高美濃を攻略する▲5二銀

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△9五歩と突いた局面。ソフトの評価値+2013で先手勝勢。

駒割りは飛車と角香の交換で先手が少し駒得しており、後手は4八の成銀と2六の桂馬があまり働いておらず少し重たい形です。

守り駒はお互いに金駒3枚ずつでいい勝負です。

後手が△9五歩と突いた形で先手としては一番嫌な筋ですが、まだ先手玉に迫るのには手数がかかるのでこの瞬間に後手陣を攻めたいです。

先手は4四の馬が攻防に利いており、この馬をどのように活用するかがポイントです。

対局中はいい勝負かと思っていたのですが、先手勝勢だったのは気がつきませんでした。

こういう局面の形勢判断が難しく、後手は高美濃3枚でしっかり囲っているのに対して先手の攻め駒は4四の馬と持ち駒ということで攻略が簡単でないように見えます。

先手の持ち駒に飛車があればいいのですがありませんので、後手陣のどこを攻めたらいいのかが気になります。

先手勝勢ということは局面の形勢は大差ということですが、厳しく攻めるのか確実な攻めをするのかの方針を立てる必要があります。

実戦は▲3五角だったのですが、ここから変化手順で△8四歩で、ソフトの評価値+1467で先手優勢。

この手順の▲3五角は▲7一銀と打って攻めを継続する狙いで、△7三玉なら▲8五桂△8四玉▲8二銀成と確実に攻めるつもりでした。

ただし変化手順ですが△8四歩と受ける手があり、▲8五桂を消されると先手も少しあせります。

▲2六角と桂馬を補充する手はありますが、△5八成銀▲同金△同龍でソフトの評価値+1689で先手優勢。

この展開も悪くはなさそうですが、局面がぼんやりして争点が分かりにくいです。

最初の局面の▲3五角では▲5二銀がありました。ソフトの評価値+1879で先手優勢。

この手順は▲5二銀とただで銀を捨てる手ですが、決めに出るときは厳しく攻めるという手です。

慌てて攻める必要はなさそうでも局面が長引くと間違いやすくなります。

ソフトはこれで攻めきれると判断しているようです。

▲5二銀に△同金なら▲7一角△7三玉▲8五桂△8四玉▲8六香で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順は見たときに少し驚いたのですが、最後の▲8六香で後手玉がほとんど受けなしです。

この▲8六香がうまい手で、次に▲9三桂成の開き王手を狙っています。

▲8六香に△9六歩なら▲9三桂成△9五玉▲6二馬△7三桂▲5二馬で、ソフトの評価値+99989で後手玉は受けがありません。

この手順は少し難しいですが、△9五玉の形に▲8五金の詰みをイメージした攻め方です。

▲5二銀に△6二金引と受けて以下▲6一銀成△同金と進み、ここで先手がどう指すかです。

△6一同金以下▲5一金として、△同金なら▲7一角△7三玉▲8五桂△8四玉▲6二角成△同金▲同馬で、ソフトの評価値+5020で先手勝勢。

▲5一金に△7一金なら▲5三角で、ソフトの評価値+3981で先手勝勢。

▲5一金に△3一飛なら▲6一金△同飛▲6二金△同飛▲同馬△6一金▲6三香△7一金打▲4一飛で、ソフトの評価値+3538で先手勝勢。

手順は長くなりましたが、これらの手を見るとやはり後手は受けが難しいようです。

やはり▲5二銀は見た目以上に厳しかったようです。

高美濃を攻略する▲5二銀が参考になった1局でした。

中段飛車で受ける

上図は、令和元年以前の対局から、先後逆で相穴熊からの進展で先手が▲4一銀とした局面。ソフトの評価値-892で後手優勢。

対局中は、この手で逆転されたのかと思っていたのですが、後から評価値を見るとまだだいぶ後手が優勢なのが驚きました。

このあたりは、形勢判断があまりうまく出来てなかったです。

本譜は△3一金▲3二銀打で、ソフトの評価値-810で後手有利。

△3一金と引いた手は自然な手だと思っていたのですが、▲3二銀打で先手が喰いついた形になりました。

ここからは駒の打ち換えがあって、部分的な手の流れは覚えているのですが、なぜか手順が思い出せませんでした。

手順が思い出せないということは、終盤で時間がないので仕方がないとはいえ、あまり余裕を持って対局できないない感じです。

△3一金では△4二金があったようです。

△4二金▲3二銀打△3七歩成▲同桂△3五飛で、ソフトの評価値-760で後手有利。

△4二金は▲3二銀打に取られない形で逃げた手です。

▲3二銀打に△3七歩成を利かせてから、△3五飛と中段飛車で受ける形です。

△3七歩成を入れたのは、将来△3八歩と攻める手や△3一歩と守る手を用意した手です。

また△3七歩成を入れておかないと、先手玉が全く見えない感じです。

△3五飛も攻防の1手で、実戦的にはまだ大変ですが、手の流れからでは、先手が勝ってもおかしくない感じです。

△3五飛以下、▲3三歩△3一歩▲4五金△3二歩▲3五金△3三角で、ソフトの評価値-850で後手優勢。

何とか後手が残しているように思えますが、やはり穴熊は喰いつかれたら振りほどくのが大変です。

中段飛車で受ける△3五飛が参考になった1局でした。

最終盤で攻防手を指す

上図は、先後逆で立石流四間飛車からの進展で△3七銀打とした手に3八の玉が▲4七玉と上がった局面。ソフトの評価値-2028で後手勝勢。

一見簡単に詰みそうな先手玉ですが、7三に馬がいるため即詰みはないようです。

また後手玉は一見即詰みがなさそうに見えても、次に▲3二龍△5三玉▲4三金△同歩▲6二龍までの詰めろになっているので油断できません。

そのような意味で、これら敵陣と自陣を短い時間で見極めるのは意外と大変です。

このようなときに持ち時間がたくさんあれば、攻防手で後手玉の詰めろをほどきながら先手玉に迫るような手を考えるのが可能でしょうが、だいたい最終盤は時間がないことがほとんどです。

結局、最終盤は直感ということになります。

対局中は後手玉が詰めろになっていることは見えておらず、先手玉だけを見ていました。

実戦は△4六銀打▲同馬△同銀成で、ソフトの評価値-773で後手有利。

この手順は△4六銀打として7三の馬を消しました。

それにより後手玉の詰めろはなくなったのですが、今度はこれで先手玉が寄るかどうかという展開です。

実戦は△4六同銀成に▲同玉としたため、△2八角▲4七玉△3七銀成▲4六玉△5五角までとなりましたが、以下▲同歩なら△同龍で詰みです。

この展開だと△4六銀と打った手で問題ないと思われがちですが、以下△4六同銀成には▲4八玉と逃げれば即詰みはなくもう一勝負という感じでした。

最初の局面で△4六銀と打った手は候補手の1つではありましたが、あまりいい手ではなかったようです。

最終盤の指し手の精度は重要で、1手ぬるい手を指すと振り出しに戻るということがよくあるのでこういうところを強くなりたいのですが、これが簡単ではありません。

考えることが多いのに対して、持ち時間が少ないのと考えるスピードが追いつかないからです。

△4六銀打では△5五桂がありました。ソフトの評価値-3269で後手勝勢。

この手は△5五桂とただで桂馬を捨てる手ですが、7三の馬の利きを止めるという意味です。

△5五桂に▲同歩なら△4六銀打▲5六玉△5五歩▲4五玉△3三桂まで詰みです。

△5五桂に▲同馬なら△同角で、以下▲同歩なら△4六銀打▲5六玉△5五龍まで詰みです。

また△5五同角は△4六銀打までの詰めろです。

△5五桂▲同馬△同角▲4四歩△同玉▲4二龍△4三歩▲4六歩と粘ります。

▲4六歩以下△3八角▲同金△同銀不成▲4八玉△4七銀打▲同銀△8八龍▲6八桂△4七銀成▲同玉△5七金▲3八玉△3七銀打▲同桂△同桂成▲2九玉△7九龍▲3九香△同龍▲同玉△4八金▲2九玉△3八金▲1八玉△2八金まで詰みです。

この手順も並べ詰みのようなところはありますが、随所に難しい手もあり実戦で指すのは結構大変です。

△5七金に▲同金なら△同桂成▲同玉△7七龍の筋で、▲6七香に△6六角とすれば以下詰みです。

このような終盤力があればいいのですが、実戦では難しいような気がします。

自分ができることは、このような手順を少しでも頭の中で理解できるように訓練するしかなさそうです。

詰将棋とは少し違うような実戦の詰み手順の感覚を身に着けたいです。

最終盤で攻防手を指すのが参考になった1局でした。

飛車をずらして▲8二角から駒得を目指す

上図は、角換わりから後手棒銀の進展で△7五銀と出た局面。ソフトの評価値+433で先手有利。

後手の銀は7二→8三→8四の棒銀から→7筋の歩を交換して7五→6四としてまた△7五銀と出た形です。

7筋の歩の交換に対して先手は2筋の継ぎ歩をして対抗する形で、部分的にはよくあります。

最後の△7五銀と出たのはぱっと見で意味が分かりにくいのですが、どこかで△2四銀とか△2四飛を含みにしているようです。

ただし、現状では△2四銀には▲5七角が銀の両取りになります。

また△2四飛は▲同飛△同銀で先手に手番が回るので選びにくいです。

ただし、ここで先手の手番でも方針を決めるのが難しいと思っていました。

なお、△7五銀に▲1四歩はありそうですが、△同歩▲1二歩△同香▲2三角△同歩▲同歩成△2四歩で、ソフトの評価値-378で後手有利。

この筋は部分的にはありそうですが、△2四歩と局面が落ち着くと後手有利のようです。

実戦は▲4六角だったのですが、△6二金ならソフトの評価値+30で互角。

この手順は▲4六角として将来の△2四銀や△2四飛を防ぎつつ▲7三角成を狙った手です。

4筋の位を取っているので▲4六角というのは攻防の角て打ってみたい形ですが、△6二金と寄られる後に手があるかどうかです。

△6二金以下▲2五桂△2四銀▲1三桂不成△同銀▲5七角△7四飛▲1四歩△同銀▲同香△同飛▲7五角△1八飛成で、ソフトの評価値-691で後手有利。

この手順は△6二金に▲2五桂と跳ねて端を狙ったのですが、先手が駒得でも飛車を成られる展開は少し無理みたいです。

なお、実戦は▲4六角に対して△7四飛だったので▲7二歩と打ってソフトの評価値+72で互角。

これは次の▲7一歩成が受けにくいです。

変化手順の△6二金は▲7二歩を防いでいる意味もあり、△6二金とすれば先手も方針を決めるのが難しかったようです。

最初の局面の▲4六角では▲7四歩がありました。

▲7四歩△同飛▲8二角で、ソフトの評価値+366で先手有利。

この手順の▲7四歩は後手に△同飛で飛車を8筋からずらして▲8二角と打つ手です。

横歩取りや相掛かりで▲8二角のような手はあり、▲9一角成から馬が活用できる展開になれば先手の理想です。

ただし、この瞬間に後手の手番なので暴れてくる可能性があります。

▲8二角以下△6五桂▲9一角成△7七歩成▲同桂△同桂成▲同銀△7六歩▲6八銀△8六歩▲5五馬で、ソフトの評価値+1121で先手優勢。

この手順の△6五桂は普通の手ですが、先手は▲9一角成と香得をして最後の▲5五馬と中央に引いて先手優勢のようです。

▲8二角以下△8六歩▲9一角成△8七歩成▲同銀△8六歩▲9六銀△7七歩成▲同桂△同桂成▲同金△6五桂▲9二馬△6四飛▲7八金で、ソフトの評価値+1005で先手優勢。

この手順の△8六歩は攻めに銀を参加させようとする手ですが、この場合も▲9一角成があります。

△8七歩成~△8六歩も厳しいのですが、▲9六銀が形にとらわれない受けのようで。桂馬を交換してから△6五桂には▲9二馬~▲7八金で先手優勢です。

▲8二角以下△7七歩成▲同銀△6五桂▲9一角成△7七桂成▲同金△8八歩▲9二馬△6四飛▲6五香△5四飛▲4六桂△2四飛▲同飛△同銀▲7四馬△2九飛▲7五馬で、ソフトの評価値+883で先手優勢。

この手順は△7七歩成▲同銀△6五桂とスピードアップする手で、この手に対しても▲9一角成とします。

後手も△7七桂成~△8八歩と厳しく攻めますが、▲9二馬から後手の飛車を狙って飛車交換の激しい展開も先手が指せているようです。

飛車をずらして▲8二角から駒得を目指すのが参考になった1局でした。

あまり見ない受け方で受ける

上図は、後手ゴキゲン中飛車に先手▲3七銀型の超速からの進展で△6四桂を打った局面。ソフトの評価値-306で後手有利。

駒の損得はないのですが、後手は6筋の位を取った形で△6四桂と打ったのが味がいいです。

位を安定させてかつ攻め駒の桂馬を打つことで、攻めの幅が広がってきます。

こういう手が指せると気分がいいのですが、逆に先手の立場としては次の手が難しいです。

△6四桂に▲3五歩なら△8五桂▲8六銀△8八角成▲同玉△7六桂で、ソフトの評価値-911で後手優勢。

この手順はうまくいきすぎですが、▲3五歩には△8五桂が気持ちがよく▲8六銀と逃げると△8八角成~△7六桂の王手金取りです。

中盤の駒の動きが少ない戦いで、桂馬で守りの金を取られるのはだいたい形勢が悪くなります。

対局中は、これを防ぐ手もぱっと見で浮かびませんでした。

実戦は△6四桂以下▲5八金引△8五桂▲8六歩△7七桂成で、ソフトの評価値-488で後手有利。

この手順の▲5八金引は△5六歩の叩きの歩を事前に受けた手ですが、それでも後手は△8五桂と跳ねてきます。

先手は▲8六銀と逃げると△8八角成~△7六桂の筋があるので、銀を逃げることはできません。

よって▲8六歩と催促して△7七桂成と進みます。

守りの銀と桂馬を交換になるのは少しつらいですが、仕方ない展開です。

実戦は△7七桂成▲同角△6六歩で、ソフトの評価値-410で後手有利。

この手順は角交換してから△6六歩と突くのがこれも味のいい手で、普通は△7七同角成とするのですが、あえて6筋のの歩を突いて先手の玉のコビンをあける手です。

△6六歩に▲同角なら△同角▲同歩△5六角の王手飛車の筋があり、また▲6六同歩なら△7五歩と先手の角頭を狙う形です。

後手の持ち駒に銀が2枚あるので、△7五同歩なら△7六銀▲8八角△8七銀打のような筋で角が取られてしまいます。

こういう展開になると後手がたくさん指したい手があり、先手としてはつらいです。

▲5八金引では▲5六桂がありました。

▲5六桂△同桂▲同金△6四桂▲5五金で、ソフトの評価値-341で後手有利。

この手順は▲5六桂と合わせる手で、この手は全く見えませんでした。

後手は△同桂と取って▲同金に再度△6四桂と金取りに打ってきます。

△6四桂に▲5七金引とすると先手は何をやっているのかさっぱり分かりませんが、▲5五金と出るのが意表の一手です。

こういう受け方というのはあまり見たことがありません。

4六に銀がいるので▲5五金がただで取られることはありせんが、それで後手の角の利きを止めています。

▲5五金に△8五桂なら▲4四歩△7七桂成▲同角△7六桂▲5八金で、ソフトの評価値-478で後手有利。

この手順は▲5五金に△8五桂と跳ねる手でこれも気持ちがいい手ですが、先手は▲4四歩と後手の角道をさらに止めます。

後手の△7七桂成に▲同角が次に△7六桂が金取りになるので少し指しづらいのですが、そこで▲5八金と逃げる形です。

後手の7六の桂馬が簡単に取れる形ではないので先手は制約が多いのですが、後手もこの局面から決めようとなるとまだ駒不足で簡単ではありません。

このような先手の展開は受け一方でつらいイメージですが、評価値を見るとそこまで悪くはなっていないようです。

不利くらいの範囲であれば、相手が甘い手を指せばすぐに互角になるような形勢ですのでまだこれからの将棋です。

あまり見ない受け方で受けるのが参考になった1局でした。

角を打つ場所を変えて攻め方を増やす

上図は、角換わり腰掛銀からの進展で▲4五歩に△同歩とした局面。ソフトの評価値+250で互角。

先手の腰掛銀に対して後手が△6三銀型から△5四歩~△5一飛~△5五歩と位を取った展開で、比較的少ない指し方です。

後手の位が安定する前に▲4五歩と仕掛けたのですが、△同歩にどのように手を広げていくかという局面です。

実戦は▲2六角△5二玉▲4五桂△4二銀で、ソフトの評価値+216で互角。

この手順は6二の金が浮いているので▲2六角と打って、△5二玉と受けたときに▲4五桂と跳ねる展開です。

後手の銀は△2二銀と引くと4筋が手薄になるので△4二銀と引きましたが、この形も結構攻め方が難しいです。

先手の攻め駒は飛車と角と桂馬で、後はうまくいけば香車になるのですが、金駒がないので厚みを増すような攻め方はできません。

攻める糸口をつかむのが少し難しいという感じです。

実戦は△4二銀に▲1五歩と突いたのが悪く、以下△同歩▲7五歩△同歩▲1五香△1四歩▲2四歩△同歩▲7四歩△同銀▲4四角△3三桂▲6二角成△同玉▲8四金△6三玉で、ソフトの評価値-298で互角。

この手順は▲2六角と打った関係上▲1五歩と突いたのですが、気持ち的に何が何でも攻めを繋げるというような感じで攻めが1本道になったようです。

今見れば別に慌てて攻めなくてもちょっと相手にも動いてもらうという余裕があればいいのですが、ただ先手だけ必死に攻めて攻めが繋がるか切れるかという感じです。

このような展開は先手の飛車があまり働いていないので、攻めの幅があまり広がりません。

▲1五歩では▲8八玉と様子を見るくらいで、ソフトの評価値+252で互角。

なお最初の局面の▲2六角では▲1七角がありました。

▲1七角△5二玉▲4五桂△4二銀で、ソフトの評価値+349で先手有利。

この手順は▲1七角と1筋に角を打つ手で、△5二玉に▲4五桂△4二銀と進んだ形です。

▲2六角と▲1七角という打つ場所の違いで形勢に差がでているのが意外でした。

▲1七角というのは将来△1五歩のような角頭を攻めるようなイメージがあるのですが、▲同歩△同香▲6二角成△同玉▲1五香で、角と金香の交換の2枚替えになるので本局では後手はうまくいきません。

また▲1七角は先手の飛車の利きが通っているので、▲2四歩から歩の交換をするのが可能です。

歩を交換して持ち駒の歩を増やして、飛車を活用するのは先手にとって大きな手だったです。

△4二銀以下▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲3四飛△3三歩▲4四飛で、ソフトの評価値+574で先手有利。

この手順は先手は2筋の歩の交換をして△2三歩に▲3四飛と歩を取るのが盲点です。

▲3四飛とすれば歩得になりますが、先手の飛車が狭く今にも取られそうな形です。

さらに△3三歩に▲4四飛として、後戻りできません。

▲4四飛の局面がなぜ先手がいいのかぱっと見で分からなかったのですが、いつでも▲4二飛成△同金▲4三歩△同金▲4四歩△4二金▲4三銀△同金▲同歩成△同玉▲6二角成のような攻めがきついです。

先手の角と桂馬が利いているので、筋に入ったような攻め方です。

これらの攻めはうまくいきすぎですが、このような狙いがあると分かっただけで収穫です。

角を打つ場所を変えて攻め方を増やすのが参考になった1局でした。

銀を取られても喰いつく形

上図は、令和元年以前の対局から、先後逆で相穴熊からの進展で先手が▲5九桂と打った局面。ソフトの評価値-1454で後手優勢。

先手はどう指すのかと思っていたら、▲5九桂はうまい手を指されたという感じだったです。

本譜は以下、△5八銀成▲7八飛△7七金▲5八飛△同馬▲3二飛成△同金▲4一銀で、ソフトの評価値-892で後手優勢。

▲5九桂には△5八銀で問題ないと思っていたのですが、▲7八飛をうっかりして歩が打てれば7七に歩を打つのですが、二歩になります。

ただ△7七金で問題ないと思っていたら、▲5八飛をうっかりして△同馬に▲3二飛成が見えてなかったです。

以下▲4一銀となりましたが、逆転されたのではと思っていました。

評価値を見るとまだ後手優勢ですが、△5八馬と△7七金の働きが悪いです。

△5八銀成では△3七歩成がありました。

△3七歩成▲同桂△3八歩▲2九金△3九金で、ソフトの評価値-1603で後手優勢。

△3七歩成は筋ですが、ここでも対局中は見えてなかったです。

▲同桂に△3八歩が厳しいです。

△3八歩に▲同金なら△同銀成▲同飛△4九馬で、ソフトの評価値-2243で後手勝勢。

この手順は、△4九馬とやや遊んでいた馬が飛車取りとするのは理想的な展開です。

よって△3八歩に▲2九金と辛抱しますが、そこで4七の銀取りに構わず△3九金が鋭いです。

△3九金▲4七桂△2九金▲同玉△4九馬で、ソフトの評価値-1660で後手優勢。

後手は銀を渡しますが、駒割りは後手の桂損です。

しかし後手玉が固く、後手が喰いつている形なので後手優勢です。

△3八歩の拠点が大きく、先手は駒をたくさん渡すことができません。

銀を取られても喰いつく形にするのが参考になった1局でした。

受けがない場合は手番がきたら攻める

上図は、先後逆で先手立石流四間飛車からの進展で▲4四同歩と金を取った局面。ソフトの評価値+546で先手有利。

自分の使っているソフトは+300以上になったら有利で、+800以上になったら優勢、+2000以上になったら勝勢の形勢判断になっており、やや古いソフトです。

最近の新しいソフトは+1500以上になったら勝勢ですが、それ以外の有利と優勢の数値は変わっていないようです。

その意味で+546というのは有利と優勢の間くらいという感覚です。

それでも対局中に後手をもつとだいぶしんどい感じです。

やはり玉の固さがだいぶ先手の方がよく、しかも先手は持ち駒を含めて金駒6枚もあり馬付きの美濃囲いなので相当固いです。

よく金駒が多い方が勝ちやすいということを聞いたことがありますが、体力勝ちしやすいという面があると思います。

これだけ見ると全く後手はいいようなところがなさそうですが、それでもまだ後手は不利という段階で思ったほど差が開いていないのが不思議です。

では後手はどのように粘って指すのがいいのかが気になります。

実戦は△4二歩▲4一銀で、ソフトの評価値+1207で先手優勢。

この手順の△4二歩は▲4三金とか▲4三銀とかを受けた手で手堅いのですが、▲4一銀と打たれるとあまり受けの効果はなさそうです。

やはり後手は守りの金が1枚だけなので、それを狙われるとどんどん薄くなります。

結局後手はたいした受けがない形なので、ここで貴重な手番を活かして攻めた方がよかったです。

△4二歩では△4五桂がありました。ソフトの評価値+537で先手有利。

この手順の△4五桂は敵の馬を攻める手で、特に守りの馬がいなくなると先手玉は少し薄くなります。

後手の2筋にいる2枚の香車が活躍できる展開になれば、少し逆転の目がでてきます。

この△4五桂がどの程度厳しいかはいまひとつ分かりにくいのかもしれませんので、△4五桂に▲4三銀と打ってみます。

△4五桂以下▲4三銀△3七桂成▲同桂△2七香成▲同銀△同香成▲同玉△2六銀▲同玉△4四角で、ソフトの評価値-499で後手有利。

この手順は後手にとってややうまくいきすぎで、△4五桂には▲4六馬と逃げるのが普通ですが、あえて▲4三銀と攻め合いにきた変化手順です。

▲4三銀は詰めろではありませんが、▲3二銀成とすればほとんど後手玉は寄り筋です。

▲4三銀には△3七桂成から馬を取って△2七香成が厳しいです。

以下清算して△2六銀とただ捨ての銀を打って▲同玉に△4四角と王手ができるのが大きいです。

△4四角以下▲2七玉△2六銀と抑えて、以下どこかで△4三金と手を戻すのも可能です。

これは先手の▲4三銀のため△4四角と王手で以下△4三金と手を戻すのようになりましたが、▲4三金の場合はどうなるかが気になります。

△4五桂以下▲4三金△3七桂成▲同桂△2七香成▲同銀△同香成▲同玉△3五桂▲同歩△2六銀▲3八玉△3七銀成▲同玉△3五龍▲3六歩△4五桂▲2七玉△2六銀▲1八玉△4三金▲同歩成△2七角▲2九玉△3八金▲同金△同角成▲同玉△3七桂成▲4九玉△4八金まで詰みです。

この手順は▲4三金として△4四角には▲同金とする含みのあるのですが、△3七桂成~△2七香成と殺到して以下△3五桂が強烈です。

△3五桂に▲同歩なら△2六銀と捨てて▲同玉に△3五龍の大駒の活用が鋭いです。

△3五龍に▲3六歩と打ちますが△4五桂以下寄り筋で、特に4三の金が質駒になっています。

変化はありますがそのような意味で△4五桂が勝負手だったようです。

受けがない場合は手番がきたら攻めるのが参考になった1局でした。

角と桂馬で玉のコビンを攻める

上図は、相掛かりからの進展で△5四飛と歩を取った局面。ソフトの評価値+1703で先手優勢。

5二の飛車が△5四飛とした展開です。

駒割りは角と銀の交換で先手が駒得で、後手玉のコビンを角と桂馬で攻めているので先手優勢です。

後手の6五の桂馬も先手玉に近い位置ですが、先手玉は意外と広くまだ駒が足りません。

ソフトの評価値が1500を超えているので、最新のソフトであれば形勢は先手勝勢と表示されそうです。

自分の使っているソフトは少し古いので先手優勢という表示になっています。

それくらい形勢には差がありますが、先手はこれからどのように局面をまとめていくかという段階です。

5五の角には8二の馬でひもがついていますが、後手の5四の飛車が先手玉を直通しているので、5五の角の動きに制約があります。

5五の角をうまく使って攻めたいところです。

実戦は▲5六銀△6四歩▲3三桂成△同金▲2四歩で、ソフトの評価値+710で先手有利。

この手順は角と5八の玉の間に▲5六銀と銀をあげて玉の直通を避けた形です。

後手は△6四歩がしぶとく先手の馬の利きを止めて馬の働きが悪くなりました。

以下▲3三桂成~▲2四歩と玉頭を攻めてまずまずを思っていたのですが、だいぶ評価値が下がりました。

1000くらい評価値が下がるというのはあまりいい手ではありません。

特に▲5六銀は候補手の1つですが、この手があまりよくなかったようです。

候補手の1つといっても評価値が大きく下がるケースもあり、その局面により手の評価が変わってきます。

本局においては▲5六銀と△6四歩との手の交換でだいぶ先手が損をしたようです。

▲2四歩以下の変化手順として△同銀▲同飛△2三歩▲2九飛△5五飛▲同銀△5六桂で、ソフトの評価値+860で先手優勢。

この手順は▲2四歩△同銀に▲同飛として守りの銀を取るのは大きいのですが、後手も△5五飛~△5六桂と先手陣に迫って勝負形のようです。

これでも先手がよさそうですが、最初の局面からは別の指し方がありました。

▲5六銀では▲3三桂成がありました。

▲3三桂成△同金▲2五桂で、ソフトの評価値+1725で先手優勢。

この手順は▲3三桂成~▲2五桂と桂馬のおかわりで攻める手で、この攻め方が分かりやすかったようです。

角のラインにある玉は受け方が難しく、安い駒の桂馬で守りの金を攻めるのは理想的です。

▲2五桂は詰めろなので後手は受ける必要があります。

▲2五桂に△4四歩なら▲3三桂成△同玉▲4三金△同玉▲2三飛成△3三金▲3二銀△4二玉▲3一銀不成△4三玉▲4四歩△同飛▲3三龍△同玉▲4四角△同玉▲4五飛△3三玉▲5五馬△4四歩▲同馬△2三玉▲2二馬△2四玉▲2三金まで詰みです。

この手順は▲2五桂に△4四歩と先手の角道を止めたのですが、▲3三桂成~▲4三金が厳しいです。

▲4三金に△2二玉とするのは▲4四金とする手が▲5四金からの詰めろなのでこれも先手勝勢です。

▲2五桂に△2四銀打なら▲3三桂成△同銀▲2四歩△同銀直▲同飛△2三歩▲3一銀△同玉▲2三飛成△3二銀▲5七歩△2三銀▲3三角成△5二飛打▲4六馬で、ソフトの評価値+1875で先手優勢。

この手順は▲3三桂成~▲2四歩で後手の金駒がぼろぼろ取られますが、△2三歩に▲3一銀~▲2三飛成が鋭いです。

▲3一銀では▲2九飛と引いても十分ですが、寄せがある場合は▲3一銀が厳しいです。

ただしその後の指し方は決して簡単ではなく、▲3一銀のような手もあると理解すればいいと思います。

角と桂馬で玉のコビンを攻めるのが参考になった1局でした。

▲3七銀の超速でも半持久戦で指せる

上図は、後手ゴキゲン中飛車に先手▲3七銀型の超速からの進展で▲7七銀とした局面。ソフトの評価値+441で先手有利。

後手が△6五歩と突いたので6六の銀を▲7七銀と引いた局面です。

先手の▲3七銀型の超速は急戦調の戦いが基本ですが、後手が早めに△6三銀~△5四銀と4五の地点に2枚利かすと先手は簡単に仕掛けられません。

また△5四銀と上がった形は△6五歩として先手の6六の銀が▲7七銀と引くことになります。

そういう展開になると半持久戦のような形になりやすく、先手は仕掛けができず形勢が悪いのかと思いがちですがそうでもなく、意外とバランスがとれているようです。

▲7七銀と引いた局面が先手有利だったのは驚きました。

将棋ソフトがなければ先手は仕掛けられず作戦失敗で片付けられそうですが、ソフトの評価値を見ればある程度の形勢が分かるのでありがたいです。

ただし、なぜ先手有利という評価値はいまひとつ理解できておらず、理由としては後手の玉の守りが薄くまとめづらいというとしか考えられません。

実戦は△6三銀だったのですが、対局中はなぜ△6三銀としたのかがよく分かっていませんでした。

△6三銀と引けば▲4五銀の仕掛けの筋が生じるのでありがたいと思っていたのですが、代わりにになる手も難しかったようです。

▲7七銀に△9四歩なら▲同歩△同香▲6四角△7三金▲同角成△同玉▲9四香で、ソフトの評価値+1060で先手優勢。

▲7七銀に△1二香なら▲4二角成△同金▲2三飛成△3三角▲2五桂で、ソフトの評価値+1118で先手優勢。

▲7七銀に△7三桂なら▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲3四飛で、ソフトの評価値+658で先手有利。

これらは先手がうまくいきすぎのようで、4六の銀があまり働いていないようでも先手の大駒だけで手が作れている感じです。

▲7七銀に△3三角なら▲7五歩△同歩▲同角△7四歩▲8六角△8四歩▲7六銀で、ソフトの評価値+511で先手有利。

この手順の△3三角は手待ちみたいな手ですが、先手は7筋の歩を交換してから▲7六銀と駒を繰り替えるのがうまいようです。

後手玉は守りが薄いので先手としては玉頭戦になるのは歓迎です。

実戦は△6三銀に▲4五銀△3三銀で、ソフトの評価値+422で先手有利。

この実戦の手順は▲7七銀に△6三銀と引いて、後手玉の守りを固めたのですが、▲4五銀の仕掛けを許す手です。

▲4五銀に△同銀なら▲同桂で銀が捌けて桂馬が5段目まで活用できるので気持ちがいいのですが、▲4五銀に△3三銀と引いて辛抱する手を居飛車側は浮かびづらいです。

振り飛車には△3三銀のような間合いを図るような手があり、これでも先手有利のようですが、振り飛車側からするとこれくらいは互角に近い感覚だと思われます。

なおソフトは▲4五銀では▲2四歩を推奨していました。

▲2四歩△同歩▲同飛△1三角▲2六飛で、ソフトの評価値+560で先手有利。

この手順は▲2四歩と合わせる手で△同歩▲同飛に△2三歩と打てば▲3四飛で、ソフトの評価値+514で先手有利。

後手の持ち駒に歩があれば△3三歩で先手の飛車が取られますが、後手は歩切れです。

よって後手は△2三歩と打たずに△1三角と上がったのですが、▲2六飛が好位置です。

この局面は先手から▲1五歩のような手があり、先手が指しやすいようです。

▲3七銀の超速でも半持久戦で指せるのが参考になった1局でした。