1歩を取らせてその角を狙う

上図は、角換わりからの進展で△5四角と打った局面。ソフトの評価値+177で互角。

角換わりで先手が棒銀の場合に△5四角と打って受けるのは昭和の時代にあったですが、相早繰銀で△5四角と打つのはあまり見たことがありません。

後手の△5四角は攻防の手で△3六角や△7五歩と突く含みです。

対局中は△3六角と歩を取られるのがあまり面白くないと思い▲4五角と打ちました。

実戦は△5四角以下▲4五角△同角▲同銀△4二玉で、ソフトの評価値-24で互角。

この手順は▲4五角もあまり見たことがない手ですが、対局中に浮かんでこれで悪くはないと思っていました。

先手は▲4五同銀としたことで早繰銀から将来腰掛銀のような駒組みになるのですが、棋譜を見た記憶がありました。

その将棋は角交換からでなく4六の銀が自分から▲4五銀としたと記憶しているのですが、最近の棋譜には解説がないのでこのあたりはあまり分かっていません。

実戦の進行を後でソフトで検討すると、この手はソフトの候補手にも上がっておらずソフトの感覚ではあまりいい手ではなかったようです。

評価値も200くらい落ちていますので、かなりもったいないです。

序盤で300だったら期待勝率が12%ほど違う感覚なので、200だったら8%ほど違ってきます。

将棋は終盤の力がものすごく大事とは分かっていますが、序盤に関しては少しでもいい駒組みをしたいと思っているのでこのあたりも意識したいです。

△3六角と歩を取らせないのであれば△5四角に▲3五歩という手はありました。

△5四角に▲3五歩なら△同歩▲同銀△8六歩で、ソフトの評価値+56で互角。

この手順は▲3五歩として以下△同歩▲同銀で銀を5段目に進出する展開です。

早繰銀が5段目にくると、受ける側は飛車先の歩を突いて継ぎ歩というのがよくあります。

変化手順は▲3五同銀に△8六歩と突いて先手は▲同歩か▲同銀のどちらかになりますが▲同歩に絞ります。

△8六歩に▲同歩なら△8五歩▲4六銀△8六歩▲同銀△4一玉▲8七歩で、ソフトの評価値+19で互角。

この手順は自分も驚いたほどの手の流れで、まず△8五歩の継ぎ歩に▲4六銀とするのは全く意外でした。

本来は銀が5段目に出ると▲2四歩△同歩▲同銀としたいのですが、△2七歩とされ飛車が逃げると△2四銀で先手が銀損になります。

よって▲2四歩と突けないので銀を安定させるために▲4六銀としたのですが、次の△8六歩に▲同銀もうっかりしやすい手です。

普通は△同飛ですがこの場合は▲9五角の王手飛車があります。

後手は通常△9四歩と突いていることが多く、その場合は▲9五角と打てません。

ちょっとした形の違いで全く見慣れないような展開になる典型的な例です。

なおソフトは▲4五角では▲5六歩を推奨していました。

△5四角以下▲5六歩△3六角▲5八金で、ソフトの評価値+171で互角。

この手順は▲5六歩と突いて△3六角と歩を取らせる手です。

先手は1歩損になりますが、ソフトはこれはあまり大したことがないと見ているようです。

△3六角に▲5八金と受けた形で、後手は角が狭いです。

後手は6三の歩がいなければ角は広く使えるのですが、いかにも狙われやすいような場所に角がいます。

▲5八金に△5四角なら▲5五歩△6五角▲6六歩△5六角▲6七金左△同角成▲同金で、ソフトの評価値+423で先手有利。

この手順は△5四角と引いて次に△4四歩~△4三角のような狙いですが、▲5五歩から角を責めると取られる形になるので先手有利です。

▲5八金に△4四銀なら▲6八玉△4一玉▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2八飛△5四角で、ソフトの評価値+140で互角。

この手順は△4四銀として5五の地点に1枚駒を多く利かせた形で、先手は▲6八玉~▲2四歩と2筋の歩を交換していい勝負のようです。

1歩を取らせてその角を狙うのが参考になった1局でした。

角をもたれるように打って駒得を図る

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲6八飛とした局面。ソフトの評価値-479で後手有利。

先手の飛車が8八にいるときに△8七歩と叩いて▲6八飛と逃げた展開です。

対局中は後手としてはさっぱりした形で、局面も落ち着いてきてここで後手の手番なので悪くはないと思っていました。

ただし、先手から▲5四銀~▲6三銀成や▲5四銀~▲6五桂~▲5三桂成のような狙いがあるので、後手としてはそれまでに手を作っていきたいです。

実戦は▲6八飛以下△8六飛▲7五角△8二飛だったのですが、そこで変化手順で▲5四銀で、ソフトの評価値-56で互角。

この手順は△8六飛として歩切れを解消して次に△8八歩成が狙いですが、そこで▲7五角を軽視していました。

▲7五角は将来▲3一角成と金を取るような筋があり、後手の穴熊はそんなに固くないのでこの金をはがされると弱体化します。

▲7五角に△8二飛と逃げるしかありません。

実戦は△8二飛に▲8五歩だったのですが、▲8五歩で▲5四銀なら先手もやる気がでたようです。

後手は歩切れは解消しましたが、8七に歩があるので飛車が成れません。

大駒の働きは後手よりむしろ先手の方がよくなって、この展開なら後手も大変だったようです。

▲5四銀に△8八歩成としても▲8三歩△同飛▲8四歩△8二飛▲8八飛のような切り返しがあります。

△8六飛は自然な手だと思っていましたが、▲7五角の切り返しを見落とすと形勢が互角に戻るので将棋は難しいです。

△8六飛では△8八角がありました。ソフトの評価値-468で後手有利。

この手は△8八角として、次に△7七角成と△9九角成の両方の狙いがあります。

△8八角以下▲6六角△9九角成▲5四銀△8八歩成▲6五桂△7八と▲9九角△6八とで、ソフトの評価値-750で後手有利。

この手順は△8八角に▲6六角と受けて△7七角成を防いだ手で、以下△9九角成に▲5四銀~▲6五桂と遊んでいる銀と桂馬を活用します。

後手は香得しても歩切れで大駒の働きが少し重たいのですが、△8八歩成が決断の手で▲6五桂に△7八とで飛車と角の交換でやや後手が指せているようです。

実戦的に▲6六角のような手は粘りのある手で後手も対応が大変ですが、ゆっくりした手では先手の銀と桂馬が働いてくるので飛車と角の交換は仕方ないようです。

△8八角に▲同飛なら△同歩成▲5四銀△9九と▲6五桂△4六香▲同金△同銀▲6六角△7八飛▲4八香△4七金▲同香△同銀不成▲4八歩△同銀成▲同金△同飛成▲3九銀△7八龍で、ソフトの評価値-900で後手優勢。

この手順は△8八角に▲同飛として以下▲5四銀~▲6五桂と盤上の駒を活用する手です。

後手は△9九とで香車を取って△4六香と金駒を攻めて駒得を拡大します。

ただし、先手も数手後に▲4八香と打って粘る形で後手も簡単に分かりやすい形にはしてもらえません。

結局後手もどこかで決断の手を指して局面を動かしていかないといけないので、このあたりの指し手は参考になります。

評価値がいくら有利といってもその後の指し手は決して簡単ではないので、どのような形にして決断の手を指すかが大事なようです。

角をもたれるように打って駒得を図るのが参考になった1局でした。

玉頭が危ないようでも踏み込んで指す

上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲3七同桂と馬を取った局面。ソフトの評価値-192で互角。

3七の地点で角交換になって▲3七同桂とした展開です。

ここで後手の手番ですが、先手からの▲5五角が気になっていました。

実戦は▲5五角を防ぐため△6四角と打ちましたが、あまりいい手ではなかったようです。

△6四角▲4六角△同角▲同歩で、ソフトの評価値+44で互角。

この手順は角には角ということで△6四角に▲4六角と合わせて交換する展開です。

先手は手得になってそれが得か損かは不明ですが、後手としてはあまり発展性のある手ではありません。

せっかく持ち駒に大駒の飛車と角がある状態での手番なので、できたら有効な手を指したいです。

△6四角では△3六歩がありました。

△3六歩▲4五桂△3七歩成▲2六角で、ソフトの評価値-383で後手有利。

この手は△3六歩で先手の桂頭を狙う手でこれが自然な手でした。

△3六歩には▲4五桂と手順に跳ねて、いつでも▲5三桂成の王手の筋があるので後手としても油断できません。

▲4五桂と跳ねさせても後手が指せるという判断がないと△3六歩は指せません。

▲4五桂に△3七歩成が継続の狙いの手で、▲同銀なら△2七角が金と桂馬の両取りになります。

ただし、△3七歩成に▲2六角が切り返しの手で、ここまで読めているかが結構大事です。

▲4五桂~▲2六角とされて5三の地点は先手の方が数が多いので、普通は後手がまずいです。

しかし5三の地点を突破されてもまだ後手玉が詰むわけではないので、それでも後手玉は大丈夫という判断がないと指し手は大きく変わってきます。

▲2六角に△4二銀とすれば5三の地点は受かりますが、▲3七角とと金を取られてソフトの評価値+375で先手有利。

この手順は安全に指すなら△4二銀ですが、▲3七角とと金を取られてそれが▲9一角成の狙いになるので後手がまずいです。

▲2六角以下△3八と▲5三角成△4一玉▲3三歩△4二金で、ソフトの評価値-498で後手有利。

この手順は▲2六角に△3八とで銀を取って攻め合いにでます。

先手は▲5三角成として玉頭に迫りますが、△4一玉と逃げます。

普通はこのような形は後手玉がかなり危険なのですが、先手は飛車と歩で攻めが続くかどうかです。

△4一玉に▲3三歩もうるさい叩きの歩で、うっかり△同桂なら▲6三馬△5二銀▲5三桂不成△4二玉▲4一飛△同銀▲同桂成で詰みです。

このような筋があるので、玉頭に迫られるのは結構危険なことが多いです。

よって▲3三歩に△4二金と逃げたのですが、後手が凌げているかどうかです。

後手が受けきって△4九とのような形になれば後手勝勢になりますので、先手は▲4二馬とするか▲3八金と手を戻すかのどちらかになります。

△4二金以下▲同馬なら△同玉▲5三金△4一玉▲4三金△4九と▲5三桂不成△5一玉▲4一飛△6二玉▲6一飛成△7三玉で、ソフトの評価値-6989で後手勝勢。

この手順は▲4二同馬~▲5三金とする手で、△4一玉で△5一玉と逃げると▲3二歩成△同銀▲3一飛△4一銀打▲3二飛成△同銀▲4二銀で詰みのような狙い筋があります。

これもうっかりしやすいので、▲5三金には△4一玉と逃げて以下は後手が残っているようです。

△4二金以下▲3八金なら△2九飛▲3九飛△2五飛成▲6三馬△5二金上▲8一馬△3七歩▲同金△4八銀で、ソフトの評価値-1042で後手優勢。

この手順は▲3八金として自陣に戻すので見えにくいです。

▲3八金には△2九飛と3八の金の外側に飛車を下すのがうまく、▲3九飛には△2五飛成と一時撤退します。

以下▲6三馬~▲8一馬で銀と取られますが、△3七歩~△4八銀で後手がやや指せているようです。

玉頭が危ないようでも踏み込んで指すのが参考になった1局でした。

飛車を浮いて相手の狙いを消す

上図は、先後逆で角換わりからの進展で▲8五馬とした局面。

先手の馬が7四にいるときに△6三金に▲8五馬と逃げた展開です。

対局中は攻めることばかり考えて自陣の受けを全く考えていませんでした。

実戦は△9七歩成だったのですが、▲3四銀△同歩▲5二銀ならソフトの評価値+192で互角。

この手順は△9七歩成として、一応端から手を作ったのでなんとかその手をいかす手です。

と金を作るのはそれなりに大きいのですが、先手から▲3四銀~▲5二銀がありました。

この手順は銀が入れば▲5二銀というのは自然なのですが、攻めに意識が向いていたので全くの見落としです。

意外にも形勢は互角のようですが、金駒が1枚多く取られる形なのでできればこのような展開は避けたいです。

特に金駒の駒損は後から攻めにも受けにも苦しくなることが多く報われない感じです。

うっかりしていたので仕方ありませんが、自玉の周辺にも目を向けるべきでした。

△9七歩成では△4二飛がありました。ソフトの評価値-66で互角。

この手は銀交換からの▲5二銀を消したのと、8五の馬のラインを事前にかわして△7二飛の飛車の活用を狙っています。

飛車を1つ浮いて受けと攻めを狙うのは、盤面を注意深く見ていないとうっかりしやすいです。

特に大駒の活用というのは局面を大きく左右することがあるので、自陣飛車でもなんとか活用させるという意識が大事でした。

△4二飛に▲6五銀なら△同歩▲4四桂△5五角▲3二桂成△同玉▲3四銀△同歩▲4五桂△7七銀で、ソフトの評価値-238で互角。

この手順は▲6五銀~▲4四桂として安い桂馬で守りの金を攻めるという手で、後手は受けてもきりがないので△5五角と反撃含みの手を指します。

△5五角は攻防の手で、天王山に角を据えることで大駒の働きが倍増します。

先手は▲3二桂成~▲3四銀で後手の金駒を取りますが、意外と後手玉は耐久力があるようです。

▲4五桂には△7七銀と打ち込んで形勢は互角のようです。

△4二飛が見えなったのは、後手の飛車が攻めに活用できずやや抑え込まれたことによる焦りだったと思っています。

先手に馬とと金を作られて形勢を悲観していたのですが、最初の局面図は思ったほどは悪くなかったようでこのあたりは形勢を冷静に見れてなかったようです。

たしかに馬とと金を作られるのはプレッシャーになりますが、後手は6五の桂と7六の歩があるので先手も簡単に入玉はできません。

また持ち駒に角があって銀交換して銀も持ち駒になりそうなので、相手もそれなりにプレッシャーがあるのと、△4二飛とすることで▲5二銀を消して相手の狙いを外すというのも大きかったようです。

そのように直接的な指し手だけでなく心理面も考えて指せるようになると、心に余裕ができて冷静に盤面全体を見ることができるかもしれません。

飛車を浮いて相手の狙いを消すのが参考になった1局でした。

踏み込んで指して優勢を拡大する

上図は、後手横歩取り△3三角型からの進展で△4三角と打った局面。ソフトの評価値+1015で先手優勢。

▲8三角と打った手に△4三角と打って受けてきました。

対局中は▲8三角でうまくいったと思っていましたが、△4三角は見えていませんでした。

△4三角は角の攻めには角の受けということで、攻める側からすれば少し見えづらいです。

ただし、形勢は先手がいいようでここからどのように優勢を拡大するかという局面です。

先手とすれば、後手からの△2八飛や△2八歩のような攻めに前に攻め込みたいです。

実戦は▲8一飛△7一歩だったのですが変化手順で△7一飛なら、ソフトの評価値+454で先手有利。

この手順の▲8一飛で対局中はまずまずと思っていましたが、▲8一飛は4つあるソフトの候補手に上がっていませんでした。

▲8一飛に△7一歩と受けてくれるなら▲6一角成△同角▲7一飛成で、ソフトの評価値+1281で先手優勢。

この展開になれば次の▲6一龍と▲7三龍の狙いが受けにくく、△7二角打とすれば受かりますが▲9一龍で、ソフトの評価値+1552で先手優勢。

ただし、▲8一飛には△7一飛と受ける手があり、以下▲同飛成△同金でソフトの評価値+325で先手有利。

この展開になると先手は飛車打ちの場所を探すのが少し大変で、先手は持ち駒の歩が多いので1筋か2筋で手を作ることになりそうですが、やや明快さにかけるようです。

△7一飛という受け方も先手からすると見えにくいです。

▲8一飛では▲6一角成がありました。

▲6一角成△同角▲7一飛で、ソフトの評価値+922で先手優勢。

この手順は▲6一角成の角と金の交換から▲7一飛と打ち込む手で、さっぱりと指すのが見えにくいです。

次の▲6一飛成と▲7三飛成の両方を受けるなら△7二角打ですが▲9一飛成で、ソフトの評価値+931で先手優勢。

この展開は後手は2枚の角の働きが悪く、▲9一飛成以下△2八飛と打っても▲7一金△8一歩▲6一金△8二銀▲5一角△3一玉▲9二龍△6一角▲6二角成△9四角▲8一龍△2二玉▲1七桂で、ソフトの評価値+1872で先手優勢。

この手順は△2八飛には▲3九金と手堅く打つ手もありますが、攻め駒不足になる可能性もあるので▲7一金と打ちます。

以下△8一歩と粘りますが、▲6一金と角を取って△8二銀に▲5一角とします。

後手も△3一玉~△6一角と金を取って粘りますが、▲6二角成が継続手で以下▲8一龍と歩を取るとやはり先手優勢です。

後手から△2九飛成と桂馬を取られずに▲1七桂と逃げて、後手玉の逃げ道を封ずる駒になったのも大きいです。

これらの手順を見ると、▲6一角成と▲7一金が見えるかかが大きなポイントで、踏み込んで指せるかで全く進展が違ってきます。

踏み込むのと無理筋とは紙一重だと思っていますが、そこら辺の判断の精度が上がれば今より良くなるかと思われます。

踏み込んで指して優勢を拡大するのが参考になった1局でした。

自玉の守りを固めてから攻める

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△7三桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+479で先手有利。

飛車交換から飛車を打ち込んで数手進んだ局面で、駒割りは先手の桂損ですが先手の馬の働きがいいので先手が少し指せているようです。

また8六の香車と6五の位が大きく、後手玉が意外と狭いです。

ただし、先手有利になっていても攻め駒が少ないのでここからの手の作り方は難しいです。

対局中は後手の桂頭が弱いので▲7五歩と突きましたが、ここから数手で互角になりました。

実戦は▲7五歩△6五銀▲7四歩△同銀で、ソフトの評価値+179で互角。

この手順は▲7五歩で後手玉の守りの桂馬なので。ここを攻めるのが早いと思い▲7五歩と突きました。

後手の△6五銀も馬を責める手で以下▲7四歩の取り込みに△同銀で桂頭を守ります。

部分的な形だと後手の桂頭の歩がいなくなって、△7四銀の形は次に▲7五歩と位を取ってしかも銀取りで気持ちがいいのですが、△6五銀と馬取りにこられたときに継続手があるかどうかです。

うまい手があれば後手玉の寄せまでありそうですが、やや駒不足なため決めにいくのは危険です。

先手は金駒4枚で守っていますが、△6九馬と入られるといつでも△7八馬のような手が生じるので反動がきついです。

先手で一番まずいのが、決めにいって決まらずに後手に駒をたくさん渡してその駒で自玉を攻められる展開になることです。

いったんそのような気持ちになると気持ちの切り替えが大変なので、攻める時点で慎重に判断しないといけません。

▲7五歩はソフトの候補手の1つだったのですが、推奨手ではありませんでした。

▲7五歩では▲7七桂がありました。ソフトの評価値+461で先手有利。

▲7七桂は6五の地点を守る手で、後手の狙いである△6五銀のような手を防いでいます。

先手の理想は次に▲5五歩△4三銀▲7五歩で5四の銀を移動させて▲7五歩と桂頭を狙う手で、この展開になると後手は受けが効きません。

また▲5五歩と突かずに▲7五歩とする手もありそうです。

そのような意味で、後手としては▲7七桂の瞬間に厳しい手を指さないと玉頭から攻められてきます。

▲7七桂に△9四桂なら▲7五歩△8六桂▲同歩△6九馬▲7四歩△7九馬▲同金△8七香▲7八玉△8九銀▲8七玉△7九龍▲7三歩成△同金▲8五桂打で、ソフトの評価値+1077で先手優勢。

この手順は△9四桂から香車を取りにいく手ですが、▲7五歩が厳しいです。

後手は△8六桂~△6九馬として下から先手玉を攻めますが、馬付きの守りなので上部に逃げても意外とつかまりません。

▲7七桂に△6四歩なら▲5五歩△6五歩▲5六馬△同馬▲同銀△6六桂▲同金△同歩▲5四歩で、ソフトの評価値+1009で先手優勢。

手順の△6四歩は自玉の守りの歩を突く手でリスクはありますが、▲同歩なら△6五歩と打って以下▲4四馬なら△6六桂のような感じで、6五の地点に位を取って攻めの拠点を作る手です。

△6四歩には▲5五歩が柔らかい手で以下△6五歩に▲5六馬が盲点です。

以下馬の交換になりますが、後手は銀取りを放置して△6六桂と攻め合いにでます。

以下▲同金△同歩▲5四歩という手に流れで、際どい形ですが先手が指せているようです。

最後はどちらかが倒れているような形になりますが、後手もゆっくりした指し手が選択できなかったので仕方ないようです。

自玉の守りを固めてから攻めるのが参考になった1局でした。

振り飛車の捌きに対抗する受け方

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲8六同歩と歩を取った局面。ソフトの評価値-287で互角。

後手としては相手の飛車と角と銀に捌かれたくないですが、6五の銀が前進しているのでどのように対応するかという局面です。

後手は先手の攻めを重たい形にしたままで△8六飛とするのが理想的だと思っていましたが、そのような展開があるかが気になっていました。

実戦は△3五銀▲8八飛△7七角成▲同桂△8七歩で、ソフトの評価値-454で後手有利。

この手順の△3五銀はソフトの候補手の1つでしたが推奨手ではありませんでした。

△3五銀に▲8八飛だったのですが、▲8八飛で▲3三角成△同桂▲5四銀△8六飛▲8八歩で、ソフトの評価値+49で互角。

この展開は▲3三角成に△同桂とするのがあまりいい形でなく、できたら△3三同銀としたいのですが将来△8六飛とすれば▲7五角があります。

そのような意味で△3五銀はあまりよくなかったようです。

△3五銀では△5三銀がありました。

△5三銀に▲3三角成と▲6四歩の2つの手が気になります。

△5三銀▲3三角成△同銀▲6四歩△8六飛で、ソフトの評価値-199で互角。

この手順は△5三銀と引いて6四の地点を補強して角交換を狙う形です。

ただし、▲3三角成に△同銀として穴熊の形が少し崩れます。

その後▲6四歩の攻めに△8六飛とすれば▲7五角の飛車金の両取りの筋はなくなります。

△8六飛以下▲6三歩成△同金▲8七歩△同飛成▲9六角△8九飛成▲6三角成△4二銀右で、ソフトの評価値-189で互角。

この手順は▲6三歩成△同金として守りの金の形が崩れた後に▲8七歩△同飛成に▲9六角が狙いの手ですが、△8九飛成▲6三角成△4二銀右でいい勝負のようです。

もう一つの△5三銀に▲6四歩を調べます。

△5三銀▲6四歩△7七角成▲同桂△6四歩▲同銀△4二銀で、ソフトの評価値-259で互角。

この手順の▲6四歩ですが、相手に△7七角成▲同桂とすることで将来△8六飛とした形が桂取りになっていません。

先手はうまくすれば桂馬が攻めに活用する形ですが、後手からすると穴熊の形が崩れることなく角交換できました。

△6四歩に▲同銀に△4二銀と引いて銀を受けに活用する手で、自分はこのような手がなかなか浮かびません。

相手の飛車が6四の銀がいることで少し重たいという受け方です。

△4二銀に▲6五桂なら△7七角▲6九飛△8六角成で、ソフトの評価値-427で互角。

この手順は▲6五桂と桂馬を攻めに活用する手ですが、△7七角~△8六角成で受けに回って後手が少し指せているようです。

△4二銀に▲6三銀不成なら△6七歩▲同飛△6六歩▲同飛△4四角▲6七飛△6三金▲同飛成△7七角成で、ソフトの評価値-241で互角。

この手順は▲6三銀不成と攻めを継続する手に△6七歩~△6六歩~△4四角と角で受けながら反撃する手で、以下後手が桂得ですが先手も龍を作る展開でいい勝負のようです。

最後の局面図の△4二銀では△6四同銀もあったようで、以下▲同飛△6三歩▲5四飛△6七角▲8三銀△6二飛で、ソフトの評価値-234で互角。

これらの手順を見るとやはり手が広く色々な展開が考えられ、結局は相手の手に短い時間で対応できるかが大事になってくるようです。

振り飛車の捌きに対抗する受け方が参考になった1局でした。

持ち駒の角と銀をうまく使って寄せる

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲1三歩と打った局面。ソフトの評価値-99987で後手勝勢。

▲1三歩は詰めろですが評価値が999・・とでると即詰みがあることが多いので、先手玉が寄りそうです。

どのような手で詰ましにいくかですが、実戦は詰まない手を指してしまいました。

実戦は△1九銀だったのですが▲1八玉なら、ソフトの評価値+959で先手優勢。

この手順は典型的な失敗例ですが、△1九銀には▲1八玉で先手玉は詰みません。

△1九銀▲1八玉△1七歩▲同玉△1六歩▲1八玉△1七香▲2七玉△2九飛成▲1六玉△2五角▲同歩△同銀▲同桂△同龍▲1七玉で先手玉は詰みません。

この手順の△1九銀に▲1八玉と逃げるのが形で、△1七歩~△1六歩と攻めを繋げますが▲1八玉がしぶとく△1七香に▲2七玉とかわすと△2九飛成に▲1六玉で少し足りません。

なお△1九銀に▲2七玉と逃げるのは△2九飛成▲2八桂△同銀成▲同金△1五桂▲1七玉△1六歩▲同玉△2七角▲1七玉△1六香で詰みです。

やはり相手玉を寄せる場合は、できるだけ金駒は後に残すのがいいようです。

△1九銀では△1九角がありました。ソフトの評価値-99988で後手勝勢。

この手順の△1九角ですが、持ち駒の銀を残すことで最終盤で銀を頭から使うことができます。

△1九角に▲1八玉なら△1七歩▲同玉△1六歩があります。

△1六歩に▲同玉なら△1五香▲2七玉△1八銀まで詰みです。

また△1六歩に▲1八玉なら△1七銀▲2七玉△2九飛成▲1六玉△1五香まで詰みです。

この手順をみると、▲1八玉に△1七銀と打てるのが角と銀の違いです。

△1六歩に▲2七玉と逃げるのも、△2九飛成▲2八桂△同角成▲同金△1八銀▲1六玉△1五香まで詰みです。

この手順は△1八銀と銀を下から使う手で、銀の特性をよくいかしています。

これらを見ると△1九角からの寄せは意外と分かりやすかったのですが、全く別の手順でも詰みがありました。

△1九銀では△1七銀もありました。ソフトの評価値-99980で後手勝勢。

この手順の△1七銀は先手玉を上部に出して龍の力で詰ましにいく手です。

普通、金駒は最終盤まで残しておくのが多いのですが、この手は▲同玉に△1九飛成の形にするための手です。

△1七銀に▲2七玉なら△2九飛成▲2八香△1八龍▲1六玉△2八銀不成で詰みです。

▲2八香では▲2八金打でも△1八角▲1七玉△1六歩▲同玉△1五香まで詰みです。

よって△1七銀には▲同玉とします。

△1七銀▲同玉△1九飛成に▲1八香なら△1六香▲同玉△1八龍▲1七香△1五香まで詰みです。

△1七銀▲同玉△1九飛成に▲1八桂なら△1五香▲1六角△同香▲同玉△1八龍▲1七香△1五銀▲同玉△1七龍▲1六香△2三桂▲2四玉△3三金▲1四玉△1六龍まで詰みです。

これらの手順をみると先手は1三に歩があるため、歩を受けに使えません。

よっていい駒を合駒することになり後手の戦力が増えるようです。

合駒を読むのが少し手間ですがそんなに難しくはなさそうなので、やはり初手はかなり大事のようです。

このあたりの指し手の精度を少しでも上げて、詰みがある場合は詰ますようにしたいです。

持ち駒の角と銀をうまく使って寄せるのが参考になった1局でした。

△5五角と角を据えて手厚く指す

上図は、先後逆で角換わりからの進展で▲7五同歩とした局面。ソフトの評価値-95で互角。

後手が△8六歩から△7五歩と突き捨てたのですが、どちらも▲同歩とした展開です。

後手が桂馬を活用する前に△7五歩を入れるのは筋で、▲7五同歩とさせると7六に空間ができることで攻めに幅が出てきます。

ただし、後手の攻めも軽いので先手陣を攻略するまではいきません。

▲7五同歩はソフトの候補手になく、ソフトは▲4四銀を推奨していましたがこの手はなかなか指せません。

狙いが少し分かりにくいのと銀交換できる形なのに▲4四銀と銀交換をさけるのは、いまひとつ感覚として浮かびません。

▲7五同歩は強い手で、後手がこれから攻めてきますという手に堂々と受けに回った手で、後手も勢い攻めの手を繋げます。

実戦は▲7五同歩以下△6五桂▲6六銀△8六飛▲8七歩△8一飛で、ソフトの評価値+31で互角。

この手順は▲7五同歩に△6五桂と銀取りに跳ねて、▲6六銀に△8六飛~△8一飛として攻めのタイミングを図ります。

対局中は手の流れとしては全く自然なのでこれ以外考えませんでしたが、意外にもこの展開は少し後手が損をしたのかもしれません。

後手に持ち駒の歩がたくさんあれば、△8一飛からの狙いとして△7七歩▲同桂△7六歩▲6五桂△同歩のような筋はありますが、現状は歩が1枚なので後手から攻めても攻めが途切れてしまいます。

せめの厚みという点で後手の攻めはやや軽いです。

実戦は△8一飛に▲7二角△7一飛▲8三角成で、ソフトの評価値+172で互角と進みましたが、ソフトは▲7二角では▲4四銀△4一飛▲3五銀△8一飛▲4四銀の千日手模様の展開を指摘していました。

変化手順の▲4四銀は次に▲3五歩△4三銀左▲同銀成と進んだときに先手の飛車の利きが横に通るという意味ですが、ちょっと高級すぎて浮かびません。

実戦の▲7二角も自然な手でソフトは△7一飛では△4一飛の方がよかったようで、以下▲8三角成なら△3五銀▲同歩△8八歩▲同金△5七桂成▲同金△4八銀で、ソフトの評価値-39で互角。

この手順も結構難しく、△8八歩の打ち捨てと△5七桂成~△4八銀の攻めは参考になります。

なお最初の局面図では△6五桂では△5五角がありました。

△5五角▲4八金△6五桂で、ソフトの評価値-80で互角。

この手順は△5五角と天王山に角を据えて、▲4八金とさせてから△6五桂と桂馬を活用します。

△5五角と角を据えることで攻めに厚みがでてきます。

後手の理想としては△6五桂以下▲6六銀△同角▲同歩△8六飛▲8七歩△6六飛▲6七歩△3五銀▲同歩△2六飛で、これはうまくいきすぎですが盤面を広く使って大駒を活用する狙いの1つです。

△6五桂以下▲6六銀△同角▲同歩△8六飛▲2九飛で、ソフトの評価値-248で互角。

この手順は△8六飛に▲8七歩でなく▲2九飛が浮かびづらい手で、互角ですが後手もまずまずです。

△6五桂以下▲6六銀△8六飛▲8七歩△6六角▲8六歩△9九角成▲6一飛△5一香で、ソフトの評価値-158で互角。

この手順は先に△8六飛として▲8七歩と受けさせてから△6六角の時間差の攻めで、▲8六歩に△9九角成と馬を作って飛車と銀香の2枚替えになります。

▲6一飛に△5一香と取ったばかりの駒を受けに使いますが、これでもいい勝負のようです。

これらを見ても最初の局面から手が広くて、将棋は難しいです。

△5五角と角を据えて手厚く指すのが参考になった1局でした。