275で後手優勢。

この手順の▲9一龍は香車を取る手で、香車は受けに役立つ場合もあるので価値の高い手です。

後手は△5八銀と打つのが急所で、相手の守り駒の金を攻めて盤上から少なくするのがいいようです。

守りの金がいなくなると先手玉は少し弱く見えます。

△5八銀に▲4八金引と粘りに△4九銀成~△5八金がいも筋ですがうるさいようです。

△5八金も相手の守り駒の4九の金を攻める展開で、金で相手の金を攻めるという少し分かりにくい形ですが、これも相手の金が盤上からなくなると先手玉が弱くなるという考えです。

△4九金に▲3九金と逃げて、6九の角が5八の金のかげに隠れて少し活用しにくい形ですが、そこで△3五歩が継続手です。

先手の桂頭を狙う手で、このように歩が使った攻めができると厚みが増して攻めが切れなくなります。

△3五歩以下▲2五桂△3九馬▲同玉△4八金打▲2八玉△3八金▲同玉△5七金▲3九桂△3六角成▲2六銀△4六馬▲8二角△同角▲同龍△4六角▲8七龍△8六歩▲7七龍△6八銀で、ソフトの評価値-1615で後手優勢。

この手順は少し難しいですが、▲2五桂の早逃げに△3九馬から守りの金を取るのが鋭いです。

後手も攻め駒が少なく細い攻めを繋ぐ感じですが、先手玉もすかすかなので攻めが切れなければいいという考えのようです。

角と銀を使って高美濃を攻略するのが参考になった1局でした。

細い攻めで手を繋ぐ

上図は、相雁木からの進展で△4五同歩と桂馬を取った局面。ソフトの評価値+580で先手有利。

4五の地点で桂馬の交換となった展開で、ここから先手がどう指すかという局面です。

対局中は後手の8四の銀が立ち遅れているので、この銀が働かないうちに手を作りたいと思っていました。

先手の持ち駒に角と歩があって、後手の飛車が8二にいる形なので先手は3筋か4筋から手を作りたいです。

最初は▲4四歩が見えて△同銀なら▲7一角で調子がいいのですが、△5二銀と引かれた後の指し方が分からなかったので▲3五歩としました。

実戦は▲3五歩△7五歩▲4四歩△5二銀▲3四歩で、ソフトの評価値+700で先手有利。

この手順の▲3五歩に△同歩なら▲7一角△7二飛▲3五角成△3四歩▲4五馬△4四歩▲4六馬△3五角▲同馬△同歩▲1五歩で、ソフトの評価値+1067で先手優勢。

この手順は先手に馬が出来る展開で、後手は△3四歩~△4四歩~△3五角で先手の馬を消しますが▲1五歩と端に手をつけて先手優勢のようです。

こういう展開でも自分の棋力ではまだ実戦的には難しいと思いますが、ソフトの感覚ではかなり形勢に差が開いているようです。

よって後手は▲3五歩に△7五歩と攻め合いにきましたが、▲4四歩~▲3四歩と2枚の歩の圧力が大きく先手有利のようです。

なお、最初の局面で▲3五歩と指すのはソフトの候補手の1つでこれも有力だったのですが、ソフトは▲4四歩を推奨していました。

▲3五歩では▲4四歩がありました。

▲4四歩△5二銀▲3五歩△同歩▲1五歩△同歩▲5七桂で、ソフトの評価値+566で先手有利。

この手順はきめ細かくて、実戦ではかなり指しにくい手です。

持ち時間がたくさんあって攻めることに専念すれば浮かぶかもしれませんが、自分の場合は多分無理です。

対局中は▲4四歩に△5二銀で読みを打ち切りましたが、△5二銀の後に▲3五歩から攻めるのが盲点です。

おそらくソフトや強い人などは、ちょっと無理というところでもその先を考えて指せると思ったら踏み込むところがありそうです。

そういうところが棋力とか才能の違いということになります。

3筋の歩から1筋の歩を突き捨てて▲5七桂と自陣に桂馬を打つのが鋭いです。

先手の理想は▲4五桂と歩を取ってから▲3三歩と叩くイメージです。

▲5七桂以下△8五銀▲4五桂△2一桂▲5五歩△8六歩▲同歩△同銀▲5四歩△8八歩▲5三歩成△8九歩成▲6九玉で、ソフトの評価値+866で先手優勢。

この手順は▲5七桂に遊んでいる銀を活用する△8五銀で、この銀が働かないと勝負にならないという感覚です。

▲4五桂に△2一桂と受けて次の手が難しいのですが、▲5五歩と力をためます。

この▲5五歩も結構難しい手で、△同歩なら▲5四歩で先手の攻めが早くなります。

よって後手は手抜きで△8六歩から攻め合いにいきます。

▲同歩△同銀▲5四歩に△8八歩がうるさいのですが、手抜きで▲5三歩成が鋭く△8九歩成に▲6九玉と逃げて先手優勢です。

このあたりの指し方も結構難しく、桂馬を取られてと金を作られても▲6九玉逃げれば右側が広いという感覚です。

細い攻めで手を繋ぐのが参考になった1局でした。

後手銀損の棒銀の受け方

上図は、令和元年以前の対局から、角換りの進展の変化手順で、後手が△8六歩から歩を交換して先手が▲8七歩と打った局面。ソフトの評価値-198で互角。

実戦は、4八の銀が早めに▲4七銀としたので、この局面は変化手順です。

後手が棒銀にした手に先手が7七の銀を▲8八銀として銀交換を避けた受け方ですが、ここで△8七同銀成の筋が以前から気になっていました。

4八の銀が先手の2八の飛車の横効きと止めているので、この瞬間が少し怖い形です。

▲8七歩△同銀成▲同金なら、△7八角▲9八角△6七角成▲5八金△7六馬で、ソフトの評価値-232で互角。

この手順は、後手が銀損ですが馬を作って先手は▲9八角と受け一方の手を指して歩切れなので互角とはいえ、後手が少し指しやすそうです。

▲8七歩△同銀成▲同銀△8六歩▲同銀△同飛▲8七歩△8二飛で、ソフトの評価値-204で互角。

この手順は、先手は銀得で頑張って受けるのは危険と思って、やむを得ず銀交換したのですが、互角とはいえ後手の手が通った感じです。

やはり攻めの銀と守りの銀を交換すれば、攻めている方が得をしている感じです。

▲8七歩△同銀成▲同銀△8六歩▲9八銀△8七角▲6九角で、ソフトの評価値-69で互角。

この手順は、△8六歩に▲9八銀と踏ん張った手で△8七角に▲6九角と受けます。

この▲6九角が少し受けづらい手です。

▲6九角に△7六角成なら▲4七銀で、ソフトの評価値-105で互角。

この手順は、後手は銀損しても馬を作って少しゆっくり指す手ですが、意外といい勝負のようです。

▲6九角に△7八角成▲同角△8七金なら、▲6九角△9八金▲同香△8七歩成▲5六角で、ソフトの評価値-148で互角。

この手順は後手角損ですが、と金を作った手に先手が▲5六角が気が付きにくい受け方で、次に▲8三銀を狙っていい勝負のようです。

後手の棒銀の受け方が参考になった1局でした。

原始棒銀に△3三桂と受ける展開

上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲3六銀と出た局面。ソフトの評価値+28で互角。

相掛かりでたまに見られる原始棒銀で、銀を使って2筋を突破する狙いです。

狙いは単純ですが、受ける方はしっかり受けないと銀が捌かれ飛車が成られてしまうことがあります。

相掛かりを指す人は少ないのでなかなかこの戦型にならないのですが、自分はこの形の受け方をあまり知りません。

昔読んだ将棋の本では局面は省略しますが、後手が△8四飛~△3三角の形で受けて、先手が▲2五銀と出れば△2二銀と上がって▲2四歩に△3五歩と突いて、以下▲2三歩成△同銀▲2四歩△同銀▲同銀に△同角か△同飛でもどちらでも後手有利だったと記憶しています。

プロの実戦でこのような展開を自分は見たことがないので、やはり後手がいいのだと思います。

ただし、実戦はちょっとした形の違いや手順の違いなのでそのような形にならないことも結構あり、その場で受け方を考えるということも多いです。

本局では▲2五銀と出させないために△3三桂と跳ねて受けました。

なお△3三桂はソフトの候補手にはありませんでした。

実戦は△3三桂▲6八銀△6四歩▲4六歩△6三銀▲4七銀△4二銀▲3六歩△4四歩▲3五歩で、ソフトの評価値+72で互角。

この手順の△3三桂という受け方は先手の銀の進出は抑えることができますが、後手の角が使いづらくなります。

また後手の3三の桂頭を狙われやすい形になるのでやや受け身になります。

実戦も先手が桂頭を狙う形で、それに対して後手の受けが1手遅れたようです。

▲3五歩に△同歩は▲3四歩で桂馬が取られますので△4三銀と受けるしかありませんが、対局中は後手の受け方が失敗したと思っていました。

しかし、評価値を見るとそこまで悪くないので少し意外でした。

先手の攻めが軽いのと、居玉で反動がきついということこもしれません。

実戦は▲3五歩以下△4三銀▲3四歩△同銀▲3五歩△4三銀▲3八飛でここで変化手順で△4五歩で、ソフトの評価値-4で互角。

この手順は先手はシンプルに3筋の攻めを継続した展開で、▲3四歩~▲3五歩~▲3八飛として次に▲3四歩△2五桂▲2六歩で桂馬を取る狙いです。

後手は受けが1手遅れたため難しいようですが、ここで△4五歩の反発がありました。

このような手が自分はなかなか見えないのですが、受け方を失敗すると後手は駒損になりやすいのでぎりぎりの反発です。

△4五歩に▲3四歩なら△2五桂▲5六歩△3七歩▲2八飛△4六歩▲同銀△4二飛で、ソフトの評価値-289で互角。

この手順は先手は何とかして後手の桂馬を取り切りたいという手に対して、後手は桂馬を取られる前に何とか手を繋いていきたいという流れです。

▲5六歩は将来の△5五角を防いだ手で、これで後手が手が続かないようでも△4六歩~△4二飛の飛車の転換でいい勝負のようです。

こういう展開になると先手も反動がきつく、軽い攻めだけでは面白くなさそうです。

軽い攻めはうまくいけば手数がはぶけていいのですが、相手の受けがうまいと簡単にはいかないようです。

よって、将棋は地味な駒組みをして厚みを作ってから動くというのが多いようです。

原始棒銀に△3三桂と受ける展開が参考になった1局でした。

受けに回って形勢を維持する

上図は、角換わりから後手棒銀の進展で△6五桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+393で先手有利。

7三の桂馬が△6五桂と跳ねて次に攻める形を作ったのと同時に△7一飛として、と金を取る手も狙っています。

先手としてはと金を取られるのは痛いので、と金を動かすことになります。

実戦は▲6一と△8六歩▲3五歩△8七歩成▲同銀△8六歩▲9六銀△8四銀で、ソフトの評価値+26で互角。

この手順の▲6一とは相手玉にと金を近づけるという手で、相手玉が狭くなり終盤になると寄せに役立つ可能性があります。

攻めに意識していると▲6一とになるのですが、本局ではソフトの推奨手ではありませんでした。

先手の銀が▲9六銀と形の悪い銀になったのですが、後手が△8四銀と引いた形が次に△7七歩成が厳しいです。

△7七歩成を受けるのであれば▲5五角としますが、△5四歩▲6六角で先手が耐えられるかどうかという形になります。

どこかで先手は攻めたい形ではありますが、6六の角がいなくなると△7七歩成が厳しく反動がきついです。

そのような意味で先手からは動きにくいです。

最初の局面でソフトの推奨手は反対側にいく▲8一とでした。

▲8一と△8六歩▲9一と△8七歩成▲同銀△8六歩▲9六銀△8四銀▲7九香で、ソフトの評価値+512で先手有利。

この手順の▲8一とは相手玉の反対側にいきますが、後で▲9一とで香車を補充する手です。

▲9一とという形になればこれ以上と金の活躍は難しくなりますが、香得という駒得を重視した手です。

後手は△8六歩と合わせて攻めた手に▲同歩なら△同銀で相手の銀が働いてきますで、▲9一ととします。

後手は△8七歩成~△8六歩で先手は▲9六銀と形が崩れますがやむを得ないようです。

△8四銀と引いた手は次に△7七歩成を狙っていますが、そこで取った香車を▲7九香と受けに使います。

この▲7九香という手が自分の感覚だと少し見えにくいです。

自分の場合だと香車は2筋とか3筋の攻めに使いたいというのが浮かぶのですが、受けるところはしっかり受けるというのが大事みたいです。

▲7九香のような受けは打たされたという感覚もあるのですが、香得しているので受けに使っても問題ないようです。

▲7九香と1枚受け駒を増やすと先手からは攻めることが可能になります。

▲7九香以下△9四歩▲6六歩△9五歩▲同銀△同銀▲同香△8五角▲9七桂△7七歩成▲8五桂△7八と▲6五歩△7九と▲4九玉△7八飛成▲3八玉で、ソフトの評価値+536で先手有利。

この手順は▲7九香に△9四歩として8四の銀を活用する手です。

ここからの先手の構想に驚いたのですが、先手は攻めるのではなく受けに回ることで形勢を維持するということです。

△9四歩に▲6六歩と桂取りで催促するのですが、先手の玉のコビンをあけて少し危険なような感じもします。

感覚的に▲6六歩は少し指しづらいと思うのは、どこかで△8五角としたときに△7七歩成の開き王手の筋があるからです。

本局の変化手順では△8五角に▲9七桂と盤上の桂馬を活用して受けるのがうまく、△7七歩成以下に▲8五桂~▲6五歩と相手の攻め駒を取ります。

後手も△7九と~△7八飛成として龍を作って勝負形ですが、先手も▲4九玉~▲3八玉と右玉にして受けるのがすごいです。

自分はこのような指し方はなかなかできないのですが、攻めるだけでなく受けばかりを指しても形勢を維持することができるようです。

決して簡単な局面ではありませんが、駒割りは角桂と金の交換で先手が少し駒得で指せているようです。

受けに回って形勢を維持するのが参考になった1局でした。

自玉の詰めろを消す手を考える

上図は、後手ゴキゲン中飛車に先手▲3七銀型の超速からの進展で△8一玉とした局面。ソフトの評価値-1179で後手優勢。

▲9三香成と王手をしたときに8二の玉が△8一玉と引いた展開です。

後手玉は金駒あれば詰みですが、先手の持ち駒は歩だけですので詰みません。

先手玉は後手の角と2枚の桂馬がよく利いており、後手の持ち駒も銀が3枚と桂馬と香車があり豊富です。

対局中は先手玉が詰めろになっていてもおかしくはないと思っていましたが、正確な詰み手順が見えなかったので▲8三銀成と後手玉に詰めろをかけました。

実戦は▲8三銀成△6八桂成▲同金△6七歩成▲同金△8七金で、ソフトの評価値-99984で後手勝勢。

この手順は▲8三銀成として後手玉に詰めろをかけてプレッシャーをかけたのですが、後手は詰み筋が分かっているとそんなに怖くありません。

後手は△6八桂成と金を取って△6七歩成~△8七金として先手玉が詰み筋に入ったようです。

実戦は△8七金以下▲6九玉△7八銀▲5九玉△5八銀▲4八玉△4七銀打▲3九玉△3八香まで詰みです。

この手順は並べ詰みのようなところはありますが、後手も豊富な持ち駒を使って詰まし上げる形で、思ったより少し難しい手順だったようです。

変化手順はありますが、後手の角の利きがよく詰んでいるようです。

本局の先手の問題は2つあって、1つは△8一玉とした局面は先手玉の詰めろになっていると読み切れていないということです。

ただこれは詰むか詰まないかという〇か✕の話で、結果として間違っていましたが、ある意味自分の棋力で考えて指し手を決めたので納得する面もあります。

ただもう1つの、先手玉が詰めろになっているかあやしいと思ったら、詰めろを回避するような手順を考えるのは可能だったのではと思います。

後手玉が全く詰まない形であれば、先手玉の周辺を見ることになりますので、短い時間でも考えることはできたと思われます。

このあたりの局面の見方が少し甘かったと思います。

▲8三銀成では▲7五銀がありました。

▲7五銀△同歩▲8四桂で、ソフトの評価値-710で後手有利。

この手順は▲7五銀と桂馬をはずして△同歩に▲8四桂と打つ形です。

後手はどこかで8七の地点に金駒を打って先手玉を下段に落として寄せきりたいという形なので、7五の桂馬を取るというのは自然な手です。

7五の桂馬がいないと先手玉の寄せが少しが分かりにくいです。

▲8四桂と逆に後手玉に詰めろをかけて、先手としても少しだけ希望がでる展開です。

▲8四桂以下△6二金▲8三成桂△6三銀で、ソフトの評価値-902で後手優勢。

この手順は△6二金に▲8三成香として再度詰めろをかけた形ですが、△6三銀と1枚受けに利かせる形で後手優勢のようです。

元の将棋は先手が悪いので仕方ありませんが、最初の局面ではもう少し先手は粘ることはできたようです。

なおソフトは△7五同歩とする手では△6八桂成▲同金△7六銀を推奨しており、ソフトの評価値-951で後手優勢とのことですが、後手は金駒を渡すと9二から打って詰みますのでとても指しにくい手順です。

自玉の詰めろを消す手を考えるのが参考になった1局でした。