上図は、後手阪田流向かい飛車からの進展で▲9六歩と突いた局面。ソフトの評価値+101で互角。
阪田流向かい飛車は後手が△3三角としたときに▲同角成△同金~△2二飛とする展開です。
後手の3三の金が特徴的で、この金を引いて使うか横に使うか攻めに使うかに分かれます。
最近の将棋では横に使う形が多い印象ですが、実戦的に気になるのは攻めに使う形です。
大会ではよほどのことがない限り△2四歩から金を攻めに使うことはないだろうと思っても、実戦的にどのような対応をすればいいかはそれなりに悩みます。
先手は3八の銀だけで2筋を守っている形なので、この瞬間に後手から動かれたときに少し手が遅れているという意味です。
実戦は△6二銀▲4七銀でソフトの評価値+133で互角だったのですが、変化手順で△2四歩▲同歩△同金で、ソフトの評価値+115で互角。

この手順は△2四歩から動いてくる形で、後手は4二の銀と7二の玉が自陣の歩を守っているので先手から角を打って歩を取りにいくというのは難しいです。
後手からは△2五歩と一旦抑えて指すのと、△2五金から金を前進させるのと2通りありますが△2五金について調べてみます。
先手の受けの形が▲3六歩▲3七桂▲4七銀まで整備されていれば後手からの攻めは自然に受けることができますが、2筋と3筋はやや駒が低い形なので別の受け方になります。
△2四金には▲3六歩の受け方が自然なようで、△2五金には▲7七角と打ちます。
この▲7七角が意外とうるさい手で、△3三銀とすれば受かるようでも▲3七桂△2六金▲4五桂△4四銀▲5三桂成△2七歩▲2九飛△3六金▲4三成桂△5五歩▲3九金で、ソフトの評価値+759で先手有利。
この手順は△3三銀には▲3七桂~▲4五桂の活用が味のいい手で、▲5三桂成まで進めば先手が指せています。
後手は△2七歩と抑えて△2八歩成が狙いですが、▲3九金と受けに使って2筋は数が足りています。
▲3六歩と突くのは▲3七桂から素早い対応があるので、価値の高い手のようです。
また▲7七角に△3三桂と受けるのは▲3五歩△2七歩▲同飛△2六金▲2八飛△3五歩▲3四歩△2七歩▲1八飛で、ソフトの評価値+731で先手有利。こ
この手順は△3三桂には▲3五歩と桂頭を狙うのが鋭く、後手も△2七歩の叩きから△2六金としますが、▲2八飛と引かれるとこの後が難しいようです。
ソフトは△2四金には▲3六歩の受けが推奨手だったのですが、別の手もありました。
△2四同金以下▲7七角△4四角▲同角△同歩▲6五角で、ソフトの評価値-225で互角。

この手順は▲7七角と飛車取りに打つ手ですが、ここで後手に色々な受けがあります。
▲7七角△3三銀▲3六歩として△2五金なら▲3七桂~▲4五桂を狙います。
▲3六歩に△6二銀なら▲4七銀△2五金▲3八金として、金を3筋の受けに使います。
▲3六歩と突いた形は将来▲3七桂と跳ねて活用します。
ここでは▲7七角に△4四角と打った場合を調べてみますが、▲同角△同歩に▲6五角が浮かびにくいです。
評価値を見るとやや後手持ちになっていますが、互角の範囲なのでこのような指し方もあるようです。
▲6五角の次の狙いは▲2三歩△同飛▲3二角成なので、後手はそれを受けることになります。
▲6五角以下△2五歩▲3六歩△6二銀▲2三歩△同金▲2五飛で、ソフトの評価値-222で互角。
この手順は▲6五角に△2五歩として局面をゆっくりする指し方ですが、先手は▲3六歩の後に▲2三歩と叩く筋があり△同金に▲2五飛とする展開です。
▲2五飛に△2四金なら▲2三歩△同金▲3二角成△同飛▲2三飛成△3一飛▲3二金のような狙いがあります。
よって▲2五飛に△2四歩とする展開で、以下は先手の角が活用できるかどうかでいい勝負のようです。
後手の阪田流向かい飛車に対抗する手段のが参考になった1局でした。