上図は、先後逆で角換わりからの進展で▲3八玉とした局面。ソフトの評価値-33で互角。
大会だとどうしても自分が指したい戦型というのがあるようで、お相手が先手番でも▲2二角成と1手損をして角換わりになることがあります。
どうしても指したい形が角換わりということで、1手損をしてでも自分の得意な戦型にしたいという意向かもしれません。
また別の考え方で、後手から横歩取りに誘導されると面倒という意味があるのかもしれません。
本局もそんな感じに進みました。
お相手の方は先手番で▲2二角成と1手損をして角換わりにして右玉にするのは、指し慣れた戦型のようでうす。
この戦型で自分がうっかりしやすいのが飛車先の歩の交換をするタイミングで、なぜか昔から歩の交換の手を見落とすことがあります。
先手が▲7七桂と跳ねているため、後手が8筋の歩を交換すると▲8五歩と抑え込まれるという危険があるので踏み込まないということです。
しっかり読みが入って踏み込まないのであればいいのですが、何となく飛車が狭くなって危ないということで感覚的に歩の交換をしないことが多いです。
歩を交換したときに飛車の位置がやや不安定で、この瞬間に技がかかりやすいです。
本局の実戦は△8一飛で、ソフトの評価値+53で互角。
この手は後手が直前に△7三桂と跳ねたので△8一飛と引いて手待ちをしました。
1段飛車はよくある形ですが、今見ると△8六歩と歩を交換する手はどうだったのかと気がつきました。
△8一飛では△8六歩がありました。
理想は△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8一飛で、ソフトの評価値-83で互角。
この手順は飛車が1段飛車になって、かつ持ち駒に歩が入るので後手が得をしています。
△8六歩▲同歩△同飛に▲8五歩なら△8七歩で、ソフトの評価値-449で後手有利。

この手順の▲8五歩に△8七歩と垂らすのが急所です。
△8七歩では△8五同桂もありますが、▲同桂△同飛▲5五桂△4二金引▲6三桂成△同金▲7五歩で、ソフトの評価値-33で互角。
この展開は▲5五桂が金駒の両取りになるので、後手としてはできれば避けたいです。
△8七歩に▲8九飛なら△8八歩成で、ソフトの評価値-793で後手有利。
この手順は△8八歩成に▲同金なら△7八角▲同金△8九飛成があります。
また△8八歩成に▲同飛なら△同飛成▲同金△7九飛▲8九飛△2九角▲4八玉△8九飛成▲同金△4七角成▲同金△2九飛で、ソフトの評価値-1122で後手優勢。
このような手順で飛車交換になると右玉は少しきつくなります。
△8六歩▲同歩△同飛▲7五歩△8七歩▲8九歩△5四歩で、ソフトの評価値±0で互角。

この手順は8筋の歩の交換に▲7五歩とする手で、後手の飛車がやや不安定な形のときに動いてきます。
▲7五歩に△同歩なら▲同銀△8一飛▲7四歩のような展開が先手の理想です。
7五の地点で歩を交換すると▲7五同銀が飛車取りになるので、これが8筋の歩を交換したときの不安定な形です。
▲7五歩に△8七歩と垂れ歩をするのが筋のようで、次に△8八歩成がありますので▲8九歩と受けます。
以下△5四歩は将来の▲5五桂の両取りを受けた手で、これで互角のようです。
△5四歩以下▲7四歩△同銀▲6一角△6二金▲4三角成△同玉▲4五歩△3五歩で、ソフトの評価値-79で互角。
この手順の▲7四歩はソフトの候補手の1つですが▲7四歩~▲6一角とする手で、△6二金に▲4三角成~▲4五歩は少し無理っぽくてもいい勝負のようです。
なお△6二金で△8二飛が形ですが、▲5二角成△同飛▲8四金で後手が失敗です。
先手が▲7五歩と突いたときに後手からも取りにくいのですが、先手からも▲7四歩△同銀と進むと次に△7六歩で桂馬が取られるので、お互いに歩を取りにくい形のようです。
なお△5四歩に先手の推奨手は▲4八金でした。
右玉に飛車先の歩を交換するのが参考になった1局でした。