穴熊でも丁寧に指すことを心掛ける


上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲5五歩と突いた局面。ソフトの評価値-302で互角。

先手が▲5五歩と突いて後手の角の利きを止めにきたのですが、△同歩と取るのは角道が止まってその後がよく分からないというのがあって△同歩とは指せませんでした。

本来、将棋はこのような局面でじっくり考えて手を指すのが理想ですが、早指しだとほとんど直感になります。

△5五同歩だとその後が分かりにくいというのもあり実戦は△6五歩としました。

△6五歩▲7四歩△同飛▲同飛△同歩▲8三飛で、ソフトの評価値-214で互角。

この手順は△6五歩と歩を取る手ですが、先手から▲7四歩と動いて飛車交換になりました。

穴熊に対して大駒の捌き合いというのは少し指しにくいというのが多いと思いますが、自分の対局だと振り飛車側が美濃囲いなどでも振り飛車から飛車交換を目指して先に飛車を打ち込むと結構いい勝負になっていることが多いです。

玉の固さでいえば穴熊の方が固いのですが、美濃囲いや銀冠にはバランスや厚みがあります。

また振り飛車側の左の桂馬は活用しているケースが多くて、飛車交換の後の飛車の打ち込みで振り飛車側が桂得するケースが多いです。

対抗形においての桂得というのは意外と価値が高く、居飛車側はそれの代償をどこかで求めることになります。

実戦の▲8三飛の局面は評価値は後手が少し指せていますが、居飛車側が駒損になりやすく穴熊の固さを活かして勝負できるかという展開です。

穴熊なら荒捌きの分かりやすい展開というのもありますが、分かりやすいというのは指し手の選択が少なくなりやや単調な流れになることがあります。

荒捌きの分かりやすい展開は相手が強ければ簡単にそのような展開にならず、むしろ地味な駒の動きが重要になってきます。

そのような意味で穴熊といえども駒組みは慎重に進めて、少しのポイントでも有利にして指し手を進めたいという気持ちもあります。

そのあたりの実戦心理がどう働くかは、そのときにならないと分からないので難しいです。

△6五歩ではソフトは△5五同歩を推奨していました。ソフトの評価値-244で互角。

この手順は△5五同歩で、何も考えずに普通に指すならこの手になります。

現実的に後手が1歩得することになります。

△5五同歩以下▲7四歩△同飛▲同飛△同歩▲6四歩△5六歩▲6三歩成△7七角成▲5一飛△5四桂で、ソフトの評価値-1217で後手優勢。

この手順はうまくいきすぎですが、先手から▲7四歩として飛車交換になって▲6四歩と取り込む手です。

次に▲6三歩成とされるとと金ができるのですが、この局面はすでに後手優勢になっており、と金ができても後手玉は穴熊なので先手から攻めが遠いです。

このあたりが自分の読みの甘いところで、ついと金ができたら少しまずいという先入観があると踏み込んだ指し手ができません。

変化手順は居飛車が桂得になって、△5四桂と打てば駒得が拡大するので後手優勢です。

この手順の▲6四歩で▲8三飛なら△5六歩▲8五桂△9三桂▲同桂成△9九角成▲9二成桂△6九飛▲4四桂△同金▲同歩△同馬▲4五香△5四馬で、ソフトの評価値-699で後手有利。

この手順は▲8三飛と先に飛車を打ち込んで、△5六歩に▲8五桂と歩を取って活用します。

後手は△9三桂と遊んでいる桂馬を駒損ながらも交換して以下△9九角成とします。

▲4四桂に△同金▲同歩△同馬とさっぱり指すのが盲点で、▲4五香に△5四馬として駒割りは後手の金損ですが、先手は△2九金の筋があるのでどこかで受けに回るのと、後手は馬付きと1筋を位と取っているのが大きいようで後手が指せているようです。

このあたりの感覚もちょっと特殊でぱっと見の判断は難しいです。

穴熊でも丁寧に指すことを心掛けるのが参考になった1局でした。