香車を活用する垂れ歩

上図は、先後逆で相居飛車からの進展で▲7三角と打った局面。ソフトの評価値-513で後手有利。

▲7三角成は飛車取りですが、▲5五角成や▲8四角成と馬を作って手厚く指すこともできますので結構嫌な手です。

駒割りは桂と香の交換で後手が9筋から少し攻め込んでいるので少し指しやすいかと思っていましたが、ここからどのように形勢を維持しつつ有利から優勢にもっていくかが難しいです。

実戦は△6五飛▲6六歩△6一飛で、ソフトの評価値-305で後手有利。

この手順は△6五飛と歩を取って▲6六歩に△6一飛と引く手で、自然に指せばこれが普通です。

ただし、△6一飛に▲9七歩と催促されたときに手が続くかが後手としてはポイントになります。

手が続けばこれでもいいのですが、続かないと緩手になりますのでそのあたりを見極めて指す必要があります。

自分の場合はそこまで考えてなかったので、指し手の理解度としてはいまひとつだったようです。

最初の△6五飛が見えたら▲6六歩△6一飛までは1本道なのですが、そこで▲9七歩にどうやって手を繋げていこうというのはちょっと読みの精度が悪いようです。

むしろ考えるのは、▲7三角と打った時に△6五飛以外の手を考えるかどうかだったようです。

△6五飛では△9七歩がありました。ソフトの評価値-385で後手有利。

この手順は△9七歩と歩を垂らす手で、後手は9六の香車があるうちに9筋から手を作っていく形です。

△9七歩以下▲9九歩△9二飛で、ソフトの評価値-617で後手有利。

この手順は少し分かりにくいところがあって、△9七歩と垂らして▲9九歩と受けたときに△9二飛と回る形です。

次に△9八歩成▲同歩△同香成のような狙いがありますが、それなら△9七歩と垂らさずに▲7三角に△9二飛はどうかという疑問が湧いてきます。

この手順も似たような狙いがありますが、▲7三角に△9二飛は▲9三歩△同飛▲8四角成のような受けがあります。

もちろんこのように指されたら後手が悪いということはありませんが、△9七歩▲9九歩の交換を入れておくと△9二飛に▲9三歩は2歩のため打てません。

そのようなちょっとした違いですが、△9七歩▲9九歩の交換を入れておくのは価値があるようです。

△9七歩以下▲6二角成△同金▲9二飛△9八歩成▲6二飛成△8八と▲同玉△6九角で、ソフトの評価値-1706で後手優勢。

この手順は▲6二角成~▲9二飛と両取りに打つ手で、これも考えられますがこの場合は△9八歩成の方が厳しいようです。

▲6二飛成もそれなりに厳しい形ですが、まだ後手玉は耐久力がありますのでこの瞬間に厳しく攻めたいです。

△8八とは自然ですが次の△6九角が意外と厳しいです。

△6九角は△7八金の詰めろで、後手玉に即詰みはありませんので先手は受けることになります。

△6九角に▲7七玉なら△8八角▲同玉△7八金まで詰みです。

△6九角に▲9七歩なら△同香成で▲同桂なら△7八金▲9八玉△8九銀▲9九玉△9八香まで詰みです。

この手順の△9七同香成に▲同玉なら△9六香▲同玉△8五銀▲9七玉△9六金▲8八玉△8七金▲9九玉△8八角まで詰みです。

△6九角に▲7八銀なら△9九角▲7九玉△5八銀の寄せがあります。

△5八銀は△8八金までの詰めろですが、▲8八桂と受けても△7八角成▲同玉△6九銀▲7七玉△8八角成▲同玉△7八金まで詰みです。

△6九角に▲7七銀なら△9九角▲7九玉△5八金▲同飛△同角成で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

この手順は▲7七銀として粘る手ですが、△9九角~△5八金が△7八銀の詰めろで、1手1手になります。

このように見ると△6九角は相当厳しい手だったようで、それを見越しての△9七歩であれば納得です。

香車を活用する垂れ歩が参考になった1局でした。