おかわりの攻めに受けすぎは持ち駒が変わる


上図は、先手雁木後手矢倉からの進展で△6九銀と打った局面。ソフトの評価値+1212で先手優勢。

先手が▲2三歩と垂らした手に△6九銀と打ってきました。

△6九銀と7八の金を狙って銀を引っかける手は相居飛車や対抗形でもよく出る筋で、次に△7八銀成とすると金駒が1枚なくなって自玉が薄くなります。

自玉が薄くなると強い戦いはしにくくなりますので△6九銀のような手には1枚金駒を増やして受けるのが多いのですが、これを繰り返すと持ち駒がだいぶ変わってきます。

実戦は△6九銀以下▲6八金打△7八銀成▲同金△6九銀▲7六歩△7八銀成▲同玉で、ソフトの評価値+426で先手有利。

この手順は▲6八金打と金を埋めて△7八銀成に▲同金とします。

これはよくある受け方ですが、さらに△6九銀と2枚目の銀を使ってきました。

先手の持ち駒に金がないので▲7六歩と打って相手の飛車の利きを止めたのですが、以下△7八銀成▲同玉と進みます。

このような展開になると最初の△6九銀と打つ前は、後手の持ち駒が銀2枚だったのですが、最後の▲7八同玉の局面の後手の持ち駒は金2枚になります。

このやりとりは後手の持ち駒が銀2枚から金2枚に変わったのですが、逆の言い方をすると先手の持ち駒に金がなくなったとも言えます。

金という駒は結構価値が高く、攻めでは寄せに役立ちますし受けにも役立ちます。

その局面のケースバイケースですが、一般的には銀より金の方が価値が高いことが多いです。

金より銀の方か動ける範囲が多いのが違いですが、持ち駒に金があった場合の寄せは安心感があります。

これが銀だと相手玉がするする抜けていくということがあります。

そのようなちょっとした違いが大きく局面を左右することも多いので、金を持ち駒にしておけば一番いいタイミングで使いたいです。

自玉の安全を第一にするのはいいのですが、気がつかないうちに評価値が800くらい下がりました。

この評価値が大きく下がったのは、先手は受ける必要がないのに受けすぎたため相手に立ち直るチャンスを与えたようで、▲7八同玉に△6二金と打つと後手が悪いなりにまだ粘りが効くようです。

▲6八金打では▲5五飛がありました。

▲5五飛△7八銀成▲同玉△5五歩▲5四角で、ソフトの評価値+1118で先手優勢。

この手順は△6九銀に▲5五飛と角を取る手で以下△7八銀成▲同玉△5五歩と進みますが、そこで▲5四角が厳しいです。

▲5四角が数手前の▲2三歩と連動した手で、飛車取りですが次の狙いは▲2二金です。

▲2二金△同金▲同歩成に△同玉なら▲2三歩△同玉▲3二銀△1四玉▲1五金まで詰みです。

また▲2二同歩成に△4一玉とすれば即詰みはなさそうですが、▲3二と△5一玉▲7二角成で後手玉は受けがありません。

▲5四角以下△4八飛▲6八銀△7三飛▲2二銀△4一玉▲2一銀不成△4三金▲7四歩△7六歩▲7三歩成△7七歩成▲同玉で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順は△4八飛の合駒請求から△7三飛として粘る形ですが、今度は▲2二銀がうまいです。

▲2二銀に△同金なら▲同歩成△同玉▲3二金△2三玉▲4二金でこれが▲3二角成の詰めろになります。

▲2二銀に逃げても駒を取って▲7四歩が厳しく△同飛なら▲6三角成のような狙いで先手勝勢です。

本局は先手は飛車を渡しても合駒すれば問題ない局面だったので、△6九銀には攻めた方がよかったです。

おかわりの攻めに受けすぎは持ち駒が変わるのが参考になった1局でした。