玉頭が危ないようでも踏み込んで指す


上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲3七同桂と馬を取った局面。ソフトの評価値-192で互角。

3七の地点で角交換になって▲3七同桂とした展開です。

ここで後手の手番ですが、先手からの▲5五角が気になっていました。

実戦は▲5五角を防ぐため△6四角と打ちましたが、あまりいい手ではなかったようです。

△6四角▲4六角△同角▲同歩で、ソフトの評価値+44で互角。

この手順は角には角ということで△6四角に▲4六角と合わせて交換する展開です。

先手は手得になってそれが得か損かは不明ですが、後手としてはあまり発展性のある手ではありません。

せっかく持ち駒に大駒の飛車と角がある状態での手番なので、できたら有効な手を指したいです。

△6四角では△3六歩がありました。

△3六歩▲4五桂△3七歩成▲2六角で、ソフトの評価値-383で後手有利。

この手は△3六歩で先手の桂頭を狙う手でこれが自然な手でした。

△3六歩には▲4五桂と手順に跳ねて、いつでも▲5三桂成の王手の筋があるので後手としても油断できません。

▲4五桂と跳ねさせても後手が指せるという判断がないと△3六歩は指せません。

▲4五桂に△3七歩成が継続の狙いの手で、▲同銀なら△2七角が金と桂馬の両取りになります。

ただし、△3七歩成に▲2六角が切り返しの手で、ここまで読めているかが結構大事です。

▲4五桂~▲2六角とされて5三の地点は先手の方が数が多いので、普通は後手がまずいです。

しかし5三の地点を突破されてもまだ後手玉が詰むわけではないので、それでも後手玉は大丈夫という判断がないと指し手は大きく変わってきます。

▲2六角に△4二銀とすれば5三の地点は受かりますが、▲3七角とと金を取られてソフトの評価値+375で先手有利。

この手順は安全に指すなら△4二銀ですが、▲3七角とと金を取られてそれが▲9一角成の狙いになるので後手がまずいです。

▲2六角以下△3八と▲5三角成△4一玉▲3三歩△4二金で、ソフトの評価値-498で後手有利。

この手順は▲2六角に△3八とで銀を取って攻め合いにでます。

先手は▲5三角成として玉頭に迫りますが、△4一玉と逃げます。

普通はこのような形は後手玉がかなり危険なのですが、先手は飛車と歩で攻めが続くかどうかです。

△4一玉に▲3三歩もうるさい叩きの歩で、うっかり△同桂なら▲6三馬△5二銀▲5三桂不成△4二玉▲4一飛△同銀▲同桂成で詰みです。

このような筋があるので、玉頭に迫られるのは結構危険なことが多いです。

よって▲3三歩に△4二金と逃げたのですが、後手が凌げているかどうかです。

後手が受けきって△4九とのような形になれば後手勝勢になりますので、先手は▲4二馬とするか▲3八金と手を戻すかのどちらかになります。

△4二金以下▲同馬なら△同玉▲5三金△4一玉▲4三金△4九と▲5三桂不成△5一玉▲4一飛△6二玉▲6一飛成△7三玉で、ソフトの評価値-6989で後手勝勢。

この手順は▲4二同馬~▲5三金とする手で、△4一玉で△5一玉と逃げると▲3二歩成△同銀▲3一飛△4一銀打▲3二飛成△同銀▲4二銀で詰みのような狙い筋があります。

これもうっかりしやすいので、▲5三金には△4一玉と逃げて以下は後手が残っているようです。

△4二金以下▲3八金なら△2九飛▲3九飛△2五飛成▲6三馬△5二金上▲8一馬△3七歩▲同金△4八銀で、ソフトの評価値-1042で後手優勢。

この手順は▲3八金として自陣に戻すので見えにくいです。

▲3八金には△2九飛と3八の金の外側に飛車を下すのがうまく、▲3九飛には△2五飛成と一時撤退します。

以下▲6三馬~▲8一馬で銀と取られますが、△3七歩~△4八銀で後手がやや指せているようです。

玉頭が危ないようでも踏み込んで指すのが参考になった1局でした。