穴熊を固くしてから戦いを起こす

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△5四飛とした局面。ソフトの評価値+162で互角。

後手の4四の飛車が△5四飛とした形で、先手の角のラインを先に受けた展開です。

対局中はいい勝負と思って▲4六歩と突いてまずまずかと思っていたのですが、▲4六歩はソフトの候補手にありませんでした。

候補手にないということは、ソフトの感覚ではあまりいい手ではない可能性が高いです。

実戦は▲4六歩に△4四飛だったのですが△4四飛で△4六同歩なら、ソフトの評価値-45で互角。

この手順の▲4六歩は飛車の横利きの歩を突くことで飛車が軽くなっていいのかと思って突いたのですが、そこで△4六同歩があったようです。

ぱっと見で△4六同歩は▲同銀でも▲同飛でもどちらでも指しにくい感じがするのですが、振り飛車は捌きの将棋なので後手としても4筋の歩が切れるとその筋に飛車を活用しやすくなります。

△4六同歩に▲同飛なら△4四飛▲同飛△同角▲4一飛△4九飛▲6八銀△5二銀▲2一飛成△2九飛成で、ソフトの評価値-99で互角。

この手順は▲4六同飛に△4四飛と強くぶつけるのが意表の手で、居飛車側からすると少し浮かびにくい指し方です。

相穴熊の将棋なのでお互いの玉は固いのですが、先手は7八の金が浮いているのと5七の銀がやや玉から離れています。

それに対して後手の穴熊は△6二金と△6三銀の組み合わせですが、5筋の歩を突いていないので角のラインで狙われにくいです。

そのような意味で穴熊の固さは後手の方が固いように思われます。

△4四飛に強く▲4四同飛~▲4一飛と打ち込みましたが、△4九飛と打って飛車の間に角がある形です。

先手は▲6八銀で、後手は△5二銀と形を変えることでお互いに桂馬を取り合う展開になりますが、やや後手の主張が通ったような感じです。

飛車交換の原因となったのは、4筋の歩を交換したことで4筋に飛車が回りやすくなったためです。

△4六同歩に▲同銀なら△4四飛▲4五歩△4一飛▲3四飛△5四銀▲2四歩△同歩▲2二歩△4三銀▲3六飛△2二角で、ソフトの評価値-97で互角。

この手順は▲4六同銀として後手の飛車を抑え込む方針で▲4五歩~▲3四飛とした展開は先手が1歩得で成功かと思っていたのですが、△5四銀で意外にも先手は成果が上がっていません。

以下先手は2筋の歩を突き捨てて飛車成りを狙いますが、後手も△4三銀として簡単ではありません。

▲4六歩から動く展開はやや先手の穴熊が薄い形なので、タイミングが少し早い可能性があります。

▲4六歩では▲6八銀がありました。ソフトの評価値+133で互角。

この手順の▲6八銀は松尾流穴熊を目指す手で、▲6八銀~▲7九銀右の形が理想です。

▲7九銀右とすると7八の金にひもがつく形になります。

▲6八銀に△6五歩なら▲同歩△7七角成▲同金上△2八角▲2二角△1九角成▲2六飛△1二香▲1一角成△2八香▲1二馬△2九香成▲2一馬で、ソフトの評価値+589で先手有利。

この手順は△6五歩と動いてきて▲7九銀右の前に戦いを起こす手ですが、やや無理筋のようです。

▲同歩から角交換に▲7七同金上が形にとらわれない取り方のようです。

後手は△2八角の打ち込みに対して先手は▲2二角からの打ち込みで、お互いに隅の桂馬と香車を拾う展開ですが、先手は1歩得で6五に位があるので先手が少し指せているようです。

▲6八銀に△7二金寄なら▲7九銀右△7四歩▲4六歩で、ソフトの評価値+138で互角。

この手順は後手は△7二金寄で玉を固めたのに対して先手も▲7九銀右で玉を固くします。

以下△7四歩に先手は穴熊が完成しているので今度は▲4六歩と動く手があり、これでいい勝負のようです。

穴熊を固くしてから戦いを起こすのが参考になった1局でした。