後手の角の利きを事前に受ける

上図は、相早繰銀からの進展で△6四角と打った局面。ソフトの評価値+344で先手有利。

相早繰銀から矢倉のような進展になるとは全く思っていませんでしたが、将棋は手が広いのでこのように進むこともあるようです。

△6四角と打ってきましたが、次に△5六歩~△2八角成が狙いと7三の桂馬を守る意味です。

先手は次の△5六歩にどのようにその筋を受けるかですが、後手は3六に歩がいるためいつでも△3七歩成▲同桂△3六歩のような狙いもあります。

そのような意味で△6四角はなかなかの手だったようです。

角道を止めるなら▲4六歩ですが、△3七歩成▲同桂△3六歩▲4五桂△同銀▲同歩△5六歩▲5八飛△5七歩成▲同飛△5四歩で、ソフトの評価値±0で互角。

この手順は▲4六歩には△3七歩成~△3六歩がうるさく、▲4五桂に△同銀~△5六歩が切り返しです。

以下▲5八飛と回って先手は評価値を落としますが、意外にもいい勝負のようです。

実戦は△6四角以下▲4五歩△5三銀▲1八飛▲3七歩成▲7四歩で、ソフトの評価値+524で先手有利。

この手順は▲4五歩と打つ手で、△同銀とすればどこかで△3七歩成には▲同桂として銀取りになります。

▲4五歩には△同銀もあったようですが、実戦は△5三銀と引いて次に△5六歩を狙います。

先手は▲1八飛と早逃げしてそれでも△3七歩成としますが、そこで▲7四歩と戦う場所を広くする手でやや先手が指しやすいようです。

後手にと金を作られるのはそれなりに痛いところはありますが、先手玉の反対側なので先手玉には直接影響が少ないです。

この展開は自分の実力からすればまずまずだったようです。

ただし、ソフトは▲4五歩では▲1八飛を推奨していました。

▲1八飛△3七歩成▲6三馬△5三金▲7四馬△同飛▲同歩△2八と▲1七飛で、ソフトの評価値+645で先手有利。

この手順は先に▲1八飛と逃げる手で、2筋から横にいくので飛車の攻めの働きは少し落ちますが、1九の香車を守ってどこかで▲1四歩と突く味もあるのでこれが形のようです。

後手は△3七歩成としますが▲同桂とするのでなく▲6三馬として馬の活用を急ぎます。

▲3七同桂とすると△5六歩▲4七金△5七歩成▲同金△3七角成のような筋があります。

そのような意味で▲3七同桂と取るのは先手が悪くなります。

▲6三馬は次に▲7四歩と突いて、▲6四馬と▲7三歩成の両方の狙いになります。

よって▲6三馬に△5三金と受けたのですが、▲7四馬として7五の歩の拠点をうまく利用します。

以下△同飛▲同歩で飛車と角の交換から△2八とで▲同飛なら△5六歩がありますが、▲1七飛と逃げて先手が指せているようです。

最初の局面からは先手の狙いとして▲6三馬~▲7四歩や▲7四馬があるので、それをどのような局面にして指すかというのがポイントのようです。

また、先手としては△3七歩成とされたときに必ずしも▲同桂とするのでなく、別の手がないか考えるのも大事なようです。

先手の飛車も▲1八飛とすると形は2筋からそれて少し冴えないような感じもしますが、このような手も地味ながら大事なようです。

どれもちょっとした手の組み合わせで局面ががらっと変わりますが、あまり先入観にとらわれるのでなく柔軟に考えて盤面全体を見るのも効果的かと思います。

後手の角の利きを事前に受けるのが参考になった1局でした。

▲4六銀~▲3七桂型で玉を固める

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△4三銀と上がった局面。ソフトの評価値+139で互角。

4二の銀が△4三銀と上がった形ですが、先手は4六の銀をどのように活用するかが1つのポイントです。

4六の銀の歩越銀は、普通はどこかで3五や5五の地点に争点を求めて戦うことになります。

ただし、△4三銀に▲3五歩は△4五歩▲3四歩△同銀▲3七銀△5三角で、ソフトの評価値-184で互角。

この手順は▲3五歩と動いてきたのですが△4五歩の切り返しがあり、以下▲3四歩△同銀のように進みますが、先手玉はまだ整備されてない形なのでここで戦いを起こすのは後から反動がきそうです。

また後手の桂馬の頭を4三の銀で守っているので簡単ではありません。

戦いを起こすならもう少し前の段階でどうかという感じです。

実戦は△4三銀以下▲6八金寄△4五歩▲3七銀で、ソフトの評価値+57で互角。

この手順は▲6八金寄に△4五歩▲3七銀で、歩越銀が相手の歩で追い返される形です。

相居飛車の早繰銀などは歩で追い返される前に▲3五歩と突くイメージですが、本局は▲3五歩が少し無理っぽいので▲6八金寄としました。

4段目に出た銀を追い返されるのは先手とすれば面白くありませんが、やはり評価値も少し先手が下がったようです。

▲3七銀と引けばどこかで▲4六歩のように争点を求めることになりそうですが、先手は手損しているので普通に考えると少し損をしている感じです。

ソフトがないときは先手はどの程度の損をしているのかあまり分かっていませんでしたが、評価値があると具体的にどの位というのが数値として分かるのがありがたいです。

▲6八金寄では▲3七桂がありました。

▲3七桂△2一飛▲8八玉△7四歩▲7八金△4二金▲5六歩で、ソフトの評価値+154で互角。

この手順は▲3七桂と跳ねて△4五歩に▲同桂を用意する手です。

▲3七桂と跳ねた形は4五の地点に駒が1枚利きますが、▲3五歩と攻める形は将来後手から△3六歩のように桂頭を攻められることになるので、▲2六飛と浮いてからでないと▲3五歩は指せません。

▲3七桂は自分から動くというより相手の△4五歩をさせにくくすることで、その間に自玉を固めるような意味です。

先手は銀冠から▲8八玉~▲7八金と固めて以下▲5六歩とします。

先手はこの後▲6八金右~▲9八香~▲9九玉として、さらに▲8八金~▲7八金右と穴熊で固めて▲5五歩で争点を求める感じです。

これは穴熊にできれば先手の理想的ですので後手もそれまでに動くとなると△4五歩のような筋ですが、先手も4六の銀と3七の桂馬が利いているので条件がよくないと突きにくいです。

結局▲4六銀~▲3七桂は相手の仕掛けを封じて、その間に先手は玉を固めて一番いいタイミングで戦いを起こすという高等戦術のようです。

▲4六銀~▲3七桂型で玉を固めるのが参考になった1局でした。

飛車の引き場所に注意する

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲9五角とした局面。ソフトの評価値±0で互角。

先手が三間飛車に後手が銀冠を目指す展開です。

▲9五角と幽霊角にでた形に実戦は△8二飛▲7七角だったのですが、対局後に振り返ると▲7七角で▲7三角成△同桂▲7四歩はどうだったのかが少し気になりました。

▲7三角成△同桂▲7四歩は瞬間的に先手が角損になるので指しにくいのですが、後手も受け方が難しくと金攻めなどがありそうなで調べてみました。

振り飛車側は指す気がしないかもしれませんが、居飛車側は少し気になる手順です。

▲7三角成△同桂▲7四歩で、ソフトの評価値±0で互角。

この手順は△8二飛に▲7三角成と殺到する手で、△同桂に▲7四歩が継続手です。

この瞬間は後手が角得ですが、次に先手は桂馬を取っての▲7三歩成がありますので後手は少しひねった受け方をしないといけません。

評価値を見ても互角で▲7三角成~▲7四歩は考えられそうな手ですが、ソフトの候補手には上がっていませんでした。

ここでは受け方が2通りありました。

1つは▲7四歩に△同銀とする手です。

▲7四歩以下△同銀▲同飛△7二歩▲6四飛△8六歩▲7四歩△8七歩成▲7三歩成△同歩▲4五銀で、ソフトの評価値+231で互角。

この手順は▲7三歩成を消す意味で△7四同銀とする手で、以下△7二歩と受ける形になります。

先手は▲6四飛と回り次の飛車成りを受ける手がありませんので、△8六歩と攻め合いに出てどうかという展開ですが、▲7四歩~▲7三歩成で桂馬を取って駒割りは角と銀桂の交換の2枚替えになるので先手が少し指せているようです。

最後の▲4五銀で先手の飛車は横に使って活用するのが興味深いです。

もう1つは▲7四歩に△5四角とする手です。

▲7四歩以下△5四角▲7九飛△6五桂で、ソフトの評価値+76で互角。

この手順は△5四角はもらった角を使って飛車取りにするので考えそうな手ですが、▲7九飛に△6五桂が少し浮かびづらいです。

取られそうな桂馬を敵に歩の前に逃げる手で、桂馬が取られそうなのは変わりありませんが少し相手の形を崩す手筋です。

このような手は角換わり腰掛銀などにたまに出てきますが、対抗形では少ない感じです。

△6五桂に▲同歩なら△8八角成▲7五飛△6六馬▲7九飛で以下同一手順の千日手になる可能性が高くなります。

△8八角成に▲7三歩成は△7九馬▲8二とは、ソフトの評価値-1026で後手優勢。

このように飛車の取り合いは後手の駒得がいきる展開になります。

△6五桂に▲7三歩成なら△6六角▲6三と△5七桂成▲7一飛成△8三飛で、ソフトの評価値+135で互角。

この手順は▲7三歩成の飛車銀取りに受けずに△6六角と攻め合いに出る手で、こう指すと6五の桂馬がいきる形になります。

▲6三とで銀を取りましたが、▲8二とで飛車を取る手は△5七桂成で、ソフトの評価値-329で後手有利。

このあたりは駒がたくさんぶつかっていてぱっと見でよく分かりにくいですが、飛車が成る形は振り飛車の理想形の1つなので振り飛車は悪くないです。

こうして見ると最初の局面図から△8二飛に▲7三角成もありそうな手だったので、△8二飛では△8三飛と引いて▲7三角成には△同飛を用意するのが無難だったようです。

飛車の引き場所に注意するのが参考になった1局でした。

遊んでいる馬を働かせる手を考える

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲5四銀と6五の銀が歩を取った局面。ソフトの評価値-802で後手優勢。

駒割りは後手の香得で後手まずまずの展開ですが、先手は7五に角がいるためいつでも▲3一角成のような強襲があります。

後手は実質的には金駒2枚の穴熊なので決して堅くはなく、金が1枚いなくなるとすかすかになります。

また9九の馬が少し遊んでいるので後手としては馬を活用したいです。

後手から△8八歩成のような手では▲3一角成△同銀▲4二歩△同銀▲3二金のような形で攻められ、▲6三銀成や▲6三飛成の筋もありますので後手大変です。

ここは後手にとっても大事な局面で、この後の指し手で方針がだいぶ変わりそうです。

実戦は▲5四銀以下△5三歩▲同銀成△同金▲同角成△4五香で、ソフトの評価値-98で互角。

この手順は△5三歩で▲同銀成~▲同角成とされますが、△4五香と攻め合いに出てどうかという展開です。

駒割りは金と銀香の交換で、さらに金と香車の交換になりそうなので後手が駒得になりますが、後手は歩切れで大駒の飛車が受けにしか働いておらず結構大変です。

切れ負け将棋の対局なのでほんの数分しか考えることができませんでしたが、他の手も浮かばなかったので仕方なく指した感じです。

優勢な局面から互角になったので、この展開はよくなかったようです。

△5三歩では有力な手が2通りありました。

1つは△6四歩がありました。ソフトの評価値-626で後手有利。

この手順は△6四歩とする手でぱっと見で中合いみたいな手ですが、盤上の6三の歩を1つ上がる手です。

先手は飛車と角が両方働いていたので△6四歩とすることで、どちらで取っても一時的に大駒の働きが1つになって働きが落ちるという意味です。

△6四歩に▲同角なら△6六歩▲同飛△7七馬で、ソフトの評価値-1067で後手優勢。

この手順はさすがにうまくいきすぎで、これが後手の理想です。

△6四歩に▲同飛なら△7七馬▲6一飛成△5一歩で、ソフトの評価値-809で後手優勢。

この手順は△6四歩に▲同飛とすれば▲6一飛成がありますが、後手は△7七馬と桂馬を補充して△5一歩と底歩を打った形は意外と堅いです。

△7七馬と桂馬を取ったことで、後手の飛車は△8五飛と使えることになるのも大きいです。

もう1つはまた△5三歩では△8九馬もありました。ソフトの評価値-631で後手有利。

この手は△8九馬が飛車取りなので分かりやすい手ですが、駒得する手ではありませんので少し辛抱が必要です。

△8九馬以下▲6六飛△7八馬▲6五桂△7七馬▲5六飛△5五歩▲6六角△5六歩▲7七角△7八飛▲8六角打で、ソフトの評価値-767で後手有利。

この手順は馬を使って先手の飛車を追いかける手で、△7八馬に▲6五桂で遊んでいる桂馬を活用されるという考えもあるのですが、6筋の駒の利きを重くしたという考えもあり微妙なところです。

以下△7七馬~△5五歩で先手の飛車が取る形ですが、▲6六馬の切り返しもあり後手有利ながらも将棋としては難しいです。

このような手順をみると、短気を起こさずに中盤も粘り強く指さないといけないと思う次第です。

切れ負けの大会の将棋も検討してみると、それなりにいいところに手がいくとそれなりの勝負に見えてくるのが不思議です。

遊んでいる馬を働かせる手を考えるのが参考になった1局でした。

1歩損になってもいい勝負

上図は、角換わりからの進展で△5五角と打った局面。ソフトの評価値+58で互角。

△5五角は△9九角成と△4六角の2つの狙いがあり、先手は両方を受けることはできません。

△5五角のような手は相居飛車や対抗形でも部分的に出てきそうな手ですが、実際に指されるのは少ない印象です。

△5五角は別に悪い手ではなく、確実に歩得になるので損のないような手に見えますが、持ち駒の角を使うことになるのでやや味消しのようなところはあります。

△9九角成とされるとまずいのでその筋を受けることになりますが、どのように受けるかという形です。

また、先手からすると4六の歩が取られる形は少し戦力が減るのでその後はどのように指すのかが気になります。

実戦は△5五角以下▲7七角△4六角▲4七銀△6四角で、ソフトの評価値+88で互角。

この手順は△5五角に▲7七角と合わせる手です。

角には角の受けですが△4六角と取られて以下▲4七銀とします。

大駒は接近戦に弱いので金駒と使って角を責める形になり、以下△6四角と逃げてどうかという局面です。

7七に角を打っていますが、そのため先手はやや厚みがあるように見えます。

8六の地点を角と銀で守っているため安心感があるのと、7七に角を据えているので後手陣を睨んでいるという意味もあります。

後手の6四の角が狭く、先手は4七の銀を以下▲5六銀~▲6五銀のような含みで後手の角を責める狙いです。

これだと先手は歩損ですが、後手陣に対抗できる形のようです。

そのような意味で▲7七角の選択はソフトの候補手の1つで悪くはなかったですが、ソフトの推奨手は▲7七桂でした。

評価値的には▲7七桂も▲7七角も同じでした。

▲7七桂△4六角▲4七銀△6四角▲5六銀で、ソフトの評価値+44で互角。

この▲7七桂は持ち駒の角を温存する受け方で、▲7七角とは違った趣があります。

以下△4六角~△6四角と引きますが、今度は7七の地点が桂馬なので後手からいつでも△8六角のような手が生じます。

先手は持ち駒に歩がないので、後手からの8筋の攻めを歩で追い返すことができません。

▲5六銀の局面で▲6五銀から角を責めることができても、△8六角に対抗する受けを用意していないと歩損が大きくなります。

▲5六銀以下△8六角▲5五銀△6二銀▲6八玉△6四角▲同銀△同歩▲8六角で、ソフトの評価値-164で互角。

この手順は△8六角とする手ですが、▲同銀だと△同飛で△8九飛成が受けにくいです。

よって先手は▲5五銀としましたがこの手は意味が少し分かりにくいです。

▲5五銀は後手がどこかで△6四角と引けば▲同銀とする意味です。

普通は角と銀の交換は角の方が駒得ですが、本局の変化手順は後手が2歩得で先手歩切れという形なので先手は少し受けにくいです。

最後の▲8六角は後手からの△8六歩の攻めを先に受ける形で、敵の打ちたいところに打ての格言に沿った手です。

評価値は互角ながらもやや後手持ちのようで、やや先手が駒組みに神経を使うような形です。

最初の局面図の後手の△5五角はソフトの候補手にも上がってなかった手ですが、それでも互角なので序盤は手が広いようです。

なお、△5五角では△3二金がソフトの推奨手でしたが、手の流れで3三に上がった金を引くのは少し浮かびにくいかもしれません。

1歩損になってもいい勝負だったのが参考になった1局でした。

歩を突き捨てて馬を作る

上図は、角換わりからの進展で△7三桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+185で互角。

出だしは相早繰銀だったのですが、先手の4六の銀が▲4五銀と出る形になり以下▲5六銀~▲6七銀と銀矢倉になりました。

あまり見ないような進展ですが、△7三桂にどう指すかという局面です。

部分的な形は▲3七桂ですが、△3五歩のような手が気になります。

対局中は先手の金駒がやや左側に偏っており、右側は手薄なので▲4八飛と金駒に近づけて様子を見ましたがこの手はあまりよくなかったようです。

実戦は△7三桂以下▲4八飛△5四角で、ソフトの評価値-80で互角。

この手順の▲4八飛は部分的にはありそうな形ですが、4筋は飛車しか利いていないのでやや軽いです。

次に▲4五歩と突くような狙いはありますが、▲4八飛に△5四角がなかなかの手だったようです。

最初は△5四角と使ってくれて少しありがたいような気もしましたが、△5四角は4五の地点に1枚利かせたのと、△3六角や△7五歩などの含みがあります。

そのような意味で先手は少し動きにくい形になったようです。

△5四角に▲4七金なら△7五歩▲同歩△同銀▲7六歩△8六歩▲同歩△同銀▲同銀△同飛▲8七歩△8二飛で、ソフトの評価値-47で互角。

この手順は▲4七金として△3六角を防ぎましたが、先手の飛車の働きが少し重たくなったので後手は△7五歩と逆サイドから手を作っていきます。

▲同歩△同銀▲7六歩は自然な手ですが、△8六歩が鋭く▲7五歩と銀を取ると△8七歩成が厳しいです。

よって▲8六同歩から銀交換でどうかという展開になります。

△5四角もやや狭いので活用するのが大変ですが参考になる指し方です。

▲4八飛のような手は、先手の銀が5六にいると▲4五歩が戦いを起こす手になりそうですが、6七の銀なのでやや攻めの迫力がありません。

なお最初の局面図での▲4八飛でソフトは▲4五歩を推奨していました。

▲4五歩△同歩▲7一角で、ソフトの評価値+205で互角。

この手順は先手は2八の飛車のままの形で▲4五歩と突き捨てる手です。

△同歩に▲7一角と打つのは先手が1歩損ですが馬を作る狙いで、馬ができると先手は駒組みが手厚くなります。

飛車取りなので後手はどこかに飛車を逃げることになります。

▲7一角に△8一飛なら▲6二角成で、ソフトの評価値+305で先手有利。

この手順の△8一飛は後手の攻めに関して言えば、1段飛車は自然ですが▲6二角成ともたれる指し方をさせると、▲7二馬や▲6三馬の狙いがあり後手は駒組みが制約されます。

▲7一角に△8四飛なら▲6二角成で、ソフトの評価値+418で先手有利。

この手順は△8四飛と浮き飛車にしますが、これも▲6二角成とされると先手有利です。

▲7一角に△7二飛なら▲2六角成△4四銀▲3七桂△8二飛▲1六馬△3三金寄▲3八馬△8四飛▲2九飛で、ソフトの評価値+142で互角。

この手順は△7二飛とすると▲2六角成と4段目に馬を作ります。

△4四銀は先手の馬の利きを止めた手ですが、▲1六馬として次に▲2四歩からの歩の交換を狙います。

△3三金寄は▲2四歩の受けですが、▲3八馬~▲2九飛が辛抱強いです。

先手は駒がぶつかる争点を作る際にできるだけいい形にしておきたいということで、▲3八馬と▲2九飛の形になるみたいです。

その後は▲5六歩とすれば歩の交換の形になり、1歩を持ち駒にすることが可能になるのでそこから手を作っていくという感じです。

歩を突き捨てて馬を作るのが参考になった1局でした。

右玉に飛車先の歩を交換する

上図は、先後逆で角換わりからの進展で▲3八玉とした局面。ソフトの評価値-33で互角。

大会だとどうしても自分が指したい戦型というのがあるようで、お相手が先手番でも▲2二角成と1手損をして角換わりになることがあります。

どうしても指したい形が角換わりということで、1手損をしてでも自分の得意な戦型にしたいという意向かもしれません。

また別の考え方で、後手から横歩取りに誘導されると面倒という意味があるのかもしれません。

本局もそんな感じに進みました。

お相手の方は先手番で▲2二角成と1手損をして角換わりにして右玉にするのは、指し慣れた戦型のようでうす。

この戦型で自分がうっかりしやすいのが飛車先の歩の交換をするタイミングで、なぜか昔から歩の交換の手を見落とすことがあります。

先手が▲7七桂と跳ねているため、後手が8筋の歩を交換すると▲8五歩と抑え込まれるという危険があるので踏み込まないということです。

しっかり読みが入って踏み込まないのであればいいのですが、何となく飛車が狭くなって危ないということで感覚的に歩の交換をしないことが多いです。

歩を交換したときに飛車の位置がやや不安定で、この瞬間に技がかかりやすいです。

本局の実戦は△8一飛で、ソフトの評価値+53で互角。

この手は後手が直前に△7三桂と跳ねたので△8一飛と引いて手待ちをしました。

1段飛車はよくある形ですが、今見ると△8六歩と歩を交換する手はどうだったのかと気がつきました。

△8一飛では△8六歩がありました。

理想は△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8一飛で、ソフトの評価値-83で互角。

この手順は飛車が1段飛車になって、かつ持ち駒に歩が入るので後手が得をしています。

△8六歩▲同歩△同飛に▲8五歩なら△8七歩で、ソフトの評価値-449で後手有利。

この手順の▲8五歩に△8七歩と垂らすのが急所です。

△8七歩では△8五同桂もありますが、▲同桂△同飛▲5五桂△4二金引▲6三桂成△同金▲7五歩で、ソフトの評価値-33で互角。

この展開は▲5五桂が金駒の両取りになるので、後手としてはできれば避けたいです。

△8七歩に▲8九飛なら△8八歩成で、ソフトの評価値-793で後手有利。

この手順は△8八歩成に▲同金なら△7八角▲同金△8九飛成があります。

また△8八歩成に▲同飛なら△同飛成▲同金△7九飛▲8九飛△2九角▲4八玉△8九飛成▲同金△4七角成▲同金△2九飛で、ソフトの評価値-1122で後手優勢。

このような手順で飛車交換になると右玉は少しきつくなります。

△8六歩▲同歩△同飛▲7五歩△8七歩▲8九歩△5四歩で、ソフトの評価値±0で互角。

この手順は8筋の歩の交換に▲7五歩とする手で、後手の飛車がやや不安定な形のときに動いてきます。

▲7五歩に△同歩なら▲同銀△8一飛▲7四歩のような展開が先手の理想です。

7五の地点で歩を交換すると▲7五同銀が飛車取りになるので、これが8筋の歩を交換したときの不安定な形です。

▲7五歩に△8七歩と垂れ歩をするのが筋のようで、次に△8八歩成がありますので▲8九歩と受けます。

以下△5四歩は将来の▲5五桂の両取りを受けた手で、これで互角のようです。

△5四歩以下▲7四歩△同銀▲6一角△6二金▲4三角成△同玉▲4五歩△3五歩で、ソフトの評価値-79で互角。

この手順の▲7四歩はソフトの候補手の1つですが▲7四歩~▲6一角とする手で、△6二金に▲4三角成~▲4五歩は少し無理っぽくてもいい勝負のようです。

なお△6二金で△8二飛が形ですが、▲5二角成△同飛▲8四金で後手が失敗です。

先手が▲7五歩と突いたときに後手からも取りにくいのですが、先手からも▲7四歩△同銀と進むと次に△7六歩で桂馬が取られるので、お互いに歩を取りにくい形のようです。

なお△5四歩に先手の推奨手は▲4八金でした。

右玉に飛車先の歩を交換するのが参考になった1局でした。

相雁木からの攻め方

上図は、相雁木からの進展で▲7五歩に△8四飛と浮いた局面。ソフトの評価値-17で互角。

このような局面は令和の時代でよく見ますが、お互いに似た形です。

先手なら▲4五歩で後手なら△6五歩が争点になりそこから戦いが起きることが多いのですが、仕掛けてからも結構難しい戦型です。

また仕掛けを保留すると千日手になりやすく、意外と手が狭い局面かもしれません。

本局は▲4五歩から戦いが起きて以下▲7五歩に△8四飛とした形で、この手順も部分的にはよく見ます。

ただし、ここからどのように指すかが結構難しく、単純な攻めでは続かないので含みを残したような指し方になります。

実戦は△8四飛以下▲7四歩△同飛▲7六歩で、ソフトの評価値-152で互角。

この手順は▲7四歩と取り込んで△同飛に▲7六歩として7筋の傷を消す手です。

先手は後手の飛車の位置が少し悪く、金駒が入れば7五から打って飛車を取る狙いがありますが、現状は金駒を交換するような形にはなかなかなりません。

後手の浮き飛車は形が少し悪いですが、7筋の歩を交換して持ち駒にしているので、後手は飛車を使って7筋の歩を交換したとも言えます。

評価値が-152というのは、自分の理解では-300だと期待勝率が38%なので-152では44%といった感じです。

▲7六歩の局面では、目安として先手44%で後手56%で後手が少し指しやすいということになります。

評価値が-152だけだといまひとつ形勢判断が分かりにくいところはありますが、44%と56%の表記だと意外と差が開いているなという感じです。

▲7六歩には△8六歩と戦いを起こして後手が少し指しやすいようで、先手はこの指し方は面白くなかったようです。

▲7四歩では▲1五歩がありました。

▲1五歩△同歩▲2四歩△同歩▲1三歩で、ソフトの評価値-

この手順は後手の飛車を8四にしたままで1筋と2筋から手を作っていく指し方です。

後手の飛車は8四の位置は8筋の攻めには働いていますが、横の動きができなく先手に角が入れば▲5一角とか▲6二角が狙いになります。

1段飛車に比べて4段目の飛車は隙ができやすいです。

本局は後手は桂頭を守るために△8四飛としていますが、先手としては後手の飛車の受けの働きが悪いときに手を繋げていきたいです。

その手順が▲1五歩~▲2四歩~▲1三歩で、先手は持ち駒の歩が少なくこれで歩切れになったので攻めとしては細く微妙なところはあります。

まず▲1五歩で変化手順では△同歩としましたが、△7五歩という手もあります。

△7五歩に▲1四歩なら△1八歩▲同香△1七歩▲同香△同角成が狙いです。

これは後手は先手の攻めの反動を利用しています。

よって▲1五歩に△7五歩なら▲6五歩と戦いを起こして角交換を狙いとします。

後手も飛車の位置が悪いので先手の手が続くかどうかということになります。

変化手順の▲1五歩に△同歩に▲2四歩の突き捨てを入れてから▲1三歩が少し難しい手です。

後手は1筋は金駒がいなくて桂馬と香車で守っておりで少し弱い形なので、先手は▲1三歩と垂らします。

▲1三歩に△同香なら▲7四歩△同飛▲1四歩△同香▲2四飛で、ソフトの評価値+79で互角。

この手順は先手は1歩を7筋で手に入れて▲1四歩~▲2四飛で香得が確定します。

ただし、後手からも△7六歩から攻めることができるので、形勢は互角のようです。

また▲1三歩の垂らしには△8六歩もありそうです。

△8六歩に▲同歩なら△8五歩の継ぎ歩で攻めます。

また△8六歩に▲同角なら△8八歩として、▲同玉なら△6五歩で後手の角の利きに先手玉が入るので少し危険になります。

また△8八歩に▲同金もありますが壁金になるので、これも難しそうです。

この戦型は先に仕掛けると反動がきつくなるので、このあたりが千日手になりやすい要因かもしれません。

相雁木からの攻め方が参考になった1局でした。

勝勢から素早く寄せの形を作る

上図は、先後逆で角換わりからの進展で5九の玉が▲4八玉とした局面。ソフトの評価値-2934で後手勝勢。

駒割りは金桂と銀の交換で後手が駒得です。

対局中は少し苦しい将棋をなんとかここまで持ち直してきたと思っていたのですが、すでにこの局面が勝勢だったのは気がつきませんでした。

実戦は△6八金▲同金△同と▲2四歩で、ソフトの評価値-3056で後手勝勢。

この手順の△6八金でなんとか指せるようになったと思っていたのですが、このあたりの形勢判断と指し手がよくありません。

▲同金△同とに▲2四歩でこれでも後手勝勢のようですが、ここでも相手玉への寄せが見えていなかったので、この将棋の最終盤は全く手が見えていないという感じです。

△6八金では△3六桂がありました。

△3六桂▲3八玉△2八金▲同飛△4九角で、ソフトの評価値-2438で後手勝勢。

この将棋のポイントは△3六桂が見えるかどうかで、この手が見えれば寄せに1歩近づきます。

△3六桂に▲同飛なら△2七角が△4九金の詰めろで飛車取りになります。ソフトの評価値-3146で後手勝勢。

△2七角以下▲3八銀△3六角成▲4四桂△6九飛▲5九銀△3五馬で、ソフトの評価値-4854で後手勝勢。

この手順は△6九飛と打つのがうまい寄せで、次は△8五飛▲同歩△3九角が狙いです。

△6九飛に▲5九金には△5七桂成~△5九飛成の筋があります。

よって▲5九銀と埋めて受けますが△3五馬が相手に駒を渡さない寄せで、以下▲5二馬なら△5九飛成▲同玉△6八金▲4九玉△5八金▲3九玉△4八金▲2九玉△3九金打▲1八玉△1七銀▲2七玉△2六馬まで詰みです。

この寄せは△5九飛成とするのが鋭く、このような手が実戦で指せるようにならないといけないようです。

よって△3六桂に▲3八玉と逃げましたが、▲3八玉で▲3九玉なら△6八と▲同金△5九角のような攻め方です。

よって△3六桂に▲3八玉と逃げてそこで△2八金と打ちます。

△2八金に▲4九玉なら△3八角▲5九玉△3九金で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

よって△2八金には▲同飛としますが、そこで△4九角が厳しいです。

△4九角では△2八桂成としたくなりますが、▲同玉でこれでも後手がいいですが手数が伸びてきます。

△3六桂~△4九角が指せると相手玉が見えてきます。

△4九角以下▲同玉△2八桂成▲3九銀△7九飛▲5九銀△6八とで、ソフトの評価値-3161で後手勝勢。

この手順の△4九角に▲2九玉と逃げるのは、△2八桂成▲同玉△3八飛が王手金取りで以下寄り筋です。

よって▲4九同玉に△2八桂成と進みますが、この手は次に△2九飛からの詰めろです。

△2八桂成に▲3九銀と受けますが、そこで△7九飛と打つのが何気ないようで鋭い寄せです。

△7九飛では△2九飛も目にうつりますが▲3八金打で、ソフトの評価値-1851で後手優勢。

△2九飛はあまりいい手ではないようで、△7九飛と打って▲5九銀に△6八とが妙着です。

と金のただ捨てですが、▲同金には△3九成桂▲同玉△5九飛成の寄せがあります。

また△6八とに▲2八銀なら△5八と▲同玉△5七桂成▲4九玉△5九飛成▲3八玉△2六銀で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

これらの寄せを見ると、△3六桂~△2八金~△4九角~△7九飛~△6八となど何気ないところですが参考になる手が多かったです。

勝勢から素早く寄せの形を作るのが参考になった1局でした。

序盤の早い段階での駒組みを意識する

上図は、相居飛車からの進展で△8六同飛と8筋の歩の交換をした局面。ソフトの評価値+27で互角。

序盤で先手が▲2四歩と歩の交換をせず▲5八玉と上がったので、後手も変化技で△3三角として以下▲同角成△同金の形にになりました。

序盤で▲2四歩と2筋の交換をしなかったのは、▲2四飛~▲3四飛になると後手が横歩取りの形になるので今回はその戦型を避けました。

▲5八玉に後手から△8六歩の交換をすると、今後はこちらが横歩取りの戦型を選択するつもりでした。

結局▲5八玉に△3三角と上がって横歩取りの戦型になりませんでしたが、あまり見ない力戦型になりました。

以下▲8八銀に△8六歩から歩の交換という流れです。

昔の考えだと後手が歩の交換をして先手は歩の交換ができていないので、後手の方がやや得をしていると考えるのですが、ソフトの評価値は互角です。

後手は△3三金型なので先手から2筋の交換はこのままではできませんので、その代償をどこに求めるかという局面です。

ここからの指し手と評価値はやや意外でした。

実戦は▲8七銀△8二飛▲8六歩で、ソフトの評価値+1で互角。

この形は▲8七銀として銀冠に組む手です。

平成の時代だと相居飛車で銀冠を組めればやや作戦勝ちみたいな感じが多かったと理解していたのですが、評価値を見る限りは互角の範囲ながらも評価値は下がっています。

このあたりの感覚が面白いところで、相居飛車での銀冠で▲8八玉と入るのはなかなか少ないイメージで▲7九玉の形で止めておくことが多いです。

▲7九玉型にするのなら▲7八金と▲6八金が並ぶ形が多いです。

そのような将棋もたくさんあると思いますが、令和ではバランス型の駒組みが多いので片方に金駒を集めるというのがあまり評価が高くないのかもしれません。

自分の使っているソフトはやや古いのですが、、相居飛車や対抗形でも銀冠に対する評価値は意外と低い印象です。

相居飛車では銀冠で玉をしっかりと囲うような将棋になりにくいのと、対抗形では銀冠より穴熊の方が評価値が高いようです。

ソフトは▲8七銀では▲4八銀を推奨していました。

▲4八銀△8二飛▲8七歩△6二銀▲3六歩△5二金▲3七銀△6四歩▲4六銀で、ソフトの評価値+18で互角。

この手順は自分にとってやや意外だったのですが、△8二飛に▲8七歩と打つ形で局面が落ち着きます。

玉が中住まいなので▲8八銀と▲7八金の形がバランスがいいみたいです。

先手は右の銀を▲3七銀~▲4六銀とするルートで、部分的な形だと相掛かり▲3七銀戦法のような駒組みです。

相掛かり▲3七銀戦法は8八の銀を簡単に▲7七銀とせずに▲7七桂や▲7五歩などする余地を残します。

また右辺はどこかのタイミングで3五の地点に争点を求めて、▲2六飛▲3七桂▲3八金型に組みます。

そのような駒組みだと玉が中央にいる中住まいがいい位置になります。

本局は序盤の早い段階で▲5八玉と上がったので、その手をいかすなら▲3七銀戦法の駒組みがいいみたいです。

▲4六銀以下もまだこれからの将棋ですが、序盤での大きな駒組みの方針を決めるという意味で本局を調べてみました。

序盤の早い段階での駒組みを意識するのが参考になった1局でした。