上図は、先後逆で後手横歩取り△8四飛型からの進展で▲2七歩と打った局面。ソフトの評価値+4で互角。
後手が△2四飛と回った手に▲2七歩と打った展開です。
駒の損得はありませんが、後手は7一の銀が使いづらくいつでも▲8二歩成がありますので、後手は銀が動けません。
また今すぐに攻めようと思っても駒が前に進んでいませんので、攻めるのも難しいです。
そのような意味で後手はバランスを崩すことなく指し手を選ばないといけないのですが、ここで後手は大きく失敗しました。
実戦は△4一玉と引いて対局中はあまりいい手ではなさそうな感じはしましたが、簡単に後手が悪くなりました。
▲2七歩以下△4一玉▲6五桂△5四飛▲三三桂成で、ソフトの評価値+763で先手有利。

この手順の△4一玉は完全に失着でした。
先手は▲6五桂~▲7三桂成と敵陣に成り駒を作って理想的な展開です。
評価値が300なら予想勝率62%で、評価値が800なら予想勝率79%とネットにのっていました。
これにあてはめると評価値763は予想勝率77%くらいで、将棋としては大差に近いです。
数手前まで互角だったのが、精度の悪い手を指すと将棋がだめになるという典型的なパターンです。
△4一玉を指したときに5三の地点が薄くなるのは気になっていましたが、短い時間では他の手が浮かばず指した感じです。
案の定▲6五桂と跳ねてきて、いまさら△5二玉と上がる気にならず△5四飛としましたが、今度は▲7三桂成とされて7三の地点がお留守になっていました。
▲7三桂成も全く見えておらず、勝負所でこのような指し手の精度では厳しいです。
△4一玉では△3四飛がありました。
△3四飛▲7六飛△6二金▲6八銀△2三銀で、ソフトの評価値+62で互角。

この手順は△3四飛とする手で具体的な狙いはありませんが、3七の銀の動きをけん制しているという意味はあります。
後手の飛車は2四にいて2七の地点をけん制する形もありますが、3筋に移動した方が飛車が軽い形です。
先手は▲7六飛として将来▲7四歩の突き捨てがあり、△同歩なら▲7二歩△同銀▲8二歩成のような狙いがあります。
先手の7筋の歩が切れると▲7二歩~▲8二歩成のようにと金を作られる可能性があるので、後手は慎重になります。
▲7六飛には△6二金と上がって、やや形が崩れますがと金は作らせないように受けに回ります。
以下▲6八銀に△2三銀と上がってどうかという展開です。
このような展開になるのは、後手が先に受ける形にして相手の狙いを封じたことで形勢が保たれているようです。
できるだけ隙を見せないように指せばそれなりにいい勝負になるようです。
つい辛抱できずに動いたり、隙があるような指し手を選択すると数手で大きく形勢がく変わるのでこのあたりも気をつけないといけないようです。
特に相手が強い人だと、1手のミスで挽回できなくなることもあるので、駒があまりぶつかっていない状態でも互角に近い指し手を選択できるようにしたいです。
△2三銀と上がった局面はまだこれからの将棋ですが、実戦に比べるとはるかにいいです。
勝負所は指し手の精度が大事なのが参考になった1局でした。