単純に仕掛けてみると意外と手になる

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲3六歩と突いた局面。ソフトの評価値-207で互角。

先手が石田流にダイヤモンド美濃で後手が銀冠という戦型です。

先手が▲3六歩と突いた形ですが、序盤にしては少し評価値に差が開いている感じです。

実戦的には全くの互角ですが、期待勝率でいうと後手が58%くらいありそうなのでこのあたりはソフトとの棋力の差を感じます。

対抗形は居飛車側に評価値が傾きやすいのですが、そのメリットを少しでも活かして互角から有利にもっていきたいです。

実戦は△4四歩だったのですが、以下変化手順で▲3七桂△1二香▲5九角△1一玉▲4八角△2二金で、ソフトの評価値-56で互角。

この手順は△4四歩と後手の角道を止める手で、以下穴熊に囲う展開です。

先手はその間に▲3七桂~▲5九角~▲4八角としていつでも▲7四歩~▲6五歩のような捌きを狙います。

お互いにいいタイミングで仕掛けようという形ですが、後手はだいぶ評価値が下がったようです。

居飛車側が銀冠から銀冠穴熊に囲うのはよくある筋ですが、評価値を見るとこの展開はあまりよくないようです。

自分の対抗形で悪いところは、できるだけ玉を堅くしてそれ以上堅くならなければようやく攻める手を考えるということです。

別の言い方をすると常に仕掛けを意識して指していないということで、結局仕掛けのチャンスを見逃しているとも言えます。

最初の局面図で△4四歩はソフトの候補手にも上がっていませんでした。

△4四歩では△6五歩がありました。ソフトの評価値-115で互角。

この手順は△6五歩と仕掛ける手で、銀冠のまま動く手です。

このあたりの方針に見極めが結構難しく、後手は角道が通っておりここで数手を費やして玉を固めるのはもったいないようです。

△6五歩と突くことで8四の飛車の横の利きも通るのが大きいです。

ただし、△6五歩と動いたからと言って後手有利になるのではなく互角のようです。

△6五歩に▲3七桂なら△6六歩▲4五桂△6五銀▲3三桂成△同桂▲6六飛△同銀▲同角△6九飛で、ソフトの評価値-852で後手優勢。

この手順はうまくいきすぎですが、▲3七桂に△6六歩と自然に取り込む手がいいようで▲4五桂と跳ねましたが、△6五銀で飛車が取られるので後手優勢です。

△6五歩に▲3七桂に△6六歩▲同角△6五銀▲3三角成△同桂▲7九飛△8六歩で、ソフトの評価値-418で後手有利。

この手順は▲6六同角には△6五銀と相手に飛車を攻めるのが気がつきにくい手で、以下▲3三角成~▲7九飛としますが、△8六歩で後手が少し指しやすいようです。

この手順の△6六歩に▲同飛もありますが、△同角▲同角△3三桂▲4五桂△同銀▲同歩△6九飛で、ソフトの評価値-804で後手優勢。

この手順は飛車と角の交換になりますが、角の利きで攻める▲4五桂には△同銀とあっさり銀と桂馬の交換にして△6九飛と打てば後手優勢のようです。

これらより△6五歩に▲3七桂はうまくいかないようです。

△6五歩に▲同歩なら△同銀▲3三角成△同桂▲7九飛△8六歩で、ソフトの評価値-530で後手有利。

この手順は▲6五同歩には△同銀として角交換から▲7九飛には△8六歩で後手が少し指せているようです。

△6五歩に▲7四歩なら△同飛▲同飛△同歩▲6五歩△6六歩▲7一飛△7九飛▲8一飛成△8九飛成で、ソフトの評価値-413で後手有利。

この手順の▲7四歩は石田流のよくある手ですが、△7四同飛とあっさり飛車で取るのが盲点です。

つい飛車交換して先に飛車を打たれると悪いという先入観があるのですが、先手は7七の角が使いづらく角が捌けないとお荷物になります。

よって飛車交換後に▲6五歩としたのですが、△6六歩と角交換を拒否するのがうまく以下飛車の打ち合いは後手が少し指せているようです。

なおソフトは△6五歩に▲5五歩を推奨しており、以下△同角▲6五歩△4四角で、ソフトの評価値-243で互角。

このあたりは手が広くて難しいです。

単純に仕掛けてみると意外と手になるのが参考になった1局でした。