受け方が難しい局面の指し方


上図は、先後逆で角換わりからの進展で▲2一歩成とした局面。ソフトの評価値-468で後手有利。

▲2二歩と打った手に△3三桂と逃げて▲2一歩成とした展開です。

後からの検討で分かったのですが、この局面は思ったほど形勢に差が開いていませんでした。

対局中は後手の方がだいぶいいと思っており、駒割りは飛桂香と角金の交換で後手が駒得しています。

また先手は歩切れなので細かい攻めができるかが微妙で、玉の堅さを頼りに攻めている感じです。

先手の攻めが細いので後はどのように有利を拡大するかなど考えており、このあたりは形勢判断が相当甘かったです。

実戦は▲2一歩成△同銀▲3三桂成△同玉で、ソフトの評価値-554で後手有利。

この手順は▲2一歩成に△同銀とする手で、以下▲3三桂成△同玉と進む形は後手も少し不安定なところはありますが、上部が開けているので後手が少し指せそうです。

このような展開になると先手は後手玉を攻めるのが大変になってきます。

ここでは先手は反対側を攻める手がありました。

変化手順で▲3三桂成を▲5三桂成△同金▲3四歩で、ソフトの評価値-392で後手有利。

この手順は△2一同銀としますがそこで▲5三桂成と反対側の歩を取るのが妙手です。

先手はさらに桂損するのでぱっと見で浮かびにくいです。

▲5三桂成に△同玉なら▲7一角の王手飛車がありますので△同金としますが、そこで▲3四歩が鋭いです。

わざわざ桂馬を捨てて取った歩を使って桂馬を取りに行くのは非効率な感じですが、後手は△5三同金とした形があまりよくありません。

また次に▲3三歩成△同玉▲4五桂△2三玉▲7一角のような狙いがあり、このように進むと逆に先手がよくなります。

▲3四歩に△4四歩と突いて▲3三歩成△同玉に▲4五桂の筋を消したつもりでも、今度は▲5一角△4二香▲7三角成で、ソフトの評価値+238で互角。

このように少し駒損するとどんどん駒損していくことになりかねないので、受け方はかなり大事です。

これらの手順を見ると、後手は3三と5三の地点に駒がいると狙われやすい形だというのが分かります。

先手の持ち駒に角とか桂馬があれば、▲4五桂とか▲7一角とか▲5一角のような筋で手が作られやすいです。

そのために後手はそのような形にならないように受けるべきでした。

△2一同銀では△4五桂がありました。ソフトの評価値-422で後手有利。

この手順は△4五桂と桂馬を取る手で、5三の地点は補強されてますが2一のと金が残る形です。

対局中は2一のと金が残るので全く考えていませんでした。

△4五桂に▲1五角や▲3一角や▲2二とや▲4五同銀のような手が気になります。

△4五桂以下▲1五角△3三香▲2二と△1四歩▲3二と△同玉▲4一銀△同玉▲3三角成△3二銀▲2二馬△5七桂成▲3四香△5八成桂▲3二香成△5一玉▲5八金△2九飛▲6九桂△6二玉で、ソフトの評価値-1648で後手優勢。

この手順は後手は3二の銀は取られますが、途中の△5七桂成がうまく▲同金なら△2八飛が王手馬取りになります。

右玉にした形は後手優勢のようです。

△4五桂以下▲3一角△5一玉▲2二と△4一銀▲4五銀△6一玉▲5五桂△6五桂打▲6三桂成△同金で、ソフトの評価値-1309で後手優勢。

この手順は▲3一角~▲2二とでと金を働かせる手ですが、△4一銀と引くと先手は駒が渋滞して少し重たくなります。

▲4五銀~▲5五桂で手を繋ぎますが、△6五桂打で後手が少し指せているようです。

△4五桂以下▲2二と△4六馬▲1五角△2四歩▲同角△3三銀▲3二金△5一玉▲3三角成△6一玉で、ソフトの評価値-1086で後手優勢。

この手順は▲2二とに△4六馬と遊んでいる馬を活用するのが少し勇気のいる手で、先手は▲1五角と王手をしますが、△2四歩~△3三銀で以下後手は右玉にして後手が指せているようです。

△4五桂以下▲4五同銀△8六桂▲6八玉△4六馬▲1五角△3三香▲3四銀△2四歩▲同角△5七馬▲同金△2八飛▲5八歩△2四飛成で、ソフトの評価値-840で後手優勢。

この手順は▲4五同銀に△8六桂と攻め合いに出る手で、やはり相手の手が違うと後手も指し手の方針が変わるのが興味深いです。

どの指し手も難しく、最初の局面は見た目以上に後手は楽観できない形でした。

受け方が難しい局面の指し方が参考になった1局でした。